比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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シーズンの始まり

 

 

八幡side

 

 

1月の年始から早2ヶ月が経って、今は3月……つまりはクラシックシーズンの始まりだ。2週目からは王道路線のトライアルレースでもあるチューリップ賞と弥生賞が開催され、他にも多数のトライアルレースで名乗りを上げるウマ娘がわんさか出てくる時期だ。勿論シービーは、先月の共同通信杯で初重賞制覇を飾って、皐月賞に登録してクラシック本番に向けて追込中だ。ライスも今月末に日経賞があるから、天皇賞と同じく連覇を狙って調整している。シービーもライスも今のところは順調に来ていて良い感じだ。

 

しかし俺の中には1つの懸念がある。それは今の俺達の状況についてだ。今はチームとしてではなく、個人個人という形でトレーニングを見ているが、これが4月の新年度になってからどうなるのかがちょっと不安だ。話題になっていないから逆に不気味に感じるというわけだ。

 

 

八幡「まっ、分からない事をあれこれ考えても仕方ないよな。今は目の前に集中だな。」

 

ルドルフ「こうして近くで見るのは初めてだが、やはり兄さんの手際は驚く程良いな。」

 

八幡「慣れればこのくらい出来るようになる。」

 

ルドルフ「その慣れを習得するのに長い時間を掛けるのは兄さんも分かっていると思うんだが?」

 

八幡「違い無い。」

 

ライス「あの、お兄様……ライスも何かお手伝いする?何でもするよ?」

 

八幡「いや、大丈夫だ。待ってるだけで充分だ。たくさん作るけど、期待はするなよ?」

 

シービー「期待して待ってるね〜♪」

 

八幡「はいはい。」

 

 

俺は今、トレセン学園のカフェテリアの厨房で調理中だ。知っているとは思うが、俺は週に2〜3回ライスに昼食を作っている。それが何の因果があってか、ルドルフとシービーにも作る事になったのだ。まぁ俺の担当だから無碍に扱う事は出来ないから別にいいんだけどな。

 

けどこうして作ってると、あんまり向けてほしくない6つの光が飛んで来るんだよなぁ〜。しかも今日のはかなり食い付きそうな品だし……

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

八幡「はい、お待ちどう。唐揚げ定食3人前な。」

 

シービー「おぉ〜待ってました〜!美味しそう♪」

 

ルドルフ「あぁ、食欲を唆る良い匂いだ。」

 

ライス「でも何で色がちょっと違うのかなぁ?」

 

八幡「おっ、ライスは気が付いたか。その15個の唐揚げには5つ毎に違うのを使ってる。1つ目は醤油、2つ目は塩、そして最後の3つ目は普通のタレだが、ポン酢を付けて食べてみてくれ。旨味と酸味があって意外と美味いぞ。それに2度揚げしてるから中身はジューシー、衣はサクサクの筈だ。」

 

 

ルドルフ「ほう……唐揚げにポン酢か。聞いた事の無い組み合わせだ、興味深い。」

 

ライス「でも他のも美味しそう……ねぇお兄様、早く食べようっ!」

 

八幡「そうだな、じゃあ3人は先に席に着いて待っててくれ。俺も盛り付けてすぐにそっちに行く。」

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

シービー「それじゃあお手を合わせてぇ〜……せぇの、いただきます!」

 

八・ル・ラ「いただきます!」

 

ライス「あむっ!」サクッ!

 

ルドルフ「っ!」サクッ!

 

シービー「っ!?」サクッ!

 

八幡「はむっ。」サクッ!

 

 

おぉ……味見の時にも感じたが、すげぇサクサク。肉汁も出てくる出てくる。

 

 

ライス「んんっ!んん〜!!」テ ブンブン!!

 

ルドルフ「んんぅ〜♪」モグモグ

 

シービー「もいふぃ(美味しい)〜!!」

 

ライス「お兄様、この唐揚げすっごく美味しいよ!」

 

ルドルフ「ポン酢を付けた唐揚げ、これは中々……癖になるような味わいだ。」

 

シービー「甘塩っぱいからこれは醤油だね!サクサクですっごい美味しい!!」

 

八幡「そうみたいだな……お前達の反応を見ればすぐに分かる。遠慮せず食べてくれ。今日は多めに作ってあるから。」

 

シービー「よしっ、お代わりするっ!!」

 

ライス、ラ、ライスもっ!」

 

ルドルフ「ふふふっ、無論私もだ。」

 

 

そんなにガッつがなくても大丈夫なのに。取る奴なんて………居そうだな。

 

 

ブライアン「おいトレーナー、あたしにも寄越せ。」

 

オグリ「ト、トレーナー……私にも唐揚げを貰えないだろうか?」

 

スペ「私にもお願いします!」

 

八幡「やっぱり来たか……まぁいい。少し待ってろ、用意して来るから。」

 

シービー「八幡!あたし達の分を取っておいてよ!」

 

八幡「分かってるから。」

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

ライス「ふぅ〜……ライスもう食べられない〜。」

 

ルドルフ「私もだ……満腹だよ。」

 

シービー「大満足〜♪」

 

八幡「おいおい、もう終わりか?まだ唐揚げはあるんだがなぁ……仕方ない、俺の晩飯に「アンタの肴にするくらいならあたしに寄越せ。」……そんな図々しく言われてもなぁ。」

 

オグリ「しかしトレーナー、どうしてなんだ?トレーナーの料理を食べるとすぐに満腹になる。やはり故郷の料理の味に似ているからなのだろうか?」

 

スペ「私はまだまだイケます!!」

 

八幡「んんぅ〜………ん?」

 

エアグルーヴ「やっと終わったか……さて、今日は何にするか。軽く食べる程度にするか。」

 

八幡「………なぁエアグルーヴ。」

 

エアグルーヴ「む?何だ、何か用か?」

 

八幡「唐揚げあるんだけど食べるか?」

 

エアグルーヴ「……何だと?」

 

八幡「いや、だから唐揚げ揚げたんだけど食べるか?」

 

 

……何でそんな怪訝そうな目で見るんだよ。何も企んでねぇし、するつもりもねぇよ。

 

 

エアグルーヴ「………唐揚げのみというのは許さん。食のバランスが取れていないのであればその申し出は断らせてもらう。」

 

八幡「軽く食べる程度にするんなら、白飯少量に味噌汁、漬物、唐揚げ6つ、サラダ、でどうだ?」

 

エアグルーヴ「………その厚意、ありがたくいただこう。」

 

 

こういう消費の仕方の方が良いよな。

 

 

 




クラシックシーズンの始まりが昼食光景……
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