八幡side
八幡「……ふぅ〜。さて、そろそろ行くか。」
いつまでもこうしてると時間が少し勿体無い、俺もそろそろ食堂に行こう。腹も空いてきたしな。けどさっきニュース見たけど、もうライスの事が話題になってる。【日本、海外レース初制覇!!】とか【初の海外制覇は仏GⅠ!!ライスシャワーが戴冠!!】とかそういうのが多かった。俺もライスが評価されるのは嬉しく思うし、誇りに思う。それだけの力がライスにはあるんだから当然と言えば当然だが、菊花賞と天皇賞・春が最悪だったんだ。
八幡「まっ、今日くらいは悪い事は考えないようにするか。さて、今日は………」
ーーー食堂ーーー
「あっ、来た来た!トレーナーさ〜ん!!優勝おめでとうございます!!」
「おめでとう!!」
八幡「わざわざ言いに来てくれたのか?ありがとうな。けど済まんな、地元の仲間を負かしちまって。」
「大丈夫です!1回や2回負けたくらいで落ち込む程、私達はメンタル弱くないですから!」
「ところで、今日は何だか荷物が多いですね?」
八幡「ん?まぁちょっとな。」
「「?」」
ライスは……来てないのか?見当たらないな。
八幡「まぁいい、作っちまうか。」
「?今何て言ったのかな?」
「さぁ……日本語だったから。」
出来たらライスにも連絡するか。
八幡「すみません。厨房をお借りしたいのですが、可能ですか?」
「ん?いいけど、君が作るのかい?」
八幡「はい、夕食を。」
「じゃあ使ってない手前の場所があるから、そこを使っていいよ。」
八幡「どうも。うし、じゃあやるか。」
ーーー1時間後ーーー
八幡「………」
「凄い……美味しそう………」
アレって日本の料理、なのかな?」
「絶対そうでしょ!だってあの卵の料理って、確か………卵焼きっていうんじゃなかった?スクランブルエッグにはとても見えない上に綺麗に畳んで焼いてたよ?」
「それに鮭を両面焼いて美味しそう♪」
「あの茶色い液体って何かな?中に海藻みたいなのとお菓子みたいなのが入ってたけど……」
「さっきから火にかけているあの鉄の箱って何が入ってるんでしょうか?気になります……」
「あの黄色くて小さいのは何だろう?野菜のように見えなくもないけど。」
持ってきておいて正解だったな、この道具。さて、そろそろライスに連絡しておくか。
ーーー数分後ーーー
ライス「お兄様、ご飯作ってるって……もう出来てるの!?凄い!」
八幡「おぉライス、来たか。そろそろ日本の料理が恋しくなってきたと思ってな。色々作ったぞ。」
ライス「わぁ〜ライスの知ってる料理ばかり!」
八幡「フランスではまず見られない料理ばかりだろうから注目されるだろうが、俺達も飯にしようぜ。」
ライス「うんっ♪」
ライスも機嫌良さそうに俺の盛り付けた料理を運んで席に着いた。当然俺も同じ席に着く。因みにお代わりもある、現地で調達出来る物はそれで補ったが、出来なさそうなのは日本から持ってきた。
ライス「嬉しいなぁ……久々のお米!」
八幡「そのようだな。じゃあ食べるか。」
ライス「うん、頂きま〜す♪」
おっと。お品書きは、白米、味噌汁(昆布・油揚げ)、焼き鮭、たくあん、卵焼き、肉じゃが、ほうれん草のお浸し、サラダ(トマト・レタス・きゅうり)、以上だ。本当は肉も焼きたかったが、今日は魚にした。その方が日本を味わえると思ったから。
ライス「はむっ……んんぅ〜♪」
ライス(とっても懐かしい味……ライス、ご飯は問題無く食べれたけど、お米って何でこんなに美味しいのかなぁ?久しぶりに食べるお米って本当に美味しいなぁ〜♪でも1番はお兄様が作ってくれたからだよね!)
八幡「美味いか?」
ライス「うん、とっても♪」
八幡「そいつは何よりだ。にしても凄い視線だ……味噌汁だけでも分けてやるか。あ〜……お前達、コレに入ってる液体を味噌汁っていうんだが、飲みたい奴は居るか?」
「えっ!?飲めるの!?飲みたいっ!!」
「私もっ!!」
「日本料理……興味あります!!」
………意外と多いな、おい。まぁ味噌ならまだあるから大丈夫だろう。
「あぁ〜………ホッとする味。」
「分かる〜、優しい味だよね〜。」
「フランスだったらこんな料理は出ないよね〜。」
「お母さん、元気にしてるかなぁ〜?」
味噌汁だけでこの評価とは……恐るべしだな。けど他の料理は流石にやれないな。米だって少ないから無駄遣いは出来ない。残りの2週間で使い切る予定ではいるが、使い過ぎたら元も子も無い。
八幡「まっ、今は食事を楽しむか。」
ライス「お兄様、お代わりってあるの?」
八幡「あぁ、用意してある。やっぱ欲しいか?」
ライス「うんっ♪」
その後、食堂に来たトレーナー達も俺とライスの料理を見てウマ娘と同じ質問をしたところ、全員が食べると即答したので味噌汁を振る舞う結果となった。日本の料理ってこっちではそんなに普及していないのか?
異文化交流ってのも、案外悪くないかもな。食事の面では意外と好感触かもしれん。
ライス「お兄様、お代わりしてもいいかな?」
八幡「おう、少し待ってろ。」
1ヶ月は日本料理の最たる米が食べられなかったわけですからね〜。