比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

552 / 1580
今週は土曜日投稿、日曜日お休みで行かせていただきます!


重い決断

 

 

八幡side

 

 

翌日、俺は先生達と待ち合わせをして病院に向かっている。今日はライスの今後の話をする為に向かっている。ライス本人の前で引退の事を話すのは、途轍もなく気が引ける。俺自身こんな話をしたくはない。だがライスの怪我は限界の範疇を超えている、無茶をさせるべきではない。

 

 

タリアト「八幡、準備は出来ているか?」

 

八幡「………はい。」

 

タリアト「うむ、では行くとしよう。」

 

 

コンコンコンッ

 

 

お父様『どうぞ。』

 

八幡「失礼します。」

 

ラック「トレーナーさん、それに先生さん達もおはようございます。」

 

マンノウォー「あぁ、おはよう。早いのだな。」

 

ラック「娘の為ですから。」

 

ライス「お兄様と先生さん達、今日も来てくれてありがとう。」

 

八幡「あぁ、その事なんだが、今日は両親を交えて話したい事もあって来たんだ。」

 

ライス「?お話?」

 

八幡「あぁ、そうだ。ライス、母様とお父様も少しお時間いただいてもよろしいでしょうか?」

 

ライス「う、うん……大丈夫、だよ。」

 

お父様「勿論構いませんよ。」

 

ラック「私も大丈夫ですよ。」

 

 

3人の了承を得た上で俺と先生達は人数分の椅子を用意して座りながら話す事にした。医師から貰った診断結果も加味した俺の考えを3人に伝えた。

 

 

八幡「ライスの左脚二重骨折並びに開放脱臼、今の状態では現役続行出来る可能性は限りなく低いばかりか、無理をすれば歩けなくなる可能性すらあります。なので申し上げにくいのですが………現役の引退を進言します。」

 

ラック「引、退………」

 

お父様「………」

 

八幡「こればかりは自分も曲げられません。今後は治療をしていけば走れずとも歩く事は出来ると医師から聞いています。ライスの未来の為にもご選択をお願いします。」

 

 

お母様はショックを受けたような顔をしている。お父様も俺の考えを一昨日に聞いているから驚きはしていないものの、辛そうな顔をしている。ライスは……

 

 

ライス「………」

 

お父様「ライス……」

 

ラック「ライスちゃん………ライスちゃんはどうしたいの?トレーナーさんはあぁ言ってるけど。」

 

ライス「………ライスは、お兄様からいっぱい色んなものを貰ったり、色んな事を教えて貰ったんだ。でも、ライスはお兄様に何も返せてないの。だからライスはお兄様に1つでも恩返しがしたい。」

 

ラック「うん……」

 

ライス「だからライスは……走りたい!」

 

八幡「ライス、俺はそれに反対だ。危険過ぎる!1つ間違えればお前の足は2度と動かなくなるかもしれないんだぞ!?ピクリともだぞ?お前は普通に歩く可能性を捨ててまでレースを選ぶのか?」

 

ライス「お兄様のお話を聞いて難しいのは分かってる。でもライスは走りたい!ちょっとでも可能性があるのならライスはその可能性を信じたい!」

 

八幡「………ダメだ。お前の為にも「トレーナーさん。」っ!お父様……」

 

お父様「私からも、現役の続行をお願い出来ないでしょうか?僕は娘の意志を尊重したいんです。」

 

八幡「………」

 

 

ダメだ………幾らライスやご家族が望んでいたとしても、ライスの未来を潰すかもしれない選択をする事は出来ない。

 

 

タリアト「……1つ、君達に昔話をしよう。」

 

八幡「っ!先生……」

 

タリアト「君達は知っておく必要がある、その決断をする上でこうなる可能性がある未来が訪れるという事を。故に私の昔話だ。」

 

 

そして先生は自分の後輩ラフィアンが骨折した後の治療中に暴走した末に怪我が悪化して脚が機能しなくなってしまった事を3人に話した。ウマ娘にとって致命的な事だ。しかも歩けなくなるなんて、ウマ娘の存在意義が問われてしまうレベルと言ってもいい。

 

 

タリアト「ラフィアンの最後は私の脳裏に今でも焼き付いている。そして学園を去る時の彼女の顔も………彼女らしくもない、消沈し切った顔で涙を流して去って行った。普段の彼女は気性が荒いせいもあってか、問題を起こし口が悪く、素行も悪かった。そんな子が学園を去る時は静かに去ったのだ………ラフィアンのその時の感情を思うと、どれ程悔しかった事かと今でも苦しい時がある。」

 

3人「………」

 

タリアト「ライス、君が進もうとしている道は舗装も整備もされていないどころか獣道も無い、道無き道を進もうとしている。1つ間違えればラフィアンと同じ道を辿る事になる。今の昔話を理解した上で答えてほしい、本当に現役を続行するのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライス「はい……ライスはそれでも走りたいです!」

 

マンノウォー「………八幡、最後に決めるのはお前と担当ウマ娘だが、ライスがこれだけ強く現役続行を希望しているのだ、お前はその想いを汲み取ってやるのもやるべき事の1つだ。私も続行はするべきではないと思っているが、ご家族の総意でもある。」

 

八幡「………」

 

お父様「トレーナーさん……どうか、よろしくお願いしますっ!」

 

ラック「お願いします!」

 

ライス「お兄様、お願いします!」

 

八幡「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………分かりました、ライスはこのまま復帰に向けて治療とリハビリを頑張りましょう。」

 

お父様「っ!!ありがとうございます!!」

 

八幡「トレーナーとしてあるまじき決定ですが、本人の熱意を無碍にも出来ません。それに………こんなに本気になったライスは去年の天皇賞以来です。こういう時のライスはきっと俺が何を言っても聞かないでしょうから。」

 

ライス「ふぇ!?」

 

八幡「今は怪我の治療に専念ですね。俺はこの事を会見の場で発表します。批判は甘んじて受けますが、勿論考えはあります。」

 

 

ライスが走るって言ってんだ、俺もしっかりと腹を括らないとだしな。

 

 

 




ライス、現役続行……頑張れライス!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。