比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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余韻

 

 

八幡side

 

 

ロワイヤリュー賞がライスの圧勝で終わった後、観客は盛大にライスを祝福していた。これがあるべき姿なんだと久しぶりに実感した。見ていて俺も気持ちの良い気分になった。ライスも少し恥ずかしそうにしながら手を振って、俺の元へと帰ってきた。

 

 

ライス「お兄様……ライス勝てたよ!」

 

八幡「あぁ、見てたぞ。お疲れさん……どうだった、今日のレースは?」

 

ライス「うん……とっても良かったよ!」ニコッ

 

八幡「そうだよな。」ナデナデ

 

ライス「えへへ〜……」ピョコピョコ

 

 

その後ライスと俺はインタビューを受けた。聞かれたのはやはり『日本初の海外レース制覇』だ。それに加えてレース後の事も聞いてきたから、俺は思わずこう答えた。

 

 

八幡『これが本来、レースに勝ったウマ娘にやるべき姿なんだと思いました。今の日本に1番足りていないものだと思っています。天皇賞以降、自分は日本のレース場には1度も赴いてはいません。願わくば、このロンシャンレース場の観客のように勝ったウマ娘が他国のウマ娘であろうと、望んだ結果でなかろうと、勝者を称賛出来るような環境になっている事を切に願っています。』

 

 

と。多分これは日本にも伝わっていると思う。ライスのレースはきっと日本でも生中継されていると思うしな。その後は表彰式や一緒に走ったウマ娘達とトレーナー達から『おめでとう』の声を貰った。イギリスのクローネは何故かライスに迫っていた。

 

 

ライス「………」ポォ∼

 

八幡「(嬉しい事が続いたからか、ちょっと放心してるな。トロフィーも大事に持ってるしな。)ライス、ボーッとしてたら危ないぞ?」

 

ライス「ふぇ?あっ……えへへ、ごめんねお兄様。」

 

八幡「まぁ気持ちは分かる。あれだけ皆からおめでとうって言われたんだ、ここ1年は無かった事だからその分そうなるのも無理は無い。」

 

ライス「うん……あんなに言われた事無かったから。ライスとっても嬉しかったんだ。」

 

八幡「そうだろうな。それに、お前は日本で初めて海外を勝ったウマ娘だ。これで益々、日本は海外のレースに積極的に取り組むようになるだろう。ライスのやった事はそれだけ大きい、日本に帰ったら大変になるかもな。」

 

ライス「そっかぁ……ねぇお兄様、次のレースはどうするの?年内?それとも次の年?」

 

八幡「今のところは次の年だな。今年と同じ日経賞からスタートしようと思ってる。慌ててレースに出る理由も無いし、シービーのレースもあるからな。」

 

 

シービーの奴、『早く帰って来て〜!!』とか思ってんだろうな。

 

 

ーーーシャンティイ学園・校門前ーーー

 

 

ライス「じゃあ明日のレースも一緒に行こうね?」

 

八幡「あぁ………ん?カーネギー?」

 

カーネギー「あっ、やっと来た!!ライス〜おかえり〜!トレーナーさんもおかえり〜!」

 

ライス「た、ただいま?えっと……どうか、したの?」

 

カーネギー「そりゃライスのお祝いだよ!友達がGⅠ勝ったんだから祝勝会しなきゃでしょ?」

 

ライス「け、けどライス、カーネギーさん達と同じ学園の人達に勝っちゃったんだけど……」

 

カーネギー「え、そんなの関係無いよ。思う事が無いわけじゃないけど、私はライスをお祝いしたいから。それに私の他にも4〜5人集まってるんだけど、ライスが来てくれないと困っちゃうなぁ〜。」

 

ライス「………」チラッ

 

八幡「行ってこいよ、明日は遅くなっても平気だ。明日は凱旋門賞にさえ間に合えば大丈夫だから。」

 

ライス「っ!うん♪」

 

 

ライスはカーネギーと一緒に学園側へと行ってしまった。1人取り残されてしまったが、余韻に浸るにはちょうど良いだろう。

 

 

八幡「ふぅ〜………」

 

 

まだ今年は終わってないのに色んな事があった……けど今日は今年1で幸せな日だろう。まさかあんな風にライスの勝利を受け入れてくれるとは思ってなかった。日本から来てくれたライスのファンとも話したのだが、その人達は気の良い人達だったし、ライス以外のレースを観ていた時も応援はしていたし、しっかり勝ったウマ娘に対して拍手を贈っていた。

 

そういう人達にはレース観戦の中止の事を謝罪した。元々言い出したのは俺だからな。けどファンの人達は気にした様子は無く、『寧ろライスシャワーさんを大切にしてくれているのが分かったから良かった。』と言ってくれた。

 

 

♪〜♪〜

 

 

八幡「ん?誰からだ……先生?はい、もしもし?」

 

タリアト『八幡、今は電話しても大丈夫か?』

 

八幡「はい、大丈夫です。ちょうど学園に戻ってゆっくりしてたところです。」

 

タリアト『そうか、それは良かった。先のレース、見ていたぞ。見事な采配だ。ライスの勝利がより際立って見えたぞ。』

 

八幡「ありがとうございます。ところで、そっちは先生だけ………あぁ、そっちは今11時でしたね。生徒はもう就寝時間でしたね。」

 

タリアト『シービーは残念がっていたが、また明日だな。こっちでもライスの勝利に大盛り上がりだったぞ。最終コーナーに入る前から先頭に立った時にはヒヤヒヤしたが、誰も寄せ付けずに1着入線した時は良いものだった。』

 

八幡「ありがとうございます。ライスにもそう伝えておきます。今はフランスの友人と祝勝会に行ってるので、明日になりますけど。」

 

タリアト『そうか、当地の友人が出来て何よりだ。帰りは2週間後か?』

 

八幡「そうですね、まだ予約は取ってませんけどその予定です。フランスのお土産も買って帰りますのでご心配無く。まぁ先生はお土産にはあまり興味無いと思いますけど。」

 

タリアト『そうだな、帰ったら久しぶりに私がお前にご馳走しよう。』

 

八幡「っ!……ご馳走になります。」

 

タリアト『あぁ。ではまた明日連絡する、お休み。』

 

八幡「はい、お休みなさい。」

 

 

ふぅ……さて、俺も夕食の時間まで部屋でもう1度余韻に浸るか。

 

 

 




うん、余韻に浸ってしまうのは仕方ない……
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