エアグルーヴside
私が重賞を制覇してから翌日、何故か校門前が取材陣で賑わっていた。今日は何か特別な取材があっただろうかと頭を悩んでいる最中だ。すると………
「エアグルーヴさんの担当トレーナーはいらっしゃいますか!?」
「お話を聞きたいのですが、お時間をいただけませんか!?」
「ほんの少しの時間でいいのです!」
……何だ、あのたわけに対しての取材か。昨日聴き忘れた事でもあったのだろう。まさかそんな事で此処まで来るとは思わなかったが、一体何を聞きに来たと言うのだ?
エアグルーヴ「っ!……会長申しわけございません、すぐに向かいます。」
こんな所で呆けている場合ではない、私にも生徒会の業務がある。会長の手を煩わせるわけにはいかん、すぐに行かねばな。
エアグルーヴside
八幡side
ふぅ、今日はトレーニング休みだから次のレースに向けてのミーティングは明日って事にしてあるし、何をしようか………ってなんだアレ?何かモメてるな。
たづな「ですから困ります!事前に許可を取ってからお越しください!勝手な学園敷地内侵入は不法侵入として訴えさせてもらいますよ!」
「ですがそちらの比企谷トレーナーについてお聞きしたい事があるのです!少しでいいのでお時間を取る事は出来ませんか?」
たづな「ですから!そういうのは事前に許可を取ってからお願いして欲しいと言っているではありませんか!」
………面倒な場面に出くわしたな。しかも相手の記者さん、俺をご指名かよ。一体何の用だ?
『あっ。』
八幡「げっ……」
うわっ、目が合っちまった。しかも俺の顔なんてデビュー戦や昨日のインタビューでバレてるだろうから逃げる事は出来ないだろうな。いや、敷地内だからまだ大丈夫か。
「比企谷トレーナー!少々お時間を取らせていただいてもよろしいでしようか!?」
「ほんの少しだけでいいのです!」
「ご協力お願いします!!」
たづな「あっ、ちょっと!こ、困ります!」
………あれじゃたづなさんが可哀想だ。仕方ない、いっちょやってやるか。本当はあんまやりたくはないんだけど。
八幡「駿川さん、代わるんでもういいですよ。」
たづな「ひ、比企谷トレーナー!ですが………」
八幡「少々と言ってるんですから、時間なんてそんなに掛からないでしょう。1つ2つの質問で終わりますって………多分ですけど。それにこの人達だってこんな事してまでこちらに来てるんですから、ある事無い事捏造して記事にするなんて卑怯で下劣な真似はしないでしょう。ただでさえ許可も取らずに学園に押し掛けてきてるんですから。」
たづな「………」
「比企谷トレーナー、それは一体どういう事ですか?」
八幡「それはこっちの台詞ですよ。許可も取らずに学園に押し入っただけでなく、従業員から説明を受けているのにも関わらず押し通そうとしてるんですから。しかもこれは職務妨害または業務妨害に抵触してもおかしくないんですよ?そこのところ理解してこんな事してるんですよね?俺の事を聞くのは結構ですけど今回の事はあなた方の上層部にしっかりと報告させてもらいますからね。詳細についてはこちらに居る駿川がよくご存知だと思いますしね。ここで引き下がるのであれば報告は致しませんがいかがされますか?」
どうだ?こんだけ言えば引き下がるか?
「……この度は、失礼いたしました。」
「申しわけございません。失礼、いたします。」
「申しわけありませんでした。」
そう言って取材に来た記者達は足並み揃えて去って行った。はぁ〜………良かった。
たづな「比企谷トレーナー!すみません、お手間を取らせてしまって!!」
八幡「いえ、気にしないでください。ああいう奴等はどんな正論返しても通じないんで、法とかそういうのチラつかせれば案外楽に追い払えるので。あんまり使いたくはありませんけど。」
たづな「ですが本当に助かりました!」ギュッ!
八幡「え……」
たづな「本当に……助かりました!それとさっきの比企谷トレーナーは堂々としてて……素敵でした。」
いや、待って?何でそんな反応をするんですか?俺はただ困ってそうだから代わりに追い払っただけですから。だからその手を離してくれません?あっ、やっぱり柔らかい……女の手ってこんな肌触りをしてるのか………じゃなくて!!
八幡「分かりましたから、その……手を。」
たづな「あっ!す、すみません………」
八幡「大丈夫です。じゃあ俺は行きますね。」
たづな「はい!今日も頑張ってくださいね!」
頑張ると言われても、今日は休みにしてるから何したらいいか分からないんだよなぁ………次のレースに向けてのプランも練ってあるし、部室に行ってもやる事なんて特に無いし、ブラブラしようにも、他のウマ娘に声掛けられてトレーニングに付き合わされるかもしれないし………ホント、どうしよ?
「ねぇねぇ、今の見た!?」
「うん見た!!もしかして比企谷トレーナーとたづなさんって………そういう関係っ!?」
「えぇ〜嘘!?」
「でもささっきのって………」
「0ではないよね!?少なからず可能性は………」
『………キャー!!!』