八幡side
プロフェッサーから連絡を受けた翌日、俺は自身の車にお父様とお母様を乗せて京都に向かっている。ライスの実家から京都までは最低でも6時間以上はかかる。なので起きてすぐに車に乗って、今は高速道路を走行中だ。昨日プロフェッサーとの電話が終わった後、お母様にライスが目覚めた事を報告したら、驚いたと同時に口元を抑えて涙ぐんでいた。落ち着いた後に京都へと向かう旨を伝えると、『明日の朝ご飯とお昼ご飯の準備をします!』と言ってキッチンで調理を始めた。凄いやる気に満ち溢れていた……ライスも大人になったらあぁいう風になるのだろうか?
ラック「あの、本当によかったんですかトレーナーさん?私とお父様も車の運転なら出来るんですよ?」
八幡「いえいえ、昨日泊めてもらったお礼とでも思ってください。それに長距離の運転には慣れてるので大丈夫です。それよりお2人もお手洗いや所用があれば言ってくださいね、すぐにパーキングエリアに寄って停めますので。」
ラック「はい、分かりました。トレーナーさんも身体を伸ばしたくなったら遠慮無く言ってくださいね?このまま休み無しで行けっ、なんて事は言いませんので。」
お父様「ラックの言う通りです、運転を代わる事だって出来ますからね。」
八幡「ありがとうございます。」
流石はライスの母親と父親だよなぁ………優しさというマイナスイオンが車内に満ちてる。にしても、車じゃなくて新幹線の方が良かったか?お金は掛かるが車の半分の時間で到着するから、そっちの方が良かったかもしれない。
ーーーお昼時・パーキングエリアーーー
お父様「お疲れ様でしたトレーナーさん。ゆっくり休んでください。」
八幡「ありがとうございます、頂きます。」
お父様「それで、今はどの辺に居るのでしょうか?」
八幡「今で大体名古屋付近なので、中部地方辺りですね。まだ関西ではありませんけど殆どそっち寄りなので、もう少しすれば関西地方に入ります。」
お母様「もうそこまで来たんですか……」
八幡「京都まで後1~2時間くらいですので、もう少しの辛抱です。」
お父様「僕達でしたら大丈夫ですので、トレーナーさんはリラックスされて下さい。長い運転はやはり身体に堪えるでしょう。」
八幡「平気ですよ。京都までのドライブは過去に4回、それ以上にフランス遠征では10時間以上飛行機の中に乗っていましたから。それに比べれば暇じゃないだけマシですから。」
ホント、長いフライトってする事が無くなってくるんだよな。行きも帰りもそれで悩まされたし。寝るのが手っ取り早いんだろうけど、ライス放置して1人寝るわけにもいかなかったしな。
お母様「そ、そうですよね……フランスへ行っていたんですしね。トレーナーさん、やっぱり凄いです……」
八幡「まぁ座りっぱなしってわけではありませんでしたので、そういう意味ではこっちの方が辛いかもしれませんね。」
お父様「では次に行く時は新幹線を使いましょう。そちらの方が早く着きますし。トレーナーさんは僕達の為に車で向かうと言ってくださいましたが、気遣いは無用ですよ?」
多少は考えてましたけど、やっぱりお金がネックなんだよなぁ………往復で3万円はかなりの出費だろうし。
お父様「お金の事でしたら余計に心配はご無用です。娘の為に使うお金を使うのです、娘の為にも使えないお金なんて紙切れ同然です。次からは新幹線にしましょう。」
八幡「……では次の機会がありましたらそうしましょう。」
お母様「さぁ、難しいお話はこのくらいにしましょう?お昼ご飯はライスバーガ-を作りましたよ!」
八幡「美味しそうですね。」
ライスといいお母様といい、何でこんなにも良い人なのだろうか?勿論、お父様も。
ーーー京都ーーー
八幡「着きました、此処が京都です。」
お父様「うむ、やっぱり趣が違うね。」
八幡「この後は花束と果物を買うとして、それが済んだら直行しますか?」
お母様「でしたらトレーナーさんの先生さんにもお礼がしたいです。ライスが眠っている間、ずっと病院で付き添ってくださっていたのですから。」
お父様「そうだね、菓子折りくらいは用意した方がいいね。」
八幡「では俺がよく行く商店街で済ませましょうか。」
行き先を決めた俺達は商店街で花束、果物、菓子折りを購入してから目的地である病院へと車を走らせた。
ーーー病院・ライスの個室ーーー
お父様「……この奥にライスが。」
八幡「変に緊張しますね、俺もライスが気を失って以来、会うのは初めてですから。」
お母様「………」
コンコンコンッ
マンノウォー『開いているぞ。』
八・父・母「…失礼します。」
扉を横に開けて中に入りそのまま進んで行くと、椅子に座っている先生とプロフェッサーがこちらを見ていた。そして………
ライス「………お母様、お父様。それにお兄様も、来てくれてありがとう。」
お母様「っ!!うっ…うぅっ、ライスちゃんっ!!」ポロポロ
お父様「ライス………」ツ-
ライス「ごめんなさい……本当に、ごめんなさい………」ポロポロ
会ってライスがそう言った途端、お母様はライスに縋るような形でライスの元まで駆け寄った。お父様も歩いてライスの元まで近寄って、お母様とライスの頭を撫でていた。これは邪魔をしたら野暮だな。
タリアト「………」コクッ
八・マ「………」コクッ
俺達はライス達親子を病室に残して、静かに病室を後にした。
あ"え"でよ"がっだね"、ぼん"どう"にっ!!(号泣)