八幡side
凱旋門賞が終わって1週間が経過した。凱旋門賞から2日後、俺はURA副会長のスピードシンボリさんから連絡を受けて本部へと向かったのだが、目の前には山積みにされた諭吉さん達が机に置かれていた。ご丁寧にユーロを円に変えてくれたのだろうと関心する暇も無く、呆然と立ち尽くすしか出来なかった。何とか現実に戻った俺は送られてきた大金をどうにかしなければならないと考えたのだが、スピードシンボリさんがライスのご両親とお話をして、既に銀行の口座を開設してくれていたのだ。そんで俺とスピードさんは協力して開設した銀行へと向かってお金を口座に入れた。流石にATMで何回も、っというのは時間が掛かり過ぎるから銀行員さんに手伝って貰った。そんで貰った金額全額ある事を確認してからライスにカードや通帳を渡した。
んで昨日の土曜日はルドルフの2戦目のサウジアラビアRCだったのだが、これもまた難なく勝利。後ろとの着差は6バ身、しかも最後の100mは流してる(まぁ、そう指示したのは俺なんだけど。)けどよく考えて?100mも流して6バ身だからな?これで流さなかったら絶対7~8バ身は開いてる。ルドルフは今年のレースに出走させず、皐月賞トライアルの弥生賞を次走と決めた。そんで今日は日曜日でトレーニングは休み。今は自宅に居るわけなんだが……お願い、今日は休ませて?
八幡「はぁ………今日はしっかり休もう。」
だってさ、凱旋門賞が終わった翌日まではよかったよ?けどその次の日の大金の大移動はヤバかった……あの量の札束を運ぶのだけでも一苦労だというのに、それがアタッシュケース7個もあるんだからとんでもねぇよ。俺、初めて1,000万円を手掴みしてみたんだけど、もう2度としない。これが何かの拍子で風に飛ばされたとか考えたくもない。皆は大丈夫だと思うけど、お金で遊ばないようにな?
八幡「休むっつっても、高校の時みたいに何もしないで過ごすってのは不毛だしなぁ……メニューは作ったし、ライスの所には昨日行ったし、かと言って他の子のトレーニングを見たら休みの意味が無いし、どうすっかなぁ………」
……物は試しに学園に行ってみるか?何も考えず気の向くままに行動するのも、偶には良いかもしれない。
八幡「少し、行ってみるか。」
ーーートレセン学園・コース場ーーー
さて、目的の無い散策と行きますか。仕事は無しの方向でだ。
八幡「おっ、やってるやってる。この秋は重賞レースも盛んに行われる時期だからな、1つでも上のクラスで走りたいだろうし、トレーニングに励むのは当然か。」
「あっ、こんにちはお兄さんっ!」
「ご苦労様です、お兄さんっ!」
八幡「ん、お前達もな。」
「ヤッホーアニキ~!」
「お兄ちゃん、こんにちは~♪」
八幡「ん、お疲れさん。」
トレーニング中でも俺に挨拶してくれるウマ娘は多い。俺が兄と呼ばれている影響だろうな。今年の新入生にも定着しているし、皆やめる気も無さそうだから俺も諦めている。
フジ「これは珍しい。お1人ですか、ムッシュ比企谷?」
八幡「今日は珍しく1人だぞ、マドモワゼルフジ。」
フジ「そうなんだ。君が1人で居るのは滅多に無いからね、トレーニングは無いのかい?」
八幡「日曜は休みにしてるんだ。お前こそ何してるんだ?」
フジ「私かい?私はちょっとこれからファンの子達とお茶会でね、お兄さんも来るかい?」
八幡「生憎、今日はのんびり気ままに過ごすって決めてるんでな、断る。」
フジ「それは残念、じゃあ次の機会にしようか。」
次があるとは思えないんだが……
ーーー校庭ーーー
ファイン「あっ、トレーナー!」
八幡「ん?おぉファインか。」
ファイン「こんな所で会うなんて運命かしら?」
八幡「……何かあったのか?」
ファイン「あのね、小耳に挟んだんだけど、トレーナーってラーメンを作れるの?」
八幡「その情報、何処からだ?」
ファイン「それは言えないかなぁ~私にも情報網があるから。」
八幡「ほう?それってお前の後ろに控えてるSPの事じゃないのか?」
ファイン「違うよ~……それで、どうなのかな?」
八幡「事実と違う事を公開されても困るからノーコメントだ。」
ファイン「き~さ~ま~、正直に申さぬかぁ~!」
八幡「お断りします。あっ、インスタントなら作れるぞ。」
ファイン「それは誰だって出来るよ~!」
そうかぁ?日本に来たばかりの頃のお前とかメジロ家とかちょっと怪しいぞ?
エアグルーヴ「騒がしいと思って来てみれば、ファインに貴様か……何を言い争っているのだ?」
ファイン「グルーヴさんっ、トレーナーってラーメン作れると思う?私ね、ある人からの情報で聞いたんだけど、トレーナーはラーメンを作れるみたいなのっ!」
エアグルーヴ「お前達はそんな事で言い争いをしていたのか………ファイン、少し考えれば分かる事だ、コイツの料理の腕を考えればラーメンくらい造作も無いだろう。作れると見て間違い無いと思うが?」
ファイン「あぁ!そっかぁ~!」
コ、コイツ!この前の事は話してない上にセーフだから責められん!まぁ確かにラーメンは作れるけどっ!
エアグルーヴ「気は済んだか?ならばあまり大きな声で会話をするな。」スタスタ
ファイン「はぁ~い♪」
八幡「騒がしくした覚えは無いんだが……」
ファイン「それでねトレーナー、私にラーメンを「作らない。」むぅ……強情だなぁ。」
八幡「今日は気ままに過ごすって決めてんの、だから労働はしません。じゃあそういう事で。」
ファイン「もぉ~!いつか作ってもらうからね~!」
俺の気が向くまで待つ事だな。それにしても、俺がラーメン作れる事を提供したのって誰なんだ?
さて、一体誰が情報をリークしたんでしょうねぇ?