生焼け肉side
八幡「………」カタカタ
彼の名前は比企谷八幡、中等部~高等部のウマ娘を育成するトレーナーという職業に携わっている生き物だ。今日も今日とて担当するウマ娘のトレーニングを作成している最中で、決して暇を持て余しているわけではない。決して現実逃避をしたいからトレーナー室に篭っているわけではない。決して「うるせぇよナレーター!!」チョワッ!!?
八幡「何だよさっきから俺の紹介とか勝手に始めやがって!ていうか何?お前等々こっちに来たのか?」
生焼け肉「だって一々※で出て来ても、存在感薄くない?」
八幡「いや、この世界でのお前の需要0だから。」
生焼け肉「何おぅっ!?ライスの脚を支えてやったのは誰のクッションのおかげだと思ってんだ!?」
八幡「あっ、その節は大変お世話になりました。」
生焼け肉「あっいえいえ、お気になさらず。ご丁寧にどうも。」
八幡「じゃ、そういう事で早く現実に戻って執筆作業しろ。」
生焼け肉「ネタが無いんだよぉ~!!面白いネタを考えるのがどれだけ大変か分からないからそんな事言えるんだよ!!」
シービー「いや、そこまで面白くないと思うよ。」
生焼け肉「………」ドヨォ-ン…
八幡「ちょ、お前言ってやるなって。今までに無いくらい油落ちてんだろ。」
ねぇシービーさん、本当の事でもそこまでどストレートに言う必要ある?僕見た目は肉だけど、心の強さは豆腐かスライムレベルなんだよ?
アルダン「しかし、何故急に出てきたのですか?先程仰られていた、書く為のネタが無いからこちらに来たという事でしょうか?」
生焼け肉「その通りでございます……」ペコリッ
アルダン「でしたら、ちょうど今は入学式です。その様子を書いてみてはいかがでしょうか?」
ラモーヌ「アルダン、きっとそれも何度もネタにしていると思うわ。」
生焼け肉「仰る通りです………」ペコリッ
アルダン「そうですか……では、どうしましょうか………」
シービー「あっ、じゃあさあたしと八幡のデート回とかどう?それなら「さっき意地悪言われたから君のは当分無し。」ちょっ、それ横暴じゃん!!」
生焼け肉「やかましいやいっ!!僕の豆腐&スライムメンタルを傷付けた罰じゃい!!あっ、アルダンさんは今度書いてあげるね~。」
アルダン「まぁ!ありがとうございます♪」ニコッ
けどどうしようかなぁ~……ネタネタネタァ……あっ!!
生焼け肉「良い事思いついたぁ~♪」ニヤニヤ
八幡「何だ、急に気持ち悪い声出しやがって……」
生焼け肉「言ったでしょ?良い事思いついたって!じゃ、そいういうわけだからここからが本編って事でおk?」
八幡「どうせ俺等に拒否権なんて無ぇんだろ?好きにやれよ。」
生焼け肉「……言ったね?言ってしまったね?もう後には引けないよ?いいや、引く事も出来ないからね?」
八幡「早く始めろ。」
生焼け肉「それじゃあ本編スタァートッ!!」
ラモーヌ「今更だけれど、どうして前書きで書かなかったのかしら?」
シービー「確かにね~。」
生焼け肉「本編始まるんだからシーッ!」
生焼け肉sideout
ルドルフside
エアグルーヴ「新入生への挨拶、お疲れ様でした。この後の体育館の方付けは私とブライアンでやっておきますので、会長は部室へと向かってください。」
ルドルフ「いいのかい、任せっきりにしてしまって?」
エアグルーヴ「この後は大事なご予定がある筈です。そちらの準備をしてください。」
ルドルフ「ではお言葉に甘えて、そうさせてもらうよ。頼んだよ、エアグルーヴ、ブライアン。」
エアグルーヴ「承知しました。」
ブライアン「……あぁ。」
さて、私も着替えて部室へと急ぐとしよう。
ーーー部室ーーー
ルドルフ「遅れて申しわけ無い……おや、兄さんはまだ来ていないのかい?」
シービー「うん。あたし達が先に居るなんて珍しいよね。」
アルダン「ですが鍵はかかっていませんでしたので、どうやら先に来て鍵だけ開けたのだと思われます。」
ルドルフ「そうか。まぁ、我々はしばし此処で待たせてもらうとしようか。まだ時間はあるのだからね。」
今日は入学式だったのだが、それと同時にトレーナー達が見所のある生徒を勧誘する時期でもあるのだ。故に新人トレーナーの他にもチームを持っているトレーナー、担当人数を増員されたトレーナーはこぞって動き出すシーズンだ。かくいう兄さんはどうするのかは不明だが、我々チーム・カペラは理事長たっての希望でデモンストレーションの一環として模擬レースをする事になっている。3冠ウマ娘であるシービーの実力とトリプルティアラを達成したラモーヌが本気の走りを披露すれば、きっと多くのウマ娘の士気が益々向上するだろう。無論、私も負けてはいられないがな。
ラモーヌ「それにしても、ただ走るだけではつまらないわね。確かに貴女達と走るのは心踊るけれど、他にも何かあれば更に走る気持ちが湧くと思うのだけど?」
ルドルフ「随分無茶な要求をするな、君は。生憎だが私には駆け引きに使えるような材料は無いよ。そんなつもりでこの模擬レースを走るわけではないのだからね。」
ラモーヌ「あら、残念。けれど、この条件ならどうかしら?」
ふむ……ラモーヌがここまで乗り気なのも珍しい。一体どんな内容なのだろうか?
