八幡side
八幡「………」
ライス「………」
「定期検診の結果、3ヶ月前の損傷部の定着、それによるリハビリとトレーニング、日常動作の様子から見てもう大丈夫でしょう。退院の許可を出します。」
八幡「……本当ですか?」
「はい、本当です。正直この長い闘病生活を乗り切るとは思っていませんでした。重い怪我ともなれば尚更です、自身にかかるストレスは大きいですから。しかしライスシャワーさんは乗り切って見せました。彼女の強靭な精神力もありますが、応援する方達の努力の結果とも言えます。おめでとうございます。今後の方針についてはトレーナーさんに委ねますので、よろしくお願いします。」
八幡「はい。」
ライス「ありがとうございます。」
「明日にでも退院しますか?」
八幡「……いいんですか?急な退院の手続きとか色々大変なのでは?」
「いえいえ。きっと早く復帰したいでしょうから、そのくらいの手続きなら最優先で処理いたします。それに私も、ライスシャワーさんのファンですからね。早く走る姿が見たいのですよ。」
ーーー病室ーーー
八幡「良かったなライス、明日退院出来る事になって。これで漸く普通の学園生活を送れるぞ。」
ライス「うん!嬉しいなぁ……やっとライスも皆と同じように学園に通ってトレーニングが出来るんだね!」
八幡「あぁ。本当に長かったが、よく頑張ったな。」
11月の定期検診の結果、漸くライスの退院の許可が降りた。1年と5ヶ月、長い期間だった………正直こんなに長いと途中で折れてしまうのではと俺も少し思っていた時はあったが、ライスは見事にやってみせた。本当にライスの精神力には驚かされるな。諦めずにここまで来れた事には褒めてやらないとな。
八幡「しかし、明日からは大変になりそうだな。俺も今日学園に知らせに行くが、多分学園の復学は明後日からになると思う。明日は退院日だから荷物の片付けとかライスのやりたい事もあるだろうし、それをやる日にしよう。俺もトレーニング開始のギリギリまでは付き合う。」
ライス「いいの?」
八幡「勿論だ。しかし、最近のウチは良い事ばかり続くな。これもライスの怪我が治ったおかげかもしれないな。」
ライス「そ、そうかなぁ?けどライスも早く調子を戻せるようにトレーニング頑張るね!」
八幡「あぁ、一緒に頑張ろうな。」
ライス「うん!」
そして俺はその後、病院を後にして学園に戻った。駿川さんにライスの退院の事を伝えるとやはり驚かれた。と同時に嬉しそうにしてくれたから待ち望んでくれていたのが少し嬉しかった。チームの皆にも明日、ライスが退院してトレーニングに参加するという事も伝えてある。皆の顔を見たが、喜色を浮かべているのは一目で分かった。
ーーー翌日・病院ーーー
ライス「あっ、おはようお兄様。」
八幡「ん、おはよう。荷物は揃ってるのか?」
ライス「うん、昨日の内に片付けてあるから大丈夫だよ。それに大体は食べ物だったから、そんなに運ぶ物は無いんだ。」
八幡「そうか。じゃあ、行こうか。」
ライス「うん♪」
ライスは長い間使わせてもらった病室に別れを告げた後、受付でもライスの存在は知られているので、小さい花束を用意されていた。
ーーートレセン学園・美浦寮ーーー
ライス「わぁ〜すっごく久しぶり!美浦寮!ライス、帰って来れたんだ………」
八幡「………」
ライス「お兄様、すぐに準備してくるね!」
八幡「ゆっくりでもいいぞ。久しぶりの自分の部屋なんだ、少しのんびりしてきても良いぞ。」
そう言ってライスは小走りで中へと入って行った。同居人はロブロイだからきっと掃除はしてくれているだろう。ライスも自分の部屋を懐かしんでいる事だろう。
八幡「さて、俺も少し待つとするか。」
ーーー10分後ーーー
ライス「お待たせお兄様、準備出来たよ!ごめんねお待たせしちゃって。」
八幡「いや、大丈夫だ。ライス、何処に行きたい?」
ライス「え、えぇ〜……急に言われると分かんないよぉ……」
八幡「この前は小料理屋で久々に外の飯を食べたからなぁ〜。普通に街にでも行くか?」
ライス「うん、それが良いなぁ。ライスも久しぶりに街を見てみたい。」
八幡「よし、じゃあ街に行こうか。」
ーーーショッピングモールーーー
ライス「あんまり変わってないんだね。でもやっぱりキラキラしてて目移りしちゃう……」
八幡「見たいのがあったら遠慮なく言っていいからな。んじゃ色々歩いて回ろうか。」
ライス「うん♪」
ライスと一緒にショッピングモールの中を見て回ったのだが、色んな店をキョロキョロしていた。
しかし………
「ねぇ、あれってライスシャワーじゃね?」
「そっくりさん……じゃないよな?」
「もしかして……怪我治ったのか?」
ライスの事でヒソヒソとされている。まぁ仕方ない事だよな、1年前の宝塚記念から姿をめっきり見せてなかったからな。多分、ライスにも聞こえているだろうが………
ライス「?どうかしたの、お兄様?」
八幡「……いいや、何でもない。」
どうやら杞憂だったようだ……
退院おめでとうライス!!!!!