比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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淀の3,000m、開幕!

 

 

八幡side

 

 

10月第4週目の日曜日の京都。天候は曇り、バ場状態は良、良い感じのコンディションだ。今日はルドルフのレース当日。それもクラシック最終レース、淀の芝3,000mの菊花賞の開催日だ。ルドルフが出走するという事もあり、菊花賞のレース前からとてつもない人の数だ。シービーと同じで無敗のままここまで来た、我が担当ながら本当に恐ろしい才能だ。これに勝てば歴史上初の2年連続での3冠ウマ娘の誕生となる。

 

 

ルドルフ「………」

 

 

当のルドルフはというと、腕組みをしながら精神統一をしている。レースが来るのを待っているという感じだ。控え室ではなく観客席でだ。

 

 

シービー「ルドルフ〜、まだ行かないの?」

 

ルドルフ「……もうそんな時間かい?」

 

シービー「まだパドック入場まで時間はあるけど、準備もあるからそろそろ行った方がいいんじゃない?」

 

ルドルフ「……そうか。では兄さん、行こうか。」

 

八幡「………え俺も?」

 

ルドルフ「あぁ、兄さんもだ。」ガシッ!

 

八幡「………というわけで行ってくる。」ズルズル

 

ラモーヌ「兄様を独り占めなんて、ルドルフも酷い人ね。まぁ、GⅠレースだから大目に見ましょうか。」

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

八幡「……それで?わざわざ俺をこんな所に連れて来て、どういうつもりなんだ?」

 

ルドルフ「………菊花賞は俗に『最も強いウマ娘が勝つ』と言われている。3,000mの長丁場に加えて2度の坂越え、精神力を試される場面も多い。故に……スピード、スタミナ、走行技術。全てを揃えた『強い』ウマ娘が勝利する。この冠を他のウマ娘に譲るようでは、【皇帝】を名乗るべきではないな。」

 

八幡「………」

 

ルドルフ「……何か言ってはくれないかな。」

 

八幡「言った方がいいのか?」

 

ルドルフ「あぁ、何でもいい。」

 

八幡「……分かった、じゃあ率直に言う。お前が同世代の連中に負けるなんて万に一つもねぇよ。」

 

ルドルフ「っ!」

 

八幡「一昨年のライスの鬼トレーニングに付き合ってたお前がそんじょそこらの奴等に負けるなんて到底思えない。それにだ、お前はこの世代のウマ娘の誰よりも強い。」

 

ルドルフ「………あぁ、その通りだ。ではその信頼への感謝に、エスコートをさせてくれ。遥かなる高みへ、共に行こう!」

 

八幡「しょうがねぇな、分かったよ。なら俺から言う事はもう無い、お前の好きに走って来い。俺が言えるのはこれだけだ。」

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

八幡「ただいま〜。」

 

シービー「ふぁひむぁん(はちまん)おふぁえひ(おかえり)〜。」モグモグ

 

八幡「……何食ってんの?」

 

シービー「んっ……抹茶のお菓子。抹茶のどら焼きでしょ、抹茶のスフレ、抹茶のソフトクリーム。」

 

八幡「抹茶ばっかじゃん………」

 

アルダン「ですが流石は本場の京都です、とても深みのある味わいで市販の物とは全く違います。」

 

八幡「……そうか。」ジィ……

 

 

………

 

 

シービー「?八幡、何見てるの?」

 

八幡「………」ジィ……

 

アルダン「兄様、そんなに心配ですか?」

 

八幡「………まぁな。」

 

ラモーヌ「安心なさい。」

 

八幡「っ!」

 

ラモーヌ「あんな事、滅多な事では起きないわ。それに、ルドルフなら大丈夫よ。」

 

八幡「………お前に慰められる日が来るとは思わなかったな、悪いなラモーヌ。」

 

ラモーヌ「気にしなくてよくてよ。私も姉だから同じ立場の人の考え事が分かるだけよ。」

 

 

……そうか、メジロ家の中では最年長だしな。大勢の妹達が居るから余計にそういうのには敏感なのかもしれないな。けどラモーヌがお姉ちゃんやってる姿があんまり想像出来ない。だが………

 

 

八幡「俺も何とかしないとな………」

 

シービー「八幡、どら焼き食べる?」

 

八幡「……じゃあ1つ貰えるか?」

 

シービー「あぁ〜ん♪」

 

八幡「………あむっ。」

 

シービー「ふふっ♪」

 

八幡「………面白いか?」

 

シービー「ん〜んっ、なんか新鮮だなぁって。」

 

 

……それ以上は追求しないでおこう。

 

 

実況『さぁ皆様、お待たせしました!本日のメインレース、淀の3,000m菊花賞の本バ場入場です!!パドックでウマ娘を状態はしっかりと見られたと思います!!今度はバ場の上で走る姿を見て行きましょう!!』

 

 

八幡「時間が経つのが早いな……まぁいい、見られるだけ見ていくか。」

 

シービー「どれどれ〜……ん〜ルドルフはまだ居ないみたいだね。ルドルフは確か3枠5番だったよね?」

 

アルダン「はい。会長にとっては希望通りの枠とも言えるでしょう。それと本バ場入場ですが、もしかしたら最後に入場するのかもしれませんよ?」

 

シービー「あぁ〜かもね!」

 

 

数分後、アルダンの予想通りにルドルフは最後、17人の紹介が終わった直後に姿を現した。途端、京都レース場に大きな歓声が沸き起こった。

 

 

実況『さぁ、最後に登場するのはこのウマ娘です!!今年の3冠クラシックの大本命ウマ娘です!!ここまで無敗の6連勝でこの大舞台まで勝ち進んできました!!【皇帝】の覇道、未だ止まらず!!この大舞台でも勝利を掴み、更なる高みへと進む事が出来るのか!?3枠5番、圧倒的1番人気のシンボリルドルフです!!』

 

 

ルドルフ「………」

 

 

いよいよか……

 

 

 




次回、菊花賞!
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