ラモーヌ「この模擬レースで1着を獲った者が兄様と1日デートが出来る、どうかしら?」
シービー「へぇ……面白そうじゃん、それ。良いね、やろうよ。」
ルドルフ「待つんだシービー。ラモーヌ、それは兄さんに承諾を得ているのかい?取れていない事を勝手に始めては兄さんに迷惑が掛かってしまう。先ずは兄さんに相談すべきではないかな?」
ラモーヌ「そうね、そうするべきよね。けれど、それはもう済んでいるの。」
ルドルフ「何?」
ガチャッ
八幡「済まん。遅くなった。全員居るみたいだな。じゃあ「少し待ってほしい、兄さん。」ん、どうしたルドルフ?」
ルドルフ「今ラモーヌから聞いたのだが、模擬レースで1着を獲った場合、兄さんと逢引きが出来ると聞いたのだが、それは本当かい?」
八幡「あぁ、粘りに粘られてな、仕方なく了承した。てか、逢引きって随分古い言い回しするのなお前。」
ルドルフ「了承してるのか……」
八幡「っていうか聞いてなかったけど、俺と出掛けたい奴って居るの?」
ラモーヌ「居なかったらこんな提案、最初からしてないわ。私は行きたいわよ。」
シービー「あたしもあたしも~っ!」
アルダン「兄様とのデート、想像しただけでも楽しそうです。」
ルドルフ「無論、私も行きたいよ兄さん。」
八幡「満場一致で行きたいなんだな……」
当然さ、きっと楽しい時間になると思う。それはそうと………
ルドルフ「兄さん、どうしてこんな遅れてきたんだい?君はいつもなら最初に居る筈なのに、時折最後に来る時があるからね。」
八幡「……ちょっと理事長に呼び出しを食らってな。」
……?何だか不愉快そうな顔をしているな。
シービー「えっ、何々!?もしかしてメンバー増員のお話!?」
八幡「違う。辞令とかじゃないから。取材の事だったよ、主にライスとかお前達の事についてのな。流石に今はクラシックシーズンだからって断ったが、また来るだろうな。」
ラモーヌ「貴方らしいわね、そこで即決しない辺り。」
八幡「面倒だからって理由もあるけどな。さて、そろそろ行くか。」
ーーーコース場ーーー
模擬レースが行われるコース場は既に多くの新入生・新人トレーナーでいっぱいだった。きっとこの模擬レースを楽しみにしてくれていたのだろう。
「あっ、来た来た!チーム・カペラだっ!」
「すっごぉ……既にオーラが違う。」
「あれが現役最強ウマ娘が集まった最高のチームかぁ……!」
「あの人か、配属初年度から連続でGⅠを勝ってる比企谷トレーナーって。」
「あぁ。1年目1勝、2年目2勝、3年目3勝内海外2勝、4年目5勝。すげぇよな……しかも黒星が圧倒的に少ない。ライスシャワーの皐月賞2着と宝塚記念の中止を除いたら、全部勝ってる。」
「確か去年の天皇賞で有名になったトレーナーよね?比企谷八幡さん……あれだけのウマ娘を抱えているなんて。」
「どんなトレーニングをするのか、この目に焼き付けておかないとっ!」
ルドルフ「我々も兄さんも注目されているな。」
八幡「俺もか?」
シービー「うん、八幡の事を噂してるトレーナー達も居るよ。人気者だね♪」
八幡「そんなんじゃねぇだろ。それよりもアップ始めるぞ。今日に先頭はラモーヌからな。」
ラモーヌ「兄様、約束忘れないようにね?」
八幡「念押ししなくても忘れてねぇから安心しろ。」
ーおまけー
生焼け肉「えへへへ~。」
八幡「お前、こういう形ではもう2度と出てくるなよ。」
生焼け肉「いやぁ~……済まん。」
八幡「はぁ……今日だけなんだよな?」
生焼け肉「一応そのつもり。何度もこういうのがあったら、生じゃなくて焦げ肉にされちゃうかもしれないから。」
八幡「誰にだよ……」
生焼け肉「皆さん、安心してください。今日の僕がでしゃばりなだけです!明日になったらこう思ってます、『なんてバカな事したんだろう。』って。」