比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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新たな虜

 

 

八幡side

 

 

6月も中旬を過ぎて3週目に突入した。そう、つまりはレース観戦の再開を意味する。世間の皆様からしてみれば、取り上げられたおもちゃを漸く返してもらえたお子様のような気分で間違い無いだろう。浮き足立っている、までは行かないだろうが、宝塚記念はきっと過去最高レベルの人が入るだろうな。抑圧されていた分、その解放は恐ろしいと言ってもいいレベルだろうしな。そうなるとすれば、今週のユニコーンSやマーメイドSってどうなるんだろうか?

 

重賞レースに位置付けられてはいるが、GⅢだから観に来る人は居るだろうが、トライアルレースでは無いからな。それにサマーシリーズも始まってるから注目度としては少し薄い気もする。いや、ユニコーンSは絶対に集まるな、東京で春最後の重賞レースだしな。宝塚記念は爆発するとして、マーメイドSがどうなるのかだよなぁ〜。まぁ気にしたところで出走するわけじゃないからあまり気にならないが、この前の天皇賞のような事態にならない事を祈るばかりだ。

 

 

八幡「……ん、出来た。」

 

 

んで、今俺は何をしているのかというとだ。暇潰しの為に学園の厨房を借りて菓子作りだ。あっ、別に誰かにあげるとかそういうのじゃない。今言ったろ、暇潰しだって。まぁメンバーにはあげようとは思ってるが、そんなに凝ったものじゃないから味の保証くらいしか出来ないけどな。まっ、昼飯後のデザートにはちょうど良いだろう。

 

 

八幡「さて、今日は何にするか……「少し、よろしくて?」………ん?」

 

???「貴方、今何を作っていたのかしら?」

 

八幡「……苺のプリンとアイスだが?」

 

 

目の前に居る青鹿毛のウマ娘、誰もが知っていると言っても過言ではない程のウマ娘だ。史上初のトリプルティアラを達成した【メジロの至宝】にして【魔性の青鹿毛】の異名を持つメジロラモーヌだ。学園でも見かける事はあったが、それだけだ。特に興味を持った事は無かった。え、何でかって?だって既に契約してて実績も出してる、そんな奴をスカウトしろと?無理でしょ。だから走りを見れたとしても俺の中ではその走りをトレーニングのメニューに参考にするとかその程度だ。けどそんなウマ娘が何でこんな所に?

 

 

ラモーヌ「………」

 

八幡「……もういいか?」

 

ラモーヌ「……1つ、頂いても?」

 

八幡「まぁ数はあるから1つくらいは。因みにどっちが良い?それとも両方か?」

 

ラモーヌ「じゃあ両方頂ける?」

 

八幡「あいよ。」

 

 

俺はラモーヌの言う通りにプリンとアイスを用意した。一応スプーンも2つ。なんかあるじゃん、そういうの。よく分かんねぇけど。

 

 

ラモーヌ「あら、意外と手際が良いのね。」

 

八幡「少し器用なだけだ。食べ終わったら容器そのままでいいから。」

 

ラモーヌ「味の感想は気にならないの?」

 

八幡「別にお前の為に作ったわけじゃねぇし、感想とかはどうでもいい。口に合えば美味い、合わなければ美味くない、それだけだろ。そもそも俺、料理人じゃねぇし。それに昼飯の準備するからお前に構っていられる程、暇じゃないんでな。」

 

ラモーヌ「………」

 

 

ラモーヌ(不思議な人……私の様子を伺うでもなく、拒絶するわけでも無い。ただ目の前に居たから、その程度の認識。あれがアルダンの言っていた兄様………想像していたものとは随分と違っていたわ。)

 

 

ラモーヌ「………っ!」パクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「………それで、兄さん?どうして君の目の前にラモーヌが居るのかな?」

 

八幡「知らん、コイツに聞け。」

 

ラモーヌ「あら、妹に対して随分と冷たいのね。さっき、とっても甘くて美味しいお菓子をくれたのに……ねぇ、お兄様?」

 

八幡「誰がお前の兄だ、お前がくれって言ったんだろうが。」

 

ルドルフ「……随分と仲良くなったみたいだが?」

 

八幡「デザート用にプリンとアイスを作ったんだが、それを1つずつやったくらいでこの態度だ。」

 

ラモーヌ「いけないかしら?」

 

八幡「美味いと分かった途端、昼飯を強請って来る豪胆さには恐れ入ったよ。笠松から来た大食いウマ娘と同レベルだよ。」

 

ラモーヌ「少しは妹に優しくしてくれても良いのではなくて、お兄様?」

 

八幡「だから誰がお兄様だ。しかもそれ、自分に跳ね返ってるようなもんだからな?」

 

 

俺よりも年上に見えそうな奴に言われたくねぇっての。てかホントに学生に見えないよな。

 

 

ラモーヌ「ふふっ、面白い人。」クスッ

 

八幡「ルドルフ、ライスと一緒じゃないのか?」

 

ルドルフ「済まないが一緒ではない。常に行動を共にしているわけでは無いからね。」

 

八幡「そりゃそうか。まぁいい、その内来るだろ。」

 

ラモーヌ「それはどういう事なの?」

 

ルドルフ「兄さんは週に2回、我々に昼食を作ってくれる事になっているんだ。元々はライスシャワーただ1人だけの特権だったんだが、私とシービーも晴れて兄さんの担当になれたから、その恩恵を貰えているというわけさ。」

 

ラモーヌ「ふぅん………」ジィ∼

 

 

おい、やめろよ?これからは私にも作ってほしいとか絶対に言うなよ?たとえ金積まれても俺は首を縦に振らないからな?

 

 

 




ま、まさかラモーヌ姉様も腹ペコーズに?
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