比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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増えてきた兄呼び

 

 

ルドルフside

 

 

……ここ最近、兄さんの周りの環境が大きく変わったような気がする。面倒見の良い兄さんの事を兄と呼ぶ生徒が多いのは数年前から知っていた事なのだが、反対に兄さんの事を兄と呼ばない生徒も存在する。私の身近な存在ではエアグルーヴがそれに当たる。しかしそれも少しずつ変化しているのだ。例えば………

 

 

エアグルーヴ『会長、もうそろそろ皐月賞トライアルの弥生賞ですが、トレーニングに支障はありませんか?業務は私が変わりましょうか?』

 

ルドルフ『いや、大丈夫だ。兄さんと相談して今は追い切りだから、それ程キツいという事はない。』

 

エアグルーヴ『そうですか、兄u……んんっ、トレーナーとして良い配慮だと思われます。』

 

ルドルフ『あぁ、とても頼もしいよ。』

 

 

……っと、一瞬だが兄さんの事を恐らく『兄上』と呼ぼうとしていた。しかもこれはエアグルーヴに限らず、他の生徒にも関係している。

 

 

シャカール『おいアニキ、いい加減PC使えよ。いつまでもペンなんてロジカルじゃねぇだろ。』

 

ファイン『ねぇねぇお兄様、一緒にラーメン食べに行こっ♪行った事のある場所でもいいから!』

 

カフェ『あの、兄さん……コーヒーを一緒に飲みませんか?私の部屋でゆっくりしながら。お友達も兄さんと一緒に居たいみたいですので。』

 

パーマー『あっ、お兄。ちょっとアルダンさんを探してるんだけど、場所知らないかな?』

 

アヤベ『……また兄さん……じゃなくてトレーナーさんの所に行こうかしら?でも、何度も行ったら迷惑かしら?けれどあんなに寝心地の良いクッションは寮に置けないし、1番は兄さんの家に行くのが……だ、だから兄さんじゃなくてトレーナーさん……』

 

ヘリオス『チャオ〜八ニキっ♪アガってるぅ?今度一緒にステージで爆上げパーティやらん?八ニキも偶には思いっきり叫ぶっしょ!!』

 

 

……今上げた例は私が偶々通りかかった場面で目にして聞いたものだ。ダイタクヘリオスの『ニキ』というのはよく分からないが、恐らく兄と呼んでいるのだろう。最近の兄さんはまた凄く兄扱いされているような気がする。

 

 

八幡「どうしたルドルフ、気難しい顔してよ。」

 

ルドルフ「っ!あぁ兄さん、少し考え事をしていてね。兄さんはここ最近でまた更に兄と呼ばれるようになったと思っていてね。」

 

八幡「あぁその事か、確かに俺もそれは思っていた。これまで呼んでなかった奴から呼ばれたりしてたから、『ん?』って思ったんだが、それから少し経っても変わらなかったからまた『増えたのか。』って思っちまったよ。」

 

ルドルフ「全く、兄さんは誑しだな。」

 

八幡「心外だ……」

 

クリスエス「Big bro……それにルドルフ、ご苦労様。2人は、何をしている?」

 

八幡「いや、偶々会っただけだ。特に何かをしていたわけじゃない。」

 

ルドルフ「兄さんの言う通りだ、本当に偶々会っただけなんだ。」

 

クリスエス「I see……時にBig bro……1つ質問がある。私の耳は……触り心地が良いのだろうか?」

 

八幡「………何だ急に?」

 

クリスエス「ロブロイによく言われる……素敵な耳だと。私の耳は……そんなに良いのだろうか?」

 

八幡「いや、俺はお前の耳なんて触った事無いから分からん。でも形は珍しいと思うぞ。」

 

クリスエス「ふむ……Thanks.」

 

 

クリスエスも英語で兄さんを兄と呼んでいるから、割と距離は近いように思える。

 

 

ーーーカフェテリアーーー

 

 

ルドルフ「クリスエスとの会話で察したが、兄さんも満更ではないように見えるのだが?」

 

八幡「もう慣れたからな……今じゃ兄と呼ばれなくなる方が珍しいんじゃないか?」

 

ルドルフ「そうかもしれないな。しかし、呼ばれなくなるとすれば、どんな呼び方になるのだろうか?やはりトレーナーだろうか?」

 

八幡「呼びやすさによるんじゃないか?俺はあんまり気にしないが、シービーは名前呼びだしな。」

 

ルドルフ「成る程……ならば私も名前呼びになりそうだな。流石に呼び捨てにはならないと思うが……そうだな、八幡君と呼びそうだな。」

 

八幡「……あんま慣れないな。」

 

ルドルフ「そうだな、私も違和感がある。やはり兄さん呼びが慣れているからかもしれないな。」

 

 

兄さんを兄さん以外で呼ぶなら今のように名前に君付けだが、あまりしっくり来ない。かと言ってトレーナー君、というのも他人行儀のように感じる。やはり兄さんが1番だろう。

 

 

ルドルフ「まぁ、これまで通りで良いだろう。」

 

八幡「それでいいんじゃね。俺も別に今更兄呼びをやめろなんて言うつもりなんて無いし、それに俺の趣味だなんて言われる事ももう無いしな。」

 

ルドルフ「……ふふふっ、そういえば最初はそんな噂も立っていたね。」

 

八幡「俺からしてみればいい迷惑だったが、今はそう呼ばれるのが当たり前になってるから自然消滅って形で無くなったな。」

 

ルドルフ「『人の噂も七十五日』とはよく言ったものだね、我々の先人達は良い言葉を生み出したものだ。今の会話に相応しい幕締めだと思わないかい?」

 

八幡「上手い事考えたよな、昔の人って。」

 

 

 




八幡を兄と呼ぶ生徒、増えるっ!!
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