比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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ダービーなのに………

 

 

八幡side

 

 

ウマ娘関係者ならば誰もが1度は必ず憧れ、夢を見るレースがある。それがダービーだ………ウマ娘のレースが開催されている国であれば、形はどうであれ必ず存在しているレースと言っても過言では無い。日本ダービーに留まらず、イギリスダービー、フランスダービー、アイリッシュダービー、ケンタッキーダービー、UAEダービー、デルビーイタリアーノ、ドイツダービー、オーストラリアンダービー、香港ダービー、サウジダービー、コリアンダービーと、レースが盛んに行われている主要都市では格が必ず重賞以上の伝統あるレースとして位置付けられている。紹介したレース以外にもまだまだ多くのダービーが存在しているが、挙げればキリが無いのでこれ以上はやめておこう。

 

まぁどうして今、ダービーのことを紹介したのかっていうとだ、これからシービーの2冠目を懸ったダービーが始まるからだ。俺自身、ダービーのレースに関わるのはこれで2度目だが、やはり緊張ってのは他のレースとは一味違うものだ。ライスの時はあんまりダービーの事を意識してはいなかったが、いざダービーなんだと再認識するとエラい舞台にいるんだって思わされる。

 

 

八幡「そんな舞台に居るんだよなぁ〜俺の担当。しかも大本命として……」

 

ルドルフ「うん?どうかしたのかい兄さん?」

 

ライス「何か悩み事?大丈夫お兄様?」

 

八幡「あぁいや、大丈夫だから気にするな。いやな?改めて俺ってダービーの事を考えてなかったんだなぁ〜って。」

 

ルドルフ「?というと?」

 

八幡「ライスの時も確かにダービーはすげぇレースっていうのは分かってたつもりだ。けど1年に18人、勝てるのは1人だけ(ライスの時は同着だったけど。)、勝ったウマ娘のみに与えられる称号、伝統のあるレースだから重みすげぇなって。ライスの時はもう勝たせる事に必死だったから全く考えてなかった。」

 

ルドルフ「それは……ある意味凄いな。」

 

八幡「だからこのレースの凄さを改めて認識してたんだよ。ダービーってすげぇなって。」

 

ライス「ライスはダービーでブルボンさんと同着だったんだよね、懐かしいなぁ〜。」

 

八幡「あれからもう2年も経つんだよな、早いもんだ。さて、シービーの様子を見に行ってくるわ。」

 

ルドルフ「あぁ、留守番は任せてくれ。」

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

シービー「♪〜♪〜」

 

八幡「能天気だなお前は……これからダービーだってのに。まぁお前らしいと言えばお前らしいが。」

 

シービー「あたしだからね♪それで八幡、今日はどうするの?」

 

八幡「お前の1番好きな追込だ。後ろからごぼう抜きしていけ。その方がお前も気持ち良いだろ?」

 

シービー「分かってるね〜!「ただし……」うん?」

 

八幡「最後方はやめておけ。後ろから2〜3番手辺りでいつでも抜け出せるようにしておく事。いいな?」

 

シービー「うん、分かった♪」

 

八幡「トレーニングでもやったから分かってるとは思うが、中間コーナーから追い出せよ?」

 

シービー「もう、八幡ってば心配性だなぁ〜。大丈夫、ちゃんと覚えてるから!」

 

八幡「……信じるぞ?」

 

シービー「任せてよっ!よし、じゃあそろそろ【ブチッ!】行く……ん?」

 

八幡「ん?どうし…あ………」

 

 

………起こった事をありのまま説明しよう。シービーが立ち上がって控え室から出ようとした途端、片方のヒールのベルトが切れてしまったのだ。ヤバい、どうしよう………替えなんて無いし………

 

 

シービー「ありゃ〜……こりゃ困った。ん〜……じゃあこうしよっか。」

 

 

ブチッ!

 

 

八幡「は?」

 

シービー「これで両方一緒だね♪」

 

八幡「お前………」

 

シービー「不揃いのまま出るわけにもいかないでしょ?だったらこうするしか無いんだからさ、ね?それに、案外走りやすいかもしれないしっ!」

 

八幡「………負けた言い訳にはするなよ?」

 

シービー「当然っ!!」

 

 

まさかここに来て不安がさらにデカくなるなんて思いもしなかった………

 

 

ーーー観客席ーーー

 

 

ライス「ふぇ!?ヒールのベルト切れちゃったの!?シ、シービーさん大丈夫かなぁ?」

 

八幡「まさかダービー直前にあんな事が起きるとは思ってなかった。落鉄でも問題だが、もしヒールが脱げたら競走中止だぞ……」

 

ルドルフ「不安が募るな……だが、ここはシービーを信じるしかあるまい。」

 

 

シービーがターフに現れるも脚を気にする様子は無かった。それどころか早く始まらないかなぁ〜みたいな余裕さえも見せていた。

 

 

シービー「あっ、八幡〜!!!」ブンブンッ!!

 

八幡「………何でアイツあんなに余裕なの?自分の状況分かってんだよな?」

 

ライス「わ、分かってると思うんだけど……」

 

ルドルフ「皐月賞はパドック、ダービーではターフ、次の菊花賞では何処で君の名前を呼ぶのか。」

 

八幡「やめろ、冗談でも笑えねぇよ……」

 

 

そして始まった日本ダービー、俺は念の為に持って来ている望遠鏡でシービーの走りを見ていたんだが、いつもと全く変わり無い走りで俺の作戦の通りに動いてくれていた。そんで直線に向いた時点では先頭を走っていてそのまま後ろに差をつけてゴール。2冠達成を果たしたのだが……何だろう、ダービーを勝って喜ばしい筈なのに素直に喜べないこのやるせない気持ち。

 

 

 




シービー、アクシデント発生も2冠達成!
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