八幡side
八幡「はぁ〜………食べ過ぎた。」
お父様の影響を受けたせいか、俺も今日はめっちゃ食べてしまった……それにお母様もニコニコしながら料理を持って来るもんだからループになってたんだよなぁ。てか食い過ぎた俺も俺だけどよ、美味そうな料理をニコニコしながら持って来るお母様と美味しそうに食べるお父様の相乗効果が絶大過ぎるんだよ、絶対に俺だけのせいじゃねぇって。
んで俺は今、この家に来た時に使わせてもらっている部屋に着いたところだ。布団の上で仰向けになったのだが、食い過ぎたせいか腹が出てる……太ってたらもっと出てるんだよなぁ、食べ過ぎには注意しないと。
八幡「今年は夏合宿に参加しないから急ぎは無い。だからといってのんびりもしていられない。7月からはシービーもトレーニングに参加するし、ルドルフのデビュー戦、ラモーヌはSDT後だから休養予定で、アルダンもトレーニングだからちょっと忙しいだろうな。明日帰ったら少しメニューを見直してみるか。」
報告をしたら帰るつもりだったからパソコンとか仕事道具は一切持って来なかったからな、頭の中から色々引っ張り出してメニューを組むくらいしかやる事が無いな。組むとしても紙とペンが欲しいな……
すると、襖が開いた。
お父様「どうもトレーナーさん、少しよろしいですか?ラックからライスの事を聞きました。」
八幡「………そうですか。」
お父様「ニュースでは重傷、復帰は絶望的としか聞かされていませんでしたが、細かい事を聞けて良かったです。そこでトレーナーさんはどうお考えなのか聞いておきたいのです。」
八幡「………自分個人の考えでは、この怪我での復帰を目指すのはあまりに厳し過ぎる。それに1年2年もの間レースの為に闘病生活を費やすのはあまりにも時間が掛かり過ぎます。俺個人としても、トレーナーとしても、現役続行は流石に認められません。」
お父様「………やはり、そうなんですか。」
八幡「流石に自分もこれ以上レースをさせるのは………無理です。」
お父様「トレーナーさん、そのような顔をしないでください。僕もトレーナーさんがその答えに辿り着いているのは予想がついていました。しかし、ライスに伝えるのが辛いですね。」
八幡「はい、本当に。」
今もまだ京都の病院で眠っているライス。ご両親も一刻も早く会いたいと思っている筈……だが逆に会いたくないとも思っている。さっきの会いたい理由とは逆に娘の大怪我した姿を見たくはない筈だ。
♪〜♪〜
八幡「?」
お父様「トレーナーさんの携帯からですね。」
八幡「………」
プロフェッサーからだ……
八幡「失礼します。はい比企谷です。」
マンノウォー『八幡、マンノウォーだ。ついさっき、ライスが目覚めた。』
八幡「ライスがっ!?それで、今は!?」
マンノウォー『落ち着け。今代わる。だが病院の入館時間がもうすぐ終わる。だから手短に済ませろ。』
八幡「分かりました。」
ライスが目を覚ました……
ライス『も、もしもし、お兄様?』
八幡「ライス……大丈夫か?気分はどうだ?」
ライス『あんまり良くないかな……ごめんねお兄様、ライス「謝らなくていい、謝らなくていいんだよ。お前が無事………じゃないが、意識が戻っただけでも良かった。」………うん。』
八幡「ライス、明日お前の所に向かう。」
ライス『え……でもチームのトレーニングとかもあるよね?大丈夫なの?』
八幡「大丈夫だ。俺が居なくてもチーム・カペラならちゃんとやってくれるだろう。」
ライス『………うん。じゃあライス、お兄様が来るの待ってるね。』
八幡「あぁ。それじゃあ時間もギリギリだからプロフェッサーに代わってくれるか?」
………
マンノウォー『明日、来るみたいだな。』
八幡「はい、必ず。」
マンノウォー『そうか……お前の事だからすぐに向かうと言い出しそうだったが、予想が外れたな。』
八幡「今はアルコールが入っているので運転は出来ませんし、この時間からの京都までの新幹線はありませんからね。ならば明日にした方が良いと思っただけですよ。」
マンノウォー『そうだったか……分かった。では明日、京都で待とう。』
………あっ!!!
お父様「……ライス、目が覚めたみたいですね。」
八幡「す、すみません!!ライスの事しか頭に無くて電話を代わるのを忘れていました!!」
お父様「いやいや、良いんですよ。久しぶりにトレーナーさんの嬉しそうな声と顔を見られましたからね。それに明日、京都に行くのでしょう?なら僕と妻も一緒に行ってもよろしいでしょうか?」
八幡「それは勿論。早くお会いしたいでしょうし。それに、俺が断る権利なんてありませんからね。もしかしたら、此処に泊まる事にしたのは正解だったのかもしれませんね。ライスの目が覚めたと、これから良い報告が出来ます。」
お父様「はははっ、それもそうですね。」
お母様の事だ、きっと泣いて喜ぶだろう。しかし1週間ぶりに会うのか……少し緊張してしまうな。
お父様「それではトレーナーさん、ラックに報告する為に下へと向かいましょうか。」
八幡「えぇ、そうですね。」
ライス……良かった、目が覚めて!