エアグルーヴside
私は今、会長に言われた朝の挨拶の事で美浦寮を訪ね、今は栗東寮に帰った後だった。美浦にはバンブーメモリー、栗東にはサクラバクシンオーと別れているので、先にバンブーメモリーから話をつけようと思ったからである。結論から言うと了承を貰えた。サクラバクシンオーからも『学級委員長としてやらせていただきます!』という返事を貰った。これで校門前の挨拶は心配無いだろう。後はあのたわけだ。
ーーー学園内ーーー
ルドルフ「助かったよエアグルーヴ。校門前の挨拶の件、2人に頼んで正解だった。」
エアグルーヴ「いえ、恐縮です。」
ルドルフ「比企谷トレーナーは大丈夫だろうか?理事長と駿川氏があの状態だ、比企谷トレーナーも伏しているのではないか?」
八幡「俺なら此処に居るけど?」
ル・エ「っ!?」
エアグルーヴ「い、いきなり背後に立つな、たわけがっ!!」
八幡「人の事を話してるお前達に言われたくねぇよ。」
ルドルフ「んんっ!比企谷トレーナー、今朝の理事長と駿川氏の事だが……」
八幡「あぁ~……まぁ先生のアレに当てられたら間違い無く大半の奴はその場で動けなくなる。俺は慣れてる……ってわけじゃねぇけど、何度か目の当たりにした事あるしな。言っておくが、俺が悪さしたわけじゃねぇからな?」
エアグルーヴ「そんな事はどうでもいい。それよりもだ、あのお2人がああなってしまうのだ、相当なウマ娘だと確信している。誰なのか教えてはくれないか?」
八幡「それは出来ねぇよ、先生に止められてんだ。あの人は自分から目立つような事はしない人でな、俺も気持ちは分かる。だから理事長達にも名前は打ち明けてない。」
名前を教えられないだと?
エアグルーヴ「一応聞いておくが、貴様は知っているのだな?」
八幡「あぁ、知ってる。まぁ、このウマ娘のレースに興味がある奴無い奴どちらにしても、1度は聞いた事のある名前だと俺は思っている。」
ルドルフ「だとしたら……「言っておくが詮索もやめてくれよ。先生はそれも嫌いなんだ。」……そうなのか、承知したよ。」
八幡「そういう事だ、じゃあお前等も授業頑張れよ。」
奴の大学時代の教師との事だが……想像も出来ん。名の通ったウマ娘が一介の教師をしているなど。
ルドルフ「当人が素性を明かしたくないのであれば仕方あるまい。エアグルーヴ、私達が今聞いた事は胸の中にしまっておこう。」
エアグルーヴ「……はい。」
ライス「お、お兄様……大丈夫?」
八幡「ライスか……大丈夫って何がだ?」
ライス「えっと、あの……新聞の事。」
八幡「あぁ、それの事か。それなら全然だ。有る事無い事書き込む変人共の記事気にしても意味ないからな。ありがとな。」
ライス「う、うん……」
ブルボン「トレーナー、朝に得た情報紙を拝見しました。ご気分は大丈夫でしょうか?」
八幡「大丈夫だ、問題無い。だからお前も普段通りにしてろ。」
八幡(寧ろ先生がガチ過ぎて、俺が割って入れるような感じじゃねぇし。別に入る気なんて無かったけどよ。)
アイツはこの学園内でかなりの生徒から声をかけられていた。その理由は言わずもがな、今朝の新聞の事だ。私も流石にあれはやり過ぎだと感じている。より際立っているのは先の3社だ。他の記事にも書かれているのは否定せんが、それでも表現は柔らかい方だ。
ーーー放課後・部室ーーー
エアグルーヴ「失礼する。」
八幡「ん?今日はお前の都合で休みって事にしてなかったか?」
エアグルーヴ「あぁ、それは知っている。私が此処に来たのは貴様に問いたい事があったからだ。」
八幡「俺に?」
エアグルーヴ「貴様、これからどうするつもりだ?」
八幡「………もしかしてインタビューの事言ってる?」
エアグルーヴ「そうだ。昨日の会見でこの記事だ。次は何が来るか分かったものではないぞ。」
八幡「そうだなぁ………先生が対処してくれるとはいえ、その効果は徐々に薄れてくだろうしな。うぅ〜ん………ならいっそ俺出るのやめるか?」
エアグルーヴ「………何だと?正気か貴様?」
八幡「今の俺を見てどこかに狂気とかってある?至って普通の俺なんだけど?」
エアグルーヴ「ふざけてないで真面目に説明しろ。」
八幡「いやだってよ、俺が居たところで聞かれるのは大体同じだろ?なら別に居なくてもいいだろ。あの質問なら別に言っても言わなくても後で分かるような質問だし。」
エアグルーヴ「……保身に走るわけではないのだな?」
八幡「俺何か悪い事した?してないよね?何でそんな言い方すんだよ……っていうか何に保身すんだよ。」
……まぁ確かに、今までの取材の質問から見れば、コイツの必要性はあまり無い。ならば特に参加する必要も無いだろう。
エアグルーヴ「いいだろう。だが事前インタビュー等のトレーナー必須の取材には出てもらうぞ。」
八幡「それは分かってるよ。流石にそれに出ないわけにはいかないだろ。」
ジュニアクラスのラストシーズンでこれとはな………この先が思いやられるぞ。