八幡side
八幡「……もうすぐだな。」
カペラ『………』
さて、緊張が走る病院の一室で生中継されている画面の映像。流れている映像には【凱旋門賞・枠順選考会】と右上の端に表示されている。日本からの参戦者は居ないが、俺達がこの選考会を見る理由は世界1を競い合うレースを見たいからだろう。生で見た俺とライスは尚更その想いは強い。参加している国はフランス、イギリス、アイルランド、ドイツ、アメリカ、ドバイの6カ国だ。
ルドルフ「ライス、君の友人はどの子なんだい?」
ライス「えっと……左から3番目の人がフランスのカーネギーさんで、真ん中に居るのがイギリスのクローネさんとアイルランドのクラウロードさんです。」
ルドルフ「兄さんから聞いているが、カーネギーはこの前のニエル賞、クローネはグッドウッドC、クラウロードはアイリッシュセントレジャーを勝利している。前哨戦を勝っているのはカーネギーと同じフランスのリチャードオブヨークだが、どう思う?」
シービー「ん~どうだろうね。枠順次第じゃない?けど欧州のレースって位置取り争いが凄いんでしょ?上手く場所に収まらないと力は発揮出来ないと思うなぁ。」
ラモーヌ「そうね。ロンシャンレース場は高低差10mに加えて長い直線の前に【偽りの直線】も存在するわ。真っ向勝負では勝てないわね。」
八幡「それはどうだろうな。」
ラモーヌ「……どういう意味かしら。」
八幡「今年の凱旋門賞はそんな簡単なレースにはならないと俺は予想している。」
シービー「それは例年そうじゃないの?」
八幡「確かにそうだが、ラモーヌが言った真っ向勝負じゃ勝てないって言ってただろ?今回はそれが鍵になるかもしれないぞ?」
シービー「えっ!?それって何かむぐっ!!?」
八幡「はいはい病院内では静かにしましょうね~シービーさん?」
司会『え~今人気上位5人の枠が決まりました!1番人気キングスシアター5番、同率2番人気の1人目イントレピディティ8番、2人目カーネギー2番、3人目リチャードオブヨーク17番、3番人気ホワイトマズル9番となりました!』
その後も順調に枠順が発表されて全員の枠組が決まった。カーネギーはさっき言った通りだが、クローネは4番、クラウロードは15番となった。ハッキリ言えば、それぞれに合った枠だな。
司会『以上で選考会を終了します。さて、続きましてはーーー』
八幡「成る程成る程……これは勝てる可能性は誰にでもあるな。」
ライス「カーネギーさん達がって事?」
八幡「まぁそうだな。けど他のウマ娘にとっても大体は希望通りの枠だろう、対して悲観した様子も無かったしな。」
アルダン「しかし兄様、枠だけで勝負は決まりません。他にも何かあるのではありませんか?」
八幡「あぁ……ある。」
カペラ『っ!』
八幡「けど言うつもりは無いぞ。言ったら楽しみが無くなる。」
シービー「ちぇ~、本番までのお楽しみかぁ~。」
ライス「ねぇお兄様、ライスは別として皆のこれからはどうするの?シービーさんは菊花賞、会長さんはサウジアラビアRC、アルダンさんとラモーヌさんはトレーニングっていうのは聞いてるんだけど。」
八幡「基本的にはその通りだ、変えるつもりは無い。さぁて、明日からまた忙しくなるなぁ~。」
ルドルフ「さぁ、これから本格始動だな。」
シービー「だね、早く始まらないかなぁ~菊花賞。」
八幡「この前トライアル走ったばかりだろう……それとアルダン、脚の調子はどうだ?今は負荷を強めにしてトレーニングをしてるが、違和感は無いか?」
アルダン「はい、今のところは何も問題ありません。姉様とトレーニングをする機会を頂いておりますが、良い走りが出来ています。」
八幡「そうか、ならいい。」
数日後には凱旋門賞、その次がサウジアラビアRC、そして菊花賞。凱旋門賞については発走が日本時間で夜中の11時だから各自で見るとして、10月のレースに出るルドルフとシービーを仕上げないとな。つっても大した追込は出来ないけど。
八幡「じゃあライス、また来る。今度は騒がしくならないと思うから大丈夫だと思う。」
ライス「平気だよ、皆と居るのは楽しいから。」
八幡「お前は本当に良い子だな。」ナデナデ
ライス「えへへ……」ピョコピョコ
シービー「あぁ~!!」
八幡「病院内では静かにしましょう、もう外だって明るくないんだから迷惑だろ。じゃあなライス。」
ーーー病院・駐車場ーーー
シービー「八幡、んっ!!」
八幡「……今日も髪が外にはねてますね。」
シービー「ちぃ~がぁ~うぅ~っ!!あたしにも撫でてっ!!」
八幡「この前撫でたからダメだ。」
シービー「じゃあ菊花賞で勝ったらやってね!!」
八幡「お前はすぐにそれを引き合いに出してくるな。まぁいい、分かったよ。」
アルダン「では兄様、私もライスさんと同じ事を所望してもよろしいでしょうか?」
八幡「お前までそっちに行かないでくれ……今度備品買いに行くからその時一緒に来てくれるか?」
アルダン「……っ!成る程、所謂逢引というものですね!」
八幡「何でそうなる………しかも意味違ってるし。」
ラモーヌ「あら、そういう事なら私も付き合っても良くってよ。」
ルドルフ「兄さん、備品なら私と行こう。」
シービー「訂正っ!!菊花賞勝ったらデートでっ!!」
八幡「お前等ちょっと黙れ!」
院内ではないとはいえ大声とか出すの止めてくれる!?君達のせいで目立ってるの分からないかなぁ!?
シービー「分かってるよね八幡、デートに変更だからねっ!!」