ルドルフside
シービー「それでは〜シンボリルドルフの菊花賞制覇、並びに史上2人目の【無敗の3冠ウマ娘】誕生。そしてあたし、ミスターシービーの天皇賞・秋優勝を祝して、乾杯〜!!」
「「「「乾杯〜!!」」」」
ルドルフ「乾杯。」
アルダン「乾杯っ♪」
ラモーヌ「……ふふっ、乾杯。」
ライス「か、乾杯〜……」
女将「さぁさぁ!今日はめでたい日だからね、じゃんじゃん作るからじゃんじゃん食べちゃいな!ライスちゃんも病院食でたくさん食べらんないだろ?今日は思う存分食べなっ!」
ライス「あ、ありがとうございます、女将さん!いただきます!」
川崎「ライスちゃん、欲しいのがあったらあたしに言いなよ。」
ライス「どうもありがとう川崎さん。でもライスも歩けるから大丈夫ですよ。」
先週の菊花賞と昨日の天皇賞・秋が行われた後日。我々チーム・カペラは行きつけの小料理屋で祝勝会を開いていた。既に兄さんが私が菊花賞を制してから予約を入れていて、ライスの外出届の根回しもしていたみたいだ。このような場を設けてもらえる事に感謝せねばな。
大将「比企谷さん、ここんところ忙しかったから来れてなかっただろ?来るのを待ってたんだよ?」
八幡「すみません……レース見てくれたら分かると思いますけど、トレーニングやレース、ライスのリハビリとトレーニングとか色々やってて来る暇がなかったんですよ。こうして今日は来れたんですから勘弁してください。」
大将「はははっ、責めてるわけじゃないから大丈夫だよ。それにやっと比企谷さんに作ってやれるから、俺も少し張り切ってんだよ。」
八幡「?作れる?」
大将「ちょっと待っててね。」
八幡「はい……」チラッ
ルドルフ「っ!」
兄さんは私と視線が合うと、ふと微笑んでからこちらまで来てくれた。
八幡「主役の1人がそんなんでどうする?」
ルドルフ「私はシービーのように騒ぐような性格じゃないさ。それに、君のように静かに飲み食いする方が性に合う。」
八幡「んじゃ、今日のスペシャルゲストを呼んだ甲斐があるってもんだ。」
ルドルフ「スペシャルゲスト?」
八幡「まだ時間がかかってるみたいだから来れてはいないが、まぁその内来てくれるだろう。」
シービー「八幡〜ルドルフ〜2人で何してるのさ〜!ほら、たくさん食べてお話しようよ〜♪」
ルドルフ「あはは、では君のお話に付き合おうか。どんな話をしていたんだい?」
シービー「ほら、あたし達3人とマルゼンとエースとシリウスの3人で作ったお面の話っ!」
あぁ………確か『個性』という名前だったか。
ーーー数十分後ーーー
ガラガラガラ〜
ライス「え?誰か来た?」
ラモーヌ「……兄様、今日は貸切ではなかったのかしら?私達以外に誰か呼んでいるのかしら?」
八幡「あぁ、2人呼んでる。」
ガラガラガラ〜
ライス「っ!?え、どうして此処に!?」
アルダン「これはまた、意外なお方ですね……」
八幡「お疲れ様です、今日は来てくれてありがとうございます。」
スピード「いやいや、君からお誘いだ。来ない理由が無いさ。それに………せっかくの祝いの席だ、私からも祝辞を述べたい。」
スイート「そうですね。我が子が偉業を成したのですから、そのくらいの事をしても誰にもバチは当たりませんしね。」
ルドルフ「母上、祖母上……っ!ど、どうしてこちらに……っ!に、兄さん!まさかスペシャルゲストというのは………」
八幡「そう、お前の母親と祖母だ。」
ルドルフ「………本当に、君には驚かされてばかりだよ。何というか、ここまでするとは思わなかった。」
スピード「そういう事だ、今宵は私達も楽しませてもらう。女将殿、洋酒類はあるだろうか?」
女将「普段お客さんには出さないけど、今日はお祝いだからね!特別だよ。」
スピード「済まない、感謝する。それと個室も少しの間、貸してもらえないだろうか?」
女将「良いよ、好きに使って構わないよ。」
スピード「度々済まない。軽い頭と思われるかもしれないが、感謝する。」
スイート「ルn……んんっ、ルドルフ。少しいいかしら?」
ルドルフ「……は、はい。」
ーーー個室ーーー
スピード「歓談中のところ済まない、どうしても話しておきたくてな。」
ルドルフ「いえ、お気遣いなく。それに私のチームはこのような事で小言を言ったりはしません。」
スピード「信頼関係が築けているようで何よりだ。」
ルドルフ「それで祖母上、お話とは?」
スピード「うむ……どう伝えれば良いか……」
スイーツ「母上、事前に台詞を決めてきたではありませんか。それをそのまま伝えれば良いだけではありませんか。」
スピード「いやしかしだな、こんな年寄りに言われたところで響かないだろう……」
こんなに落ち着きの無い祖母上は初めて見る……幼少期の頃でさえこんな事は無かった。一体、どうした事だろう?
スイーツ「はぁ………母上がその調子であれば、私から言いますよ?」
スピード「い、いやいや!私から言うと言ったのだ、言葉は曲げぬ!ふぅ………ルドルフ、まずは3冠制覇おめでとう。走りはしかと見ていた、見事だった。我が一族で初めてのクラシック制覇にして初めての3冠ウマ娘だ。」
ルドルフ「ありがとうございます。」
スピード「……んんっ、流石は私の孫だ。」
ルドルフ「っ!」
スピード「私の友人の殆どから言われた、『素晴らしいお孫さんだ。』『堂々としてて立派なお孫さんだ。』『若い頃の貴女を彷彿とする走りだった。』とな。私もルドルフのような孫を持てて……誇りに思う。」
ルドルフ「………」
スイート「私も、貴女のような娘を持ててとても誇らしいわ。貴女が出たレース全て覚えているけど、菊花賞を先頭で駆け抜けたあの瞬間、きっと生涯忘れる事は無いわ。」
ルドルフ「いえ……」フルフル
スピード「これまであまり祖母らしい事はしてやれなかったが、まぁ………その、祝いの席だ。それに孫が大きな事を成し遂げたのだからな。」ナデナデ
ルドルフ「いえ……私は先人の皆様に比べたらまだまだ、未だ未熟な若輩者です。ですが………ありがとうございます。」フルフル
スイーツ「……そんな事はないわ。貴女は我が一族の誇りよ。自分に誇りを持ちなさい。」ナデナデ
ルドルフ「……はい!」フルフル
これまで母上と祖母上から頭を撫でてもらった事は1度も無かった。しかし今日、初めて撫でてもらった………私も今日のこの時間を忘れる事は無いだろう。
こんな時間があっても良いと思ってつい指が勝手に………