比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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ちょっとした常識外れ 2

 

 

ーーーーーー

 

 

実況『世界最高峰の舞台より3週間が経ち、このロンシャンレース場では再び熱いレースが繰り広げられようとしています!ロワイヤリュー賞以来3週間ぶりの長距離レースが幕を開けます!ロワイヤリュー賞では日本のステイヤー、ライスシャワーが圧巻の走りを見せました!今日もまたその実力を見せるか、それとも地元欧州が意地を見せつけるか!?フランスのロンシャンレース場GⅠロワイヤルオーク賞、間も無く発走です!!』

 

 

現在のパリの状況は天候は晴れ、バ場は良と最高のコンディションだった。これはライスの前走と同じ条件でライスにとってもプラスだが、それは相手も一緒だ。それどころか相手にとってはこの上無い状況とも言えるかもしれない。

 

 

ライス(この前はスタートしたらすぐにコーナーだったけど、今日は300m長くなってるから少しだけ直線を走る……お兄様と打ち合わせした通り、良いポジションにつこう!)

 

 

ルプルー「………」

 

ライス「っ!えっと、何か?」

 

ルプルー「………良いレースを。」

 

ライス「は、はい……」

 

 

ルプルー(クローネは……妹はこんな子に先着を許したと?観覧席で様子を見てはいましたが、お世辞にも強いというオーラは感じなかった……分かりませんね。クローネは手加減をするような子でも、直線に向く前にスタミナを使い切るという事も絶対にしません。あのレースで一体何が?)

 

 

ライス「あ、あの?」

 

ルプルー「………いえ、お気になさらず。」

 

 

♪~♪~♪~

 

 

実況『ファンファーレが鳴り響いてゲートへと進んでいくウマ娘達!前回見事な勝利を飾ったライスシャワーは今回2番人気に支持されました!今日はどんなレースを見せてくれるのでしょうか!?1番人気にはイギリスのルプルーとなりましたが、どうでしょう?』

 

解説『3,000m以上のレースを経験していますからね、妥当な人気だと思いますよ。この中では1番長い距離を走っているのは彼女とライスシャワーだけですからね。日本の京都レース場で開催している天皇賞・春3,200mとイギリスのグッドウッドレース場で開催しているグッドウッドC3,200m。走った回数でいえばルプルーが断然上ですが、ライスシャワーも怖い存在には違いありませんよ。』

 

実況『成る程、どちらにもチャンスがありそうですね。そしてルプルーはライスシャワーが下したクローネのお姉さんですからね、妹の雪辱は果たしておきたいところでしょうね。』

 

 

八幡「え……お前達姉妹だったのか?」

 

クローネ「はい、実は。」

 

アップル「姉妹揃って長距離が得意なので、私もどれに出走させようかと悩ませる事が多いのですよ。」

 

八幡「……心労お察しします。」

 

 

実況『枠入り順調に進んでいます。残すは大外1のみとなりましたが……すんなり収まりました!さぁ始まります、ロンシャン今年最後の長距離GⅠロワイヤルオーク賞!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッコン!!

 

 

実況『ゲートが開いて一斉に飛び出した!さぁまだ序盤も序盤、先頭争いと位置取り争い、さぁ誰が……何とライスシャワー!ライスシャワーが15人の前に立ち、先頭を駆けていきます!これは驚いた、まさかの逃げ作戦!!』

 

 

ルプルー(何故逃げを?これまでのレースを見返しましたが、全て先行策。にも関わらず、何故こんな舞台で逃げを?彼女のみならず、彼女のトレーナーは一体何を考えているのですか?)

 

 

実況『さぁこの辺りで向正面に入りました!先頭は変わらずライスシャワー。リードはさほど変わらず2番手にスキャビット、その後ろにアビー。縦長のレース展開となりましたが、1番人気ルプルーは後方2番手の位置で様子を窺っています。さぁ先頭に戻りましょう!』

 

 

ーーー回想・控え室ーーー

 

 

ライス「え、今日は逃げ?」

 

八幡「あぁ、正確には溜め逃げ戦術だ。今日のレースには逃げのウマ娘が居ない。きっと誰も先手を打っては来ないだろう。そこでだライス、お前がぺースを作って連中を狂わせろ。」

 

ライス「で、出来るかなぁ、ライスに……」

 

八幡「出来るに決まってるだろ。この2週間、何の為にライス達にぺース走やインターバル走をやらせたと思ってるんだ?それに後半はほぼお前が先頭だっただろう。加えてお前のライバルにはぺースを測っているかのような走りをするウマ娘と3度も走ってるんだ、出来ないわけねぇよ。」

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

ライス(ライスがぺースを作って、ライスがぺースを狂わせる……お兄様、やってみるね!)

 

 

実況『2,000m通過でライスシャワー少しぺースダウンか?しかし後ろのウマ娘達は脚を溜める事に専念している!もうすぐ第3コーナーに差し掛かります。コーナーの後は下り坂!脚を使わないように注意が必要です!』

 

 

ライス「ふっ!」

 

 

実況『おっとライスシャワーが少しぺースを上げた!?』

 

 

「此処で?まだ1,000m以上もあるのに?」

 

「逃げで感覚がおかしくなったの?」

 

「けど好都合!これで潰れてくれれば!」

 

ルプルー「………」

 

 

実況『ライスシャワー少しずつ差を広げている!2から3バ身引き離している!!』

 

 

ファブル「……ミスター比企谷、これでは直線を向く前にミスライスシャワーは潰れてしまうのではないか?」

 

オライエン「うむ、私もそう思うよ。大丈夫なのかい?」

 

八幡「大丈夫です。寧ろライスではなく他の15人を見た方が良いと思いますよ。完全にライスの罠に嵌ってるんですから。」

 

アップル「何っ?」

 

クローネ「それは一体どういう事ですか?」

 

八幡「それはこれからのお楽しみだ。ほら、もうフォルスストレートだ。」

 

 

実況『此処で残り700mを切りました!偽りの直線フォルスストレートを駆けていきます!先頭はライスシャワーの一人旅のまま最終直線を迎えました!!』

 

 

(な、何で!?思うように脚が動かないっ!?)

 

(脚は使ってない筈なのにどうして!?何で前を追えないのっ!?)

 

 

ルプルー「くっ……!!(一体何をしたのですか!?私達は貴女を中心にレースを進めていた筈、なのにどうして差が縮まらず、逆に開くのですか!?)」

 

 

八幡(後ろの誰かがペースダウンをしたタイミングでライスを抜き去れば結果は変わっていただろうが、今となってはもう遅い。後の祭りってやつだ。)

 

 

実況『これは凄い!!まだまだリードを広げている!!ライスシャワー、日本のライスシャワーだ!!後続は遥か後方!!ライスシャワー、圧勝~!!!』

 

 

八幡「よしっ!」

 

ライス「はぁ……はぁ…はぁ…ふぅ~。」

 

 

実況『何というウマ娘でしょう……直線に入る前には2番手に影を踏む事すら許しませんでした!スタートからゴールまで先頭は誰にも譲りませんでした!!』

 

 

ルプルー「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……(まさかこれ程とは……全く追いつけませんでした。)」

 

ライス「えへへ……メ、メルシー!///」

 

ルプルー「………ミスライスシャワー。」

 

ライス「あっ!お、お疲れ様でひゅ!」

 

ルプルー「………素晴らしい走りでした、私の完敗です。今日はとても良いレースでした。」

 

ライス「(あれ、前よりも喋ってくれる……)あの、ライスの方こそありがとうございました!」

 

 

こうしてライスシャワーは初めてのヨーロッパ遠征で充分過ぎる程の戦果、2戦2勝という結果を残した。

 

 

 





ライスシャワー
通算成績 12戦11勝(1分)
海外 2戦2勝

主な勝ち鞍
GⅠ…ホープフルS、日本ダービー、菊花賞、天皇賞・春、ロワイヤリュー賞、ロワイヤルオーク賞

GⅡ…弥生賞、セントライト記念、日経賞
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