八幡side
八幡「良かったじゃないですか、去年の近走ではGⅠレースで連続4着。掲示板入りが安定してきたと思ったら今年初のレースで重賞制覇出来たんですから。」
先輩2「あぁ……あんな気持ちは久しぶりだった。ホントに心の底から喜べたって感じがする………最後に勝ったのが2年前のGⅢだったけど、あんまり喜んだ覚えが無かったんだよな。」
八幡「これなら大阪杯でも良い走りが出来ると思うんですけど、マイラーズCに行くんですよね?」
先輩2「あぁ。無理に大きな舞台を走らせるよりも、この1年は慎重に立ち回りたいと思ってるんだ。次のマイラーズCの成績次第では安田記念に行くつもりだ。マイルと中距離では良い走りをするからな、アイツは。」
3月最初の重賞レース、中山記念で先輩2が担当しているウマ娘が2年ぶりの勝利に加えて重賞で勝利を収めた。俺も誘われたから隣でレースを観てたが、余裕のある感じで勝利を掴んでた。冷静なレース運びをしていた担当ウマ娘とは反対に、隣で観てた先輩2はめっちゃ喜んでた。
先輩2「比企谷のところもシンボリルドルフが日経賞だろ?漸く動き出すって感じだな……」
八幡「重い腰を漸く起こしたって言われなければ良いんですけどね。」
先輩2「言われるわけねぇだろ、そんな事。それに、形はどうであれ今はお前の動きに世間は注目している。俺もチラッと見た程度だが、連日マスコミが来てトレーニングの様子とか撮ってんだろ?」
八幡「俺というよりもルドルフ達の様子が気になるだけでしょう。でも、最大の目的は1つでしょうけど。」
先輩2「ライスシャワーか……」
八幡「宝塚記念に出るって決まってからはトレーニングの様子を取材させてもらってもって依頼がかなり来てますからね、もう3ヶ月くらいは経ってますよ?まぁ、宝塚記念も後3ヶ月くらいなんですけど。」
先輩2「もうそれだけしか無いんだもんな……早いもんだよなぁ〜。「トレーナーさん、お話中でしたか?」ん?おぉカンパニー、もう時間か?」
カンパニー「まだ大丈夫ですけど、私が早く打ち合わせをしたくて来てしまっただけです。比企谷トレーナーさんもご無沙汰してます。」
八幡「あぁ。この前の中山記念は良い走りだった。おめでとう。」
カンパニー「ありがとうございます。」
彼女が先輩2の担当ウマ娘のカンパニーだ。元々の素質は充分あるのだが、好走もすれば凡走もするような成績が特徴とも言えるウマ娘だ。勿論本人は本気でやってるとは思うが、中々に周りも強いからな。GⅠ出走も多いが、未だ勝利には至っていない。
先輩2「じゃあ比企谷、俺も行くわ。次の日経賞、ちゃんと勝てよ。重賞で負けたら【皇帝、失墜!!】なんて記事が書かれかねないからな。」
八幡「勿論勝ちに行きますよ。それにそんな記事は絶対に御免です。」
カンパニー「では、失礼します。」
………あの2人、GⅠ勝てると良いな。
沖野「すっかり憑き物が取れたなアイツ。最近じゃ俺の所にも色々と聞きに来るぜ。」
八幡「沖野さんの所に?」
沖野「あぁ、俺のところにはマイルと中距離を走れるのが1人居るからな。それでアドバイスとか聞きに来たりな。俺もうかうかしてられねぇよ。」
八幡「そうですか、なんか良かったです。」
沖野「まぁその代わり、良くない顔をする連中も居るけどな。ほら、あそこ見ろよ。」
沖野さんが親指で指差した方向には、先輩1と同期3が座りながら先輩2に向けて睨むような視線を送っていた。元々は先輩2もあの人達側だったからなぁ〜。急な鞍替え………ではないが、自分達の派閥を抜けたのが気に入らないんだろう。
沖野「あんな事して何が面白いんだか、俺にはサッパリだよ。」
八幡「同感です。」
沖野「あっ、それよりもだ。お前にビッグニュースを持ってきたぜ。」
八幡「何ですか?もしかしてウマ娘のトモを触るだけじゃ飽き足らず裸足を触るようになったんですか?」
沖野「違ぇよ!レースの事だ。ウチのマックイーンだが、もう全盛期程のスタミナがもう残ってない。そこでだ、こっちも宝塚記念に出す事に決めた。」
八幡「っ!マックイーンも、ですか……」
沖野「あぁ、もう1回勝負と行こうじゃねぇか。こっちはお前達に天皇賞で敗れて以来なんだ、今度こそお前達に勝ってやるよ。」
八幡「成る程、そういう事なら相手になりますよ。」
黒沼「ならその話、俺も噛ませろ。」
八幡「っ!黒沼さん……」
沖野「噛ませろってどういう事だ?」
黒沼「俺達もこの春の最大の目標は春のGⅠ制覇だ。それにライスシャワーとは未だに決着が付いてないままだ。宝塚記念で白黒つけようじゃねぇか。」
確かにライスとブルボンの勝負は1勝1分1敗ずつだったな。俺達が菊花賞で勝って、皐月賞で負けてる。向こうはその逆でダービーは同着だったから、本当に次で勝敗が決まるって事になるのか。
八幡「分かりました。きっとライスもマックイーンとブルボンがレースに出ると知ったら気合も乗るでしょう。もう戦えないと思っていたライバルと戦えるんですからね。」
沖野「よっしゃ!じゃあ早速チームを集めて作戦会議をしねぇとな!」
黒沼「俺もブルボンをさらに鍛え上げるとしよう。ライスシャワーから逃げ切れるようにな。」
八幡「じゃあ俺は2人を追い抜かせるようにしないといけませんね。」
良い展開になってきたが、少し心配にもなってきたな。キツいトレーニングに脚が耐えられればいいんだが……少し練り直してみるか。
久しぶりの競走馬紹介、今回はカンパニー!!
この馬は多くのタイトルを持っていて、GⅢは京坂杯、関屋記念、GⅡに当時の大阪杯、中山記念連覇と毎日王冠、そしてGⅠに天皇賞(秋)とマイルチャンピオンSです!2歳〜8歳にかけて活躍した馬です!
戦績は35戦12勝とまぁまぁな感じですが、掲示板に入線する回数29回と確かな実力を持っています。そしてこの馬が凄いのは8歳でGⅠを制覇したからです!8歳は人間齢でいうと30〜35歳の間で衰える時期に突入しているので、そんな年齢で勝つのは容易ではありません。その中、天皇賞ではウオッカとオルフェーヴルの全兄ドリームジャーニーを下し、マイルチャンピオンSでは海外の強豪も合わせた17頭を撃破し、史上初の8歳の高齢で初めてGⅠを勝ち取った馬でもあるのです!それが評価されてJRA特別賞も受賞されている、運も実力も兼ね備えている馬です!!