比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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お説教と優しさ

 

 

エアグルーヴside

 

 

全く、お母様ときたら………あのたわけに何故あそこまでしