ライスside
やっぱり凄い人……ライス達はいつもこんなにたくさんの人の前で走ってるんだ。それに暮れのグランプリレースだからとっても人が多いと思う。きっとライスが走った天皇賞よりも多いよね。
八幡「おっ、全員出てきたな。」
シービー「1番人気は今年の菊花賞を勝ったビワハヤヒデ、2番人気がジャパンCを勝ったレガシーワールド、3番人気はダービーウマ娘のウイニングチケット、テイオーが4番人気………1年の休み明けにしては凄い人気だね。」
八幡「だな。本人には悪いが、去年の有マ記念11着を取った後の人気とは思えないな。」
ラック「私、ライスちゃんのレースしか見ないのですけど………そのテイオーさんっていうのは強い子なのですか?」
八幡「えぇ、そうですね。ライスと同じ2冠ウマ娘です。ライスはダービーと菊花賞の2つですが、テイオーは皐月賞とダービーの2冠を達成しているんです。それ以前のレースを無敗で制している事も含めて、その世代では群を抜いているでしょう。しかし今日のレースに出るまで3度の骨折を発症しています。」
ラック「さ、3回も……可哀想に………」
八幡「えぇ。俺もルドルフから1度挫折してレースを引退する1歩手前まで行ったと聞きました。しかし思い留まり、このレースへの参戦を決めたという感じでしょうか。」
ラック「そうなのですか……」
シービー「けど今回は分が悪いと言わざるを得ないよね、GⅠウマ娘が6人も参戦してる。その上、1番人気のビワハヤヒデは菊花賞をレコード勝ちしちゃうくらいの強さなんだから。」
ルドルフ「………」
ライス「お兄様、ライスも出ようと思えば出られたと思うんだけど、どうして出なかったの?」
八幡「確かにロワイヤルオーク賞から有マ記念のローテーションは不可能じゃない。だがそれ以前に、俺はロワイヤリュー賞の後は来年の日経賞まではレースに出ないって決めてたからな。予定変更とかはあんましたくないんだ。」
ライス「それで出なかったんだね。」
八幡「あぁ。まぁそういう事だ。」
解説『場内にファンファーレが響き渡ります!さぁ今年のナンバーワンを決める有マ記念、各ウマ娘枠入りは順調に進んでいます。それぞれ真剣な面待ちで、ファンの応援に応えるべく、ゲートが開く瞬間を待っています!最後に大外、メジロパーマーがゲートに入ります!13人枠入り完了しました!今年最後のGⅠ有マ記念………』
ガッコン!!
実況『今、スタートしました!!まずはメジロパーマー、良いスタートを切りました!!各ウマ娘、一斉に綺麗なスタート!流石は選ばれた13人、優駿であります!!』
ルドルフ「……兄さん、テイオーの走りはどうだ?」
八幡「……俺も参考程度にしか今まで見てこなかったが、やはり全盛期の走りではないな。走りがやや固い、けどそれをどうにか経験で補っているという感じだな。」
ルドルフ「やはりそうか………」
シービー「それじゃあ、どうなるの?」
八幡「さぁ、どうだろうな?どうなるのか分からないのがレースだ。」
実況『第4コーナーを曲がってスタンド前に差し掛かります!先頭は変わらずメジロパーマー、ビワハヤヒデは4番手、トウカイテイオーは少し下がった位置で走っています!1年ぶりのレースをどのように感じながら走っているのでしょうか?各ウマ娘、1周目のホームストレッチに入ります!中山のファンの前を13人のウマ娘が駆け抜けて行きます!!』
八幡「………っ!」
ルドルフ「………」ギュ∼ッ!
ライス「……あ。」
会長さん、気付かない内にお兄様の手を握ってる。しかもあんなに不安そうな顔………
解説『さぁ第2コーナーを抜けて向正面に入りました14人!現在の並びを確認していきます。メジロパーマーが先頭、ホワイトストーンが2番手!レガシーワールドが続いて内にビワハヤヒデの4番手!その後ろウイニングチケット、1バ身空いて久々トウカイテイオー、そしてベガ!エルウェーウィン、ナイスネイチャ、エルカーサリバー、セキテイリュウオー、ウィッシュドリーム、マチカネタンホイザという展開で進んでおります!大方の予想通り、今年も先頭でレースを作るのはメジロ家の爆逃げウマ娘メジロパーマーですね!』
解説『そうですね。ただ今年は13人がほぼ10バ身以内に収まってますからね、この先誰が上がってくるのかはまだまだ分かりませんよ。』
実況『前回の有マ記念はまんまと逃げ切られてしまいましたからね。さぁ、ここから誰が仕掛けていくのか、レースはいよいよ第3コーナーに入ります!』
ライスだったら……此処でっ!
実況『おっと!ここでビワハヤヒデが仕掛けて来た!菊花賞ウマ娘のビワハヤヒデ、グングンとスピードを上げていく!メジロパーマーを交わして先頭!!やはり強い、1番人気ビワハヤヒデ!!果たして着いて来れるウマ娘は居るのか!?』
シービー「凄い脚……」
ライス「ライスが追い出そうとしたタイミングとほぼ同じでした。」
ルドルフ「………」
八幡「………」
実況『さぁ先頭は早くもビワハヤヒデ!!メジロパーマー内で頑張っている!!残り200mを切った!!トウカイテイオーが上がって来た………え?え!?トウカイテイオーが来たぁ!?』
ライス達は……ううん、きっとこのレースを見てる皆が驚いていると思う。あんなに凄いスパートをかけたビワハヤヒデさんの後ろを着いて行ったのが………テイオーさんだったから。
ルドルフ「行けっ……走れ!!」ギュッ!!
八幡「つっ!」
実況『トウカイテイオーだ!!トウカイテイオー来た!!ビワハヤヒデとの距離を詰めて行く!!だがその後少しが縮まらない!!菊花賞レコードの走りだ!しかし懸命に追うトウカイテイオー!!残り100m最後の攻防!!』
ルドルフ「行け………行けっ!!」
実況『トウカイテイオーだ!!トウカイテイオーが前に出た!!ダービーウマ娘の意地を見せるか!?トウカイテイオー!トウカイテイオー!!トウカイテイオー、奇跡の復活!!!1年ぶりのレースを制しましたトウカイテイオー!正に奇跡の復活を見せましたトウカイテイオー!』
八幡「……すげぇな。」
シービー「うん、凄い……いつもの走りじゃない、万全の調子でもない、それなのに勝っちゃった。」
ライス「うん……それに、あんなにたくさんの人がテイオーさんの勝利を祝福してる。」
ラック「良かったわね、勝てて。」
ルドルフ「………」フルフル
凄いですよね、364日ぶりのレースでしかもGⅠ勝利。今も尚破られていない記録です。1年間明けてのGⅠ勝利は。