比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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1人の幸せの為に

 

 

八幡side

 

 

「これは……驚きましたね、まさか半月も経たずして課題をクリアしてしまうなんて。」

 

八幡「実を言うと、俺も驚いてます……ライス、お前入院中何してたんだ?」

 

ライス「えへへ……」ピョコピョコ

 

 

俺は今、主治医の医師立ち会いの元で課題達成の為のトレーニングをしようと病室に訪れていたのだが、ライスが呆気なく課題を達成してしまったのだ。故障している左脚を使わずに右脚だけで起立、着席と車椅子の移動を流れ作業のようにこなし、松葉杖もぎこちない動きではあるものの使えてはいた。

 

 

「これならリハビリをしても大丈夫でしょう。ですがまだ骨折が完治しただけで脱臼の方はまだ治療中です、無理の無い方法で少しずつ元の状態に戻して行きましょう。」

 

ライス「はい!」

 

八幡「良かったな、ライス。」

 

 

よし、これで復帰への第一歩だ。けどここからが正念場だ。やっとリハビリが出来るようになったんだ、それがまた怪我が悪化したから大人しくしろなんて言われるわけにはいかない。難しいがライスもこんなに嬉しそうにしてるんだ、この顔を消さないようにしないとな。

 

 

ーーートレーナー室ーーー

 

 

八幡「はぁ………またか………」

 

葵「またですか?」

 

八幡「あぁ。理事長からの増員の催促。」

 

葵「あはは……」

 

八幡「これ以上作る気は無いって伝えてんのにあの理事長は……桐生院、代わりにやってくんない?推薦ならするから。」

 

葵「比企谷君、私今年で3人目なんですよ?漸く3人目です!それなのにもっと増やせって言うんですか?」

 

八幡「いいだろ、株上がるぞ?」

 

葵「いや、そんな風に言われても……それに理事長直々の要望なのですから、お受けしてあげては?」

 

八幡「いや、俺は本当に今のメンバー以外のウマ娘を育てるつもりは無い。これはもう俺の中で決めている事なんだ、たとえ相手が理事長だろうとURA会長だろうと意志は曲げない。」

 

葵「……ライスシャワーさんの為、ですか?」

 

八幡「……まっ、1番の理由はそれだな。ちょっくら行ってくる。」

 

葵「理事長室にですか?」

 

八幡「あぁ。」

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

八幡「………」スタスタ

 

たづな「あら、比企谷トレーナー。」

 

八幡「駿川さん、お疲れ様です。」

 

たづな「理事長に何か御用ですか?」

 

八幡「メンバー増員の件です。駿川さんもご存知でしょう?デスクにまた書類があったものですので。」

 

たづな「……そうでしたか。」

 

八幡「俺はしっかりお伝えした筈なのですが、理事長も意思が固いですね。」

 

たづな「ああ見えてもウマ娘の事を第一に考えているお方なのです。理事長の全てを理解しろとは言いませんが、全ての行動の背景にはウマ娘の幸せが含まれていますから。」

 

 

理屈は分かる。分かるのだが、流石になぁ………

 

 

八幡「すみませんが、それでも俺は断ります。たとえそれで何人、何十人のウマ娘を幸せに出来る可能性が生まれるとしても、俺は今1人のウマ娘の幸せを願ってるんです。」

 

たづな「………ふふっ、比企谷トレーナーも理事長の事を言えた義理ではありませんね。」

 

八幡「……そうですね。」

 

たづな「分かりました、比企谷トレーナーの意思については理事長には私から伝えておきます。」

 

八幡「……いいんですか?」

 

たづな「えぇ。きっとこのままゴリ押しで比企谷トレーナーにメンバーを増やしてもらっても、士気向上には繋がらないと思いますので。」

 

 

うん、確かに……やってやるって感じにはならない。

 

 

たづな「なので比企谷トレーナーはこのまま頑張ってください!理事長は私が説得してみせますので。」

 

八幡「……ありがとうございます。」

 

 

ーーーカフェテリア・厨房ーーー

 

 

八幡「………」

 

 

理事長、理解してくれると良いんだが……駿川さんが説得してくれるみたいだが、それでも続けてきたらどうしよう?

 

 

「お腹空いたね〜……あれっ、トレーナーが料理してる!!何でっ!?」

 

「え!?ホントに!?」

 

 

この反応、新入生達か……まぁトレーナーが調理してたらそりゃ驚くよな。最初も驚かれたし。

 

 

「トレーナーさん、どうして料理してるんですか?」

 

八幡「俺の日課だからだ。」

 

「そうなんですか〜。でも自分の分にしてはすっごく多いですね?トレーナーさんって実は凄い大食いなんですか?」

 

八幡「いいや、これは「私達の為に用意してくれたのよ、そうよね?」……あぁ、そうだ。」

 

「っ!!!?メ、メジロラモーヌさん!?」

 

ラモーヌ「ご機嫌よう。兄様、お料理はもう出来ているのかしら?」

 

八幡「あぁ、後は盛り付けるだけだ。」

 

ラモーヌ「そう……では此処で待たせてもらうわ。」

 

八幡「邪魔しないようにな。」

 

シービー「やっほ~八幡〜♪出来てる?」

 

八幡「盛り付けるだけだから待ってろ。」

 

 

俺が料理をする曜日は決まっているのだが、その曜日は決まってメンバーは早く来る。食いしん坊達め……

 

しかしそのせいもあって、俺達チーム・カペラは思っている以上に目立っている。どんな風に噂しているのかは知らんけど。

 

 

『凄いよな、比企谷先輩……』

 

『うん、あんなにウマ娘との距離が近い。生徒からは兄って呼ばれてるし、ミスターシービーさんに至っては名前呼びだし。』

 

『どうやったらあんなにウマ娘と仲良くなれるんだろう?コツ教えてくれないかなぁ〜?』

 

『この前のデモンストレーションでも、私達が学んできたトレーニング内容とは全然違ってたしね。あんなの初めて見た。』

 

『今度、トレーニングの見学をさせてもらおっか?』

 

『先輩のOKが出たら行ってみよっか!』

 

 

………悪い噂をされてない事を祈ろう。あっ、ライスのリハビリのメニュー色々と考えないとな。

 

 

 




八幡は他のウマ娘達よりもライス優先みたいですね。偉いっ!!!(まぁ最初の担当ですからね。)
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