比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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合宿所まで

 

 

八幡side

 

 

ライス「良い眺めだね、お兄様!」

 

八幡「そうだな、自然を感じる。」

 

ルドルフ「今回も引率を頼んでしまって済まないね。他にも頼める人材は居るのだが、車で向かう手段を使われてしまっては頼み辛くてね……」

 

八幡「成る程な、それで俺にお鉢が回ってくる事が多いのか……少し納得したわ。けどよ、何で俺は美浦寮なんだ?乗車前に話はしたけどよ、栗東寮はダメなのか?」

 

ルドルフ「栗東寮にはエアグルーヴやフジキセキを始め、ビワハヤヒデ、カツラギエース、バンブーメモリーといった頼もしいウマ娘が揃っていたからね。それと最大の理由は、兄さんの担当している我々3人の内2人は美浦寮だからだよ。」

 

八幡「最後の最後で最もらしいが私的らしい理由を聞いた気がするんだが?」

 

シービー「何さ八幡!それじゃあ八幡は栗東寮のバスに乗りたかったって言うの!?」

 

八幡「そういうわけじゃねぇよ、気になっただけだ。」

 

 

6月のレースが全て終わり、いよいよ本格的にサマーシリーズが開催される。それとは裏腹に俺達は、来るべき秋に向けて夏合宿に参加する。シービーとルドルフはこれまで通り鍛えて行くつもりだが、ライスは7月をパフォーマンスの向上、8月を追込という風に使っていく。やっぱ1ヶ月じゃスパルタトレーニングの反動は回復し切れなかったし、これは仕方ないだろう。

 

 

八幡「ロンシャンの高低差、偽りの直線、バ場、これまでとは全くの別物。これをどうやって攻略していくか………本場入りしても気が抜けないな。」ボソッ

 

ルドルフ「考え事かい、兄さん?」

 

八幡「……そんなところだ。少しロンシャンレース場の事をな。」

 

シービー「世界で1番優雅なレース場だっていうのは聞いた事あるよ。そんな所に行くんだよね〜。」

 

八幡「それもあるが、ライスが出るロワイヤリュー賞は世界最強ウマ娘を決める世界一の芝レース、凱旋門賞の前日に行われる。それを目の前で見られるのはラッキーと言っても良いだろう。」

 

ライス「確か、色んな国のウマ娘が挑戦してるけど、ヨーロッパのウマ娘しか勝った事はないんだよね?」

 

八幡「その通りだ。ましてやヨーロッパのバ場は日本と比べて芝が長くて柔らかい。これだけでも力が必要だというのは分かるとは思うが、それだけじゃない。向こうのバ場は雨が少し降っただけでもかなり重たくなる。良馬場であっても10分雨が降るだけでとんでもない道悪になっちまうくらいだ。地元に有利な点はまさにそれだろう。今回俺達が走るロワイヤリュー賞もそれと全く同じだ。道悪な上に重馬場、この2つが揃ったらこっちの勝率はガタ落ちだ。」

 

シービー「そんなに違うんだ………」

 

八幡「あぁ。日本のレース場が人の手でしっかりと整備された完璧な物だとすれば、欧州は自然の力に左右されやすい不安定な物だ。向こうのバ場は水捌けがそんなに良くないらしいからな。」

 

シービー「じゃあ雨降ったら最悪だね……」

 

ルドルフ「うむ、日本以上に走りづらいレース場とは知っていたが、天候次第でさらに悪化するとはな。」

 

八幡「まぁ今は目先の事、取り敢えずは合宿を無事に終える事だ。そうでないと目標のレースに辿り着けないしな。ライス、今は自分の身体と向き合いながらトレーニングをしろ。無茶や無理は厳禁だ、いいな?」

 

ライス「うん、分かったよ。」

 

 

ロンシャンの事は1人でもじっくり考えられる。その時にまた色々と考える事にしよう。

 

 

ルドルフ「しかし、今年は兄さんの料理を食べられると思うと楽しみになってしまうよ。」

 

シービー「ライスは食べたんでしょ?どうだった?やっぱり美味しい?」

 

ライス「とっても美味しいですよ!いつも作ってくれる料理とは違ってとっても豪華になってて、バランスも良いんです!ねぇお兄様、今年はどんなのを作るの?」

 

八幡「教えてもいいが、楽しみ無くなるぞ?」

 

シービー「ダメ、言わないで!お楽しみは取っておいた方が絶対に良いからっ!」

 

八幡「そういうわけだからメニューは内緒だ。それと………聞き耳立ててるお前達〜、匂いだけなら嗅いでもいいがやるつもりは無いからな〜。」

 

『えええぇぇぇぇ〜………』

 

八幡「なぁにがえぇ〜だ?あやかる気満々か?残念だが用意するのはこの3人だけだ。」

 

「けどさお兄さん、絶対またオグリキャップさんとかナリタブライアンさんがお兄さんのところまで来ると思うよ?それはどうするの?」

 

 

………クソ、考えたくもない事を言いやがって。

 

 

八幡「大丈夫だ、残飯処理係ならぬ俺が居るからな。自分の飯を用意しないで調理なんてやってられねぇよ。一口分も用意しないから大丈夫だ。」

 

「じゃあそれをオグリキャップさん達に「余計な事はしなくていいんだからなぁ〜!」わぉ、お兄さんが怒ったぁ〜♪」

 

八幡「頼むからそういう、やって得せずやらなくても得しない事はするなよ〜?お兄さん怒るからな?無理矢理センブリ茶飲ますからな?」

 

ライス「お兄様、センブリ茶って?」

 

八幡「めっちゃ苦いお茶。別名当薬で漢方だ。マジで苦いから飲んだら後悔するぞ。」

 

 

美浦寮にそんな悪い事をするウマ娘は居ないよな?信じてるからな?

 

 

 




良い子の皆はあの4人にチクっちゃダメですよ?
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