比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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深い葛藤

 

 

八幡side

 

 

八幡「………」

 

 

どうすりゃいいんだ………俺だって出来ればライスの希望を叶えてはやりたい、だがよりにもよって宝塚記念……しかも来年は本場の阪神ではなく京都で代替開催だ。もし出走する事になったらライスが転倒した時と同じ状況で走る事になる。

 

 

八幡「………」

 

 

実況『さぁ各ウマ娘が差を詰めてきました!!後ろからあっ!!!なんという事だっ!!!ライスシャワーがっ!!!ライスシャワーが転倒っ!!!ライスシャワーが転倒っ!!!故障発生!!!!

 

 

八幡「っ!!……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

………あれ以来、京都レース場の大外周りを見る度に頭の中であの時の光景と実況が鮮明に蘇ってくる。シービーとルドルフが出走した菊花賞でもフラッシュバックが起こった。

 

その時は菊花賞だったからいくらかマシだったと思う、だがライスの希望はどうだ?同じ舞台、同じレース場で行う。俺はもう、出来れば宝塚記念に担当ウマ娘を出走させたくない………

 

 

トンッ!

 

 

八幡「っ!!」

 

タリアト「八幡……」

 

八幡「……先生。」

 

タリアト「ライスから大体の事は聞いた。その様子だと、大分堪えているようだな。」

 

八幡「………はい。」

 

タリアト「辛い事を聞かされたな……私もさっき聞いた時は驚いた、まさか彼女があんな事を言うとは思わないだろうしな。次走、宝塚記念を希望とは………」

 

八幡「………」

 

タリアト「………どうしたいんだ、お前は?」

 

八幡「俺としては……ライスの希望を叶えてやりたいです。ですが俺としては、あのレースにはもう出したくない。その気持ちが板挟みになって決められてません。俺も分かっています、これは自分のエゴです。でも……」

 

タリアト「………済まない、答えづらい事を聞いたな。今の質問には無理に答えなくていい。ふぅ………似なくていいところまで似てしまうな、私達は。私は後輩を、君は担当を……嫌になってしまうな。」

 

八幡「………」

 

タリアト「あの話はするべきではなかったな。私の胸の内にしまっておくべきだった。弟子のお前に知っておくべきだと思ってしまったばかりに、お前に苦しい思いをさせてしまった………済まない。」

 

八幡「いえ、俺は先生にその事を教えてもらって良かったと思っています。そうでなかったら、俺は怪我の事を軽視していました。なのでそんな事を言わないでください……」

 

タリアト「……本当にお前は、過ぎた弟子だ。」ポンッ

 

八幡「………」

 

 

先生は俺の頭に手を置き、優しく叩いてくれた。俺が先生から後輩の怪我の話を聞いた時にもそうしてもらった。何故なら俺が無意識に涙を流していたからだ。そしたら先生、慌てて俺の頭を優しく叩いて撫でてくれた……

 

 

八幡「……俺も、ライスがまた聞いてくる前に決めておかないとですね。」

 

タリアト「難しい問題だが、私は今回この件でお前の決めた事に関してはお前の決定を尊重する。」

 

八幡「ありがとうございます。」

 

 

ーーー校門前ーーー

 

 

タリアト「八幡、今日は少し飲まないか?」

 

八幡「……はい、お付き合いします。」

 

タリアト「場所は……ふっ、慣れ親しんだ所が良いな。お前も私もまだ夕食を食べていないしな。」

 

八幡「それなら、良い場所を知ってますよ。」

 

 

ーーー小料理屋・個室ーーー

 

 

タリアト「……成る程、風情があって良い店だ。」

 

八幡「先生は日本酒や焼酎とか興味あったでしょう?ワインとか洋酒類はあまり無いですけどビールはありますので、口直しは出来ると思います。」

 

タリアト「ふふっ、済まないな気を使ってもらって。では注文を「失礼します。」……?」

 

川崎「こちらお通しです。注文は決まってる?」

 

八幡「あぁ。俺はいつものと今日のオススメと裏の3番で頼む。先生は何飲みます?」

 

タリアト「私はまだ日本酒には詳しくない。口当たりの良いのを頼めるか?」

 

八幡「分かりました。川崎、日乃出鶴を頼む。」

 

川崎「ん、分かった……そっちの人は知り合い?」

 

八幡「俺の師匠。俺にトレーナーのイロハを叩き込んでくれた恩師とも呼べる方だ。」

 

川崎「あっ、そうなんだ……すみません。」

 

タリアト「いや、気にするな。それより君は?もしかすると八幡の恋仲か?」

 

川崎「…違います。」

 

八幡「俺の高校の時の同級生です。そんで今はこの小料理屋のバイトスタッフで本業に勝負服の制作をしています。ライスとシービー、ルドルフの衣装もコイツに作ってもらいました。」

 

タリアト「そうか……影ながら八幡と担当ウマ娘を支えてくれていたようだな。」

 

川崎「いえ、私は衣装を作っただけなので……じゃあ、失礼します。」

 

タリアト「……頼もしい裏方だな。」

 

八幡「はい、良い仕事をしてくれますからね。」

 

 

他の人に頼んだ事無いから分からんけど、川崎以上の仕事をする奴は他に居ないと思ってる。

 

 

タリアト「他のメンバーはどうなんだ?」

 

八幡「メジロアルダンがもうすぐデビューでシービーもジャパンCに参戦、ルドルフは有マ記念の予定です。順当に勝ってほしいですね。その為にも俺は全力でサポートします。」

 

タリアト「……前者の2人は既に追い切りだろう?2人にはあまり負担のかからないように努めろ。」

 

八幡「はい。」

 

川崎「失礼します。」

 

 

その後は酒を飲み、食べ物を摘んで食事を楽しんだ。

 

 

 




八幡も相当お悩みの模様……
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