八幡side
現在、俺は東京レース場に赴いている。その理由は……まぁ分かる奴も居ると思う。今日はエアグルーヴの2戦目であるサウジアラビアロイヤルカップが開催される日だ。デビュー前から注目を集めていたからか、デビュー戦や条件戦、オープン戦だけでもかなり観客が居たが、このレースから観客の数が一気に跳ね上がった。今放送でも聞いていたが、その数10万人も来ているらしい。一応今日のメインレースではあるが、それでもこんなに来るとはな………
まぁいい、本題に戻ろう。俺はエアグルーヴと別れて観客席に居る。トレーナー御用達の観客席に居るわけなのだが………
ルドルフ「エアグルーヴの初の重賞か……どんなレースになるか楽しみだ。」
ブライアン「……デビュー戦であれだけの走りを見せたんだ、無様な走りはしないだろう。」
テイオー「でもさでもさ、万が一って可能性もあるよ?そこはどう思う、カイチョー?」
ルドルフ「エアグルーヴのレースセンスは私よりも上だ、その辺の心配は無いと思う。」
………何でコイツ等、此処に居るの?いや、ダメでは無いけどさ。しかも第1レースからずっと此処に居る。しかもちゃんと他のウマ娘の事を観察しながら……いや、ちゃんと観察してるのはルドルフだけなんだけど。
八幡「あのさ、聞いていい?何で居るの?」
ルドルフ「おや?君の担当のエアグルーヴと共にトレーニングをしたじゃないか。何より、私達の仲だろう?」
ブライアン「……気まぐれだ。」
テイオー「カイチョーの居る所にボクありっ!だからねっ!」
全員、答えになってねぇんだよなぁ………
ルドルフ「しかし、この表を見ただけでも分かるが、エアグルーヴの人気は凄まじいな。他のウマ娘も重賞に出られるだけの実力があるというのに、断トツの1番人気とはね。」
八幡「お前、それ分かって言ってるだろ?あの中じゃエアグルーヴの相手になるウマ娘なんて1人も居ねぇよ。ましてや今日に向けて坂路トレーニングを3ヶ月やってきてんだぞ。そんじょそこらのジュニアクラスの奴には負けねぇよ。」
テイオー「随分な自信だね?」
八幡「あぁ。今回の仕上がりが悪くても、エアグルーヴが勝つって自信もある。東京の坂はジュニアクラスのウマ娘にとっては長く感じるだろうしな。」
今のエアグルーヴにはそんな坂、坂にも感じねぇよ。
八幡sideout
エアグルーヴside
実況『東京メイン10レース、サウジアラビアRCです。芝の1,600m11人のウマ娘によって争われます。人気ウマ娘の確認をしていきましょう。1番人気エアグルーヴ、2番人気ミナミノテスコ、3番人気オースミギャロップとなっています。各ウマ娘ゲートに入って行きます。最後に大外11番ラブシックガイがゲートに入って……体勢整いました。』
ガッコン!!
実況『ゲートが開いてスタートしました!!オースミギャロップ出遅れました!大外11番のラブシックガイが先頭に立とうという勢いで上がって行きました。そして最内枠1番エアグルーヴもスルスルと上がって2番手につけています!その後ろから差が無い状態でマウンテンストーンとカネジュンナ、ミナミノテスコが続いています。マルゴウィナーと外にグランアミーゴが中団やや後方、追込み勢にホットブラッドとオースミギャロップ、アブサルート、エクセレトシャトーが中団に上がっていくという体勢となっています。』
塞がれたか……だがこの程度何ら問題では無い。最後に纏めて差す!この状況なら脚を溜めて最後一気に使うのみだ!
実況『大欅を通過して依然先頭はラブシックガイ、リードは1バ身から1バ身半、後ろエアグルーヴその横にカネジュンナとミナミノテスコ3頭並んでいる体勢!後ろからもウマ娘が追い込んで来て第4コーナーを曲がって600の標識を通過しました!先頭と先行馬が並んだ状態で直線に向きました!!』
内側は少し開いている……外も少し、か。どちらも1人分の隙間くらいだな。だがこのくらいの隙間なら、一瞬で抜けられるっ!!
実況『大外からオースミギャロップとアブサルートが迫って来るが、内から一気にエアグルーヴ抜け出して先頭に立った!』
「ウ、ウソッ!!?」
「何、あの速さ!?」
「次元が、違い過ぎる………」
どうした?お前達はその程度か?私はまだまだ上げられるぞ!!
実況『2番手ラブシックガイとの差を広げに掛かる!中団からはマウンテンストーンとミナミノテスコが差を詰めてくる!エアグルーヴ差を広げる!4バ身から5バ身の差をつけた!!ラブシックガイとマウンテンストーンとオースミギャロップが2着争い!!エアグルーヴ圧勝でゴールイン!!エアグルーヴ、デビュー戦に続きまたも見事な圧勝!!他のウマ娘を寄せ付けもしませんでした!!東京1600mもまったく問題ありませんでした!!2着マウンテンストーン、3着はラブシックガイかオースミギャロップの混戦です!エアグルーヴ、2戦2勝で重賞初制覇です!!』