比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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ワンランク難しい坂路トレーニング

 

 

エアグルーヴside

 

 

アップが終わって水分補給をした後、我々はトレーナーの居る坂路までやってきた。トレーナーは顎に手を添えて考える素振りをしていた。何を考えているのかは知らんが、今はトレーニング中だ。

 

 

エアグルーヴ「おい、アップは終わったぞ。」

 

八幡「あぁ、分かった。じゃあ次はメインだな。」

 

ルドルフ「身が引き締まってくる思いだ。さぁ、始めようではないか。」

 

八幡「始める前にお前達にはこんな中から1つだけ紙を取ってくれ。それがお題になる。取って中を見て内容を覚えたら、こっちのボックスに入れてくれ。」

 

 

坂路のトレーニングでこのような事をするトレーナーは初めてだが、これも何かあっての事だろう。鬼ごっこの時もそうだ。私もくじを………

 

 

『直線誰でもいいから競り合い、最後に差す。』

 

 

………根性勝負でもさせる気なのか?しかしこの中で私が競り合えるくらいの同じ実力を持ったメンバーは………居るとは思えない。

 

 

バクシンオー「おぉ、これは得意ですとも!」

 

ルドルフ「これは中々に厄介なお題だね。」

 

ブライアン「………」

 

 

サクラバクシンオーは嬉々とした表情、会長は苦笑いを浮かべられて、ブライアンは眉間に皺寄せ………ふむ、恐らくはサクラバクシンオーを除いた私達はあまり良い引きではなかったという事か。

 

 

八幡「覚えたか?覚えたらこっちのボックスに入れろよ。全員入れたら配置に着くように。誰がどこに行くのかは任せる。」

 

バクシンオー「トレーナーさん、1番前でも良いのでしょうか!?」

 

八幡「うん、配置は任せるから。あぁそれと言い忘れてたが、配置決めたらそこからは動かないようにな。そこが自分の今居るポジションって事だから。」

 

ブライアン「……実践も想定して行う、という事か。」

 

八幡「そういう事。」

 

 

私達は並びについた。順的にはサクラバクシンオー、ブライアン、私、最後に会長という並びだ。

 

 

八幡「じゃあ俺が手を振り下ろしたらスタートしてくれ。ゴールはマーカー置いてあるから分かると思う。それじゃあ………よぉ〜い、スタート!!」

 

 

ダッ!!!

 

 

私はブライアンかサクラバクシンオーと競り合い、最後には差す!だが可能ならば1番にゴールをしたい!

 

 

バクシンオー「バクシンバクシンバクシンバクシンバクシーン!!!」

 

ブライアン「くっ、やはり速い!だが……」

 

エアグルーヴ「負けてなどおられん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「我の前に道は無し。なればこそ…勇往ー邁進!」

 

エアグルーヴ「なっ!?」

 

ルドルフ「道は自ら切り開く!」

 

 

私がブライアンに迫ろうとする中、会長が一気に私を抜き去って行った。しかも内側から……しかし前にはサクラバクシンオーが……いや、私は私の走りをするのみだ、会長に気を取られている場合ではない!

 

 

ーーーゴール後ーーー

 

 

バクシンオー「いやぁ流石ですね生徒会長!これなら逃げ切れると思っていたのですが、まさか差されるとは思ってませんでした!私もまだまだトレーニングが足りませんね!!」

 

ルドルフ「いや、私も君を追い抜くのにかなり時間が掛かってしまった。私もまだまだ実力不足だよ。」

 

エアグルーヴ「何とか差せはしたが、競り合いにはなっていなかったな………」

 

ブライアン「………」

 

八幡「1本目お疲れさん。どうだった?」

 

バクシンオー「楽しかったです!」

 

八幡「いやそういう事じゃなくてな?いや、これはこれでいいのか………他は?」

 

ブライアン「あたしは書かれていた内容で走っただけだ。特に何も無い。」

 

エアグルーヴ「最後にブライアンを差す事は出来たが、競り合いにはなっていなかった。」

 

ルドルフ「私も何とか全員、という感じだったな。」

 

エアグルーヴ「因みに会長は何のお題だったのですか?私は『誰でもいいから競り合い、最後に差す。』というお題でした。」

 

ルドルフ「私のは中々に厄介な内容でね。『内側から全員抜く。』という内容だったよ。」

 

バクシンオー「私は『逃げ切れ。』でした!このような簡単な内容だとやりやすいですね!」

 

ブライアン「……私のは『走れ。』これだけだった。」

 

 

何なのだ、このバラバラな内容は……しかもブライアンに至ってはそのままではないか。

 

 

八幡「まぁ、もう分かったと思うが、簡単なのもあれば難しいのもある。ルドルフのは難しい内容で、ブライアンのも難しい部類に入る。走れなんて当たり前の事だからな。バクシンオーのも逃げるだけだったら簡単だが、相手に抜かれないようにするのはそれなりのスピードを身につけないと出来ない事だ。エアグルーヴの競り合いは正直俺が1番引いて欲しかった内容でもある。お前の脚質的に必ず競り合いになる場合があるからな。今からでも強いウマ娘と競り合う事で勝負強さを上げる事も考えていた。それに今走っているのは坂路コース、追い上げるのもスピードを上げるのも抜くのも、全て難易度がワンランク上がっていると考えてもいい。」

 

エアグルーヴ「勝負強さ……成る程な。」

 

ルドルフ「このトレーニングなら、どの位置からでも走る事が出来る……確かに場所は取ってしまうが、それを除けば実践に近い形でトレーニングが行える。これは良いトレーニングだね。」

 

ブライアン「おいトレーナー、ただ走るだけではつまらん。次やるぞ。」

 

八幡「お、おう…分かった。後4本やるつもりだからそんな慌てんな。その為に内容を50個くらい書いてきたんだからよ。」

 

エアグルーヴ「こういうところは用意周到なのだな……」

 

バクシンオー「流石ですね、トレーナーさん!!」

 

 

 

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