比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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上半期のミーティング

 

 

八幡side

 

 

夕食を食べ終えて、正月特番の番組を見ながらのんびりする事数時間。予め決めていたミーティングを開いている。今年からルドルフが新たにシニアの仲間入りを果たし、アルダンがクラシックへと駒を進める。ラモーヌもまだ現役を続行すると表明し、ライスも宝塚で復帰だ。今後の細かい方針を話し合う為のミーティングだ。

 

 

八幡「じゃあ先ずはルドルフからだ。ライスと同じ日経賞から天皇賞ルートで行こうと思ってる。阪神大賞典も考えたが、1度も走った事の無いレース場を走るよりかは慣れ親しんだレース場の方がやりやすいだろうしな。それに中山の登り坂もあるから本番の天皇賞で腕試しをするならもってこいだろう。」

 

ルドルフ「うむ、異存は無い。有マ記念の時と同じように、着差以上のレースを披露しよう。」

 

八幡「期待している。次にシービー、お前は大阪杯からスタートだ。ルドルフとは逆に阪神を走る事になるんだが、構わないか?」

 

シービー「うん、良いよ。それに八幡はあたし達を戦わせたくないんでしょう?世間では3冠ウマ娘同士の戦いとかで騒がれてるけど、正直あたしは興味無いしね。」

 

 

よく分かってるなぁ俺の事。確かにそうだ、この前のジャパンCと有マ記念は2人出そうと思えば出す事も出来た。けど俺はそういう事はあまりしたくはないのだ。気になるよ?確かにどっちが強いのかは気にはなるが、その時の状態や天候、バ場状態、芝ダート、距離の適性に右回り左回りと条件を探したらキリが無い。だから俺は『どっちが強い?』とか『どっちが最強?』とかそういうのには興味が無い。

 

 

八幡「助かる。そんで大阪杯の次なんだが、思い切って海外遠征をしたいと考えている。場所は香港、シニア以上が条件の2,400mのチャンピオンズ&チェイターカップっていうレースだ。お前はどう思う?」

 

シービー「香港かぁ……ねぇ、八幡はどうするの?一緒について来るの?」

 

八幡「出来ればそうしてやりたいが、簡単に決められない理由が2つある。」

 

シービー「それって?」

 

八幡「その1つがアルダンだ。」

 

アルダン「私、ですか?」

 

八幡「今年のクラシックでウチから出るのはお前だけだ。それに順当に勝ち上がっていけば、日本ダービーに出走させるつもりだ。その日本ダービーとさっきの香港のレースが被る。同週に行われるからだ。だから俺はどっちかに同行しなくちゃならない。」

 

シービー「成る程ねぇ~。それで2つ目は?」

 

八幡「その前にラモーヌから行くぞ。引き続きDTシリーズに行くわけだが、ドバイから招待状が来ている。3月末のドバイミーティングでDTシリーズのウマ娘が集まるレースに参加してみないかって内容だ。」

 

ラモーヌ「ふぅん………そのレースには世界中のウマ娘が集まるレースなのよね?」

 

八幡「その筈だ。それにメジロ家としても世界に実力を示す良い機会だと思うぞ?」

 

ラモーヌ「そうね……お婆様にも相談していいかしら?相手が世界ともなれば、少し相談したいから。」

 

八幡「あぁ、分かった。さて、最後にライスだ。知ってる奴も居るとは思うが、今年の夏に復帰予定だ。」

 

ルドルフ「おぉ、漸くか!」

 

アルダン「その報告を楽しみにしていました!」

 

八幡「あぁ、本題はここからだ。さっき言ったシービーの海外遠征に同行するしないかっていうのはライスの調整があるからだ。そして、ライスが出走するレースは……宝塚記念だ。」

 

 

シービー以外が目を見開いていた。それもそうだ、この場に居る全員が知っている事だ。ライスが怪我をしたレースでもあり、今年は一昨年と同じ京都で開催されるから余計に驚いているのだ。

 

 

ルドルフ「兄さん、どういう事なんだ?」

 

八幡「そのままの意味だ。そしてこれはライスの希望でもあり俺が決めた事だ。それにライス自身もあれをきっかけに宝塚記念を嫌いにはなりたくないと言っていたからな、それに俺もかなり悩んだ末に出した答えなんだ。あまり色々言われると心変わりしそうだから止めてくれよ?」

 

アルダン「私は兄様の決定に水を差すような事はしません。それが兄様のご決断であればそれを尊重します。」

 

ラモーヌ「私もアルダンと同じよ。それに本人がそう望んでいるのだから、チームであっても外野の私達が口を挟む必要は無いわ。そうでしょうルドルフ?」

 

ルドルフ「……兄さん、私は宝塚記念が終わったあの夜の事を今でもよく覚えている。君の顔は本当に酷いものだった……私の掲げる理想は全てのウマ娘の幸せだ。しかし同時にもう1つ増えてしまった、それは担当トレーナーである君にあんな表情をさせない事だ。一昨年のシービーの菊花賞、兄さんの顔には不安と恐怖が混じった顔をしていた。きっと私の時もそうだっただろう……兄さん、君はあえてその道を辿るというのか?君を苦しめた京都レース場の宝塚記念に?」

 

 

ルドルフの問いかけに担当全員が俺の方を見た。不安そうな表情をしているライスも俺に視線を送ってくる……だが俺の答えはもう決まっている。

 

 

八幡「……あぁ。」

 

ルドルフ「……そうか。であれば私も全力でサポートしよう。無論自身のトレーニングを欠かさない範囲内でな。」

 

八幡「……ありがとう。」

 

シービー「そういう事なら八幡、日本に残っててよ!あたしなら大丈夫、香港のレースでも1着獲るからさっ♪」

 

 

頼もしい担当だな、これなら大丈夫そうだ。

 

 

 




ライス~……いや、チーム・カペラ、頑張れ~!!
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