比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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朝日と共に

 

 

アルダンside

 

 

アルダン「……準備、完了ですね。ではチヨノオーさん、朝練に行って参ります。」

 

チヨノオー「むむぅ……」

 

 

この時期の早朝はまだ少しばかり冷え込みますが、日中に比べてとても心地の良い気温となっています。そして私は知っています、兄様がこの曜日だけは必ずコース場の整備の為に朝から訪れるという事を。本来であれば用務員や整備員の方々のお仕事なのですが、兄様は自ら参加しているのだとか。流石です、兄様。

 

 

ーーーコース場ーーー

 

 

アルダン「……やはりまだいらっしゃらないようですね。仕方ありません、昨日の内に組んだメニューをこなしましょう。」

 

「あら、おはよう。朝から精が出るね。」

 

アルダン「おはようございます、朝からお勤めご苦労様です。」

 

 

……兄様がどのくらいの時間に来るのかは分かりませんが、それまでは無理の無い範囲でのトレーニングをしましょう。

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

アルダン「はぁ……はぁ……ふぅ、やはり早朝の寒風と共に浴びる朝日は気持ちが良いものですね。」

 

八幡「珍しいお客さんだな。」

 

アルダン「っ!兄様っ!」

 

八幡「よっ、アルダン。朝練か?あんまり身体が強くないのに、熱心だな。」

 

アルダン「だからこそです。出来る事は最大限にやりたいのです。」

 

八幡「お前らしいな。」

 

アルダン「兄様はどうしてこちらに?(本当は知っていますが。)お仕事ですか?」

 

八幡「いや、俺は整備員の人達の手伝い。いつも使わせてもらってるからな、少しは手伝わないとって思ってからはこれが日課になってる。」

 

アルダン「そうでしたか、流石は兄様です。」

 

八幡「何が流石なのかは分からんが、一応受け取っておこう。お前も朝練頑張れよ。」

 

アルダン「あの、兄様。もし整備が終わりましたら、少しだけお時間を頂けないでしょうか?」

 

八幡「別にいいが、大事な話か?」

 

アルダン「はい。」

 

八幡「……分かった、整備が終わったら此処で待ってる。だからお前も朝練を急ぐ必要は無いからな?自分のペースでやれ。」

 

アルダン「えぇ、分かりました。」

 

 

さて、誘い出しには成功しました。ここからが勝負です。私も姉様同様、兄様の担当にしかなるつもりはありませんから。

 

 

ーーー更に数十分後ーーー

 

 

アルダン「お待ちしておりました、兄様。お疲れだと思われますので、こちらでもいかがですか?」

 

八幡「いいのか?お前が用意したものだろ?」

 

アルダン「構いません。私1人でもこの量を食べ切る事は可能ですが、その後の朝食を満足に食べる事はできませんから。」

 

八幡「じゃあ1つ……」

 

 

私が兄様に差し上げたのはレモンのゼリーです。ゼリーであれば運動の最中でも運動後でも消化に良いので、栄養補給にも効果的です。1時間もあれば作れますから、それ程の手間でもありませんでしたから。

 

 

八幡「美味いな。しかし成る程……トレーニング中の栄養補給ってのは盲点だった、今度やってみるか。」

 

アルダン「ライスさん達が喜びそうですね。」

 

八幡「だと良いんだがな……それでアルダン、話ってのは何なんだ?」

 

アルダン「………実は昨日、姉様からお電話を頂きました。遠回りな言動に少々理解するのが遅れましたが、意味は理解出来たと思います。」

 

八幡「……あぁ。」

 

アルダン「兄様、単刀直入に申し上げます。姉様は兄様の担当になった、という事でお間違い無いでしょうか?加えて、今の兄様には担当できるウマ娘が5人から6人に上げられて、残りの枠は1つしか残されていない、どうでしょうか?」

 

 

八幡(ラモーヌの奴、アルダンにヒントでも上げたのか?遠回りな言動って言ってたが、それにしては全部当たってるんだが?まぁアルダンって頭良さそうだし?学年でもトップクラスの成績だとは思うんだけどさ………こんなに当てられるって事ある?)

 

 

アルダン「……兄様?」

 

八幡「あぁ……何というか、ここまで当てられるかってくらい見事に当たってる。正確に言えばだ、俺は今年の4月からチームトレーナーとしての活動が許可されて、6月から本格的に活動を始めた。メンバーは現担当を含めた5人が最大だ。」

 

アルダン「ライスシャワーさん、シンボリルドルフさん、ミスターシービーさん、そして姉様……それが今のメンバーという事ですね?」

 

八幡「そうなる。そしてお前の言う通り、残りは1枠しか無い。その1枠は吟味して決めようと思っていたんだがなぁ………」

 

アルダン「………」

 

八幡「お前の姉が入知恵をしたせいでその妹がこんなになっちまった……ちょっとやそっとの事じゃ引いてもらえない、そうだろ?」

 

アルダン「いえ、絶対に引くつもりはありません。私も兄様のチームに入りたいです。」

 

八幡「絶対に引かないと来たか………」

 

アルダン「今申し上げた通り、私は引くつもりはありません。どうか、兄様のチームに入れてはもらえないでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラモーヌ「私の言った意味、どうやらちゃんと理解出来たようね。」

 

アルダン「っ!姉様っ!?」

 

八幡「ラモーヌ……」

 

ラモーヌ「妹の気持ちは前から知っていたわ。事情があるとはいえ、私がこういう形で兄様の担当になるのは少し気が引けたのも事実。だから兄様にはちょっと悪いとは思ったけれど、妹にヒントをあげる事にしたの。」

 

八幡「成る程……ヒントにしてはアルダンの理解力が凄まじいのだが?答え言ったんじゃねぇの?」

 

ラモーヌ「それは無いわ。無償で何かをあげるなんて事、私はお人好しじゃないもの。」

 

八幡「まっ、そうだろうな。」

 

ラモーヌ「それで?兄様はどうするの?私は入れても入れなくてもどちらでも構わないわ。」

 

八幡「姉妹一緒のチームになりたかったってわけじゃないんだな?」

 

ラモーヌ「えぇ。私が先にチームに入ったのが忍びなかったから、それだけよ。」

 

八幡「………」

 

アルダン「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「……分かった、最後の1人で5人目はお前だ。メジロアルダン。」

 

アルダン「っ!!」

 

八幡「だがまだ正式なチームじゃない、申請書は出してあるが受理されたわけじゃないからな。許可証が出たら正式にお前達を迎え入れる。それでいいな?」

 

アルダン「はいっ!」

 

ラモーヌ「分かったわ。」

 

 

やりました!兄様のチームに入る事が出来ました!

 

 

ラモーヌ「……初夏とはいえ、やっぱり朝は少し冷えるわね。兄様、少し腕を借りるわ。」ダキッ

 

八幡「おい、妹の前だぞ。」

 

ラモーヌ「心配要らないわ、だって……」

 

アルダン「兄様、私もしては迷惑でしょうか?」

 

ラモーヌ「どうせ同じ事をするから。」

 

八幡「………姉妹だな、お前達って。好きにしろ。」

 

アルダン「ではお言葉に甘えまして……」ダキッ

 

 

ふふふっ、入れてくださった兄様にもそうですが、教えてくださった姉様にも感謝いたしませんと。

 

 

 




アルダン、チーム加入決定!

前作では特例でしたが、今回は正式加入!
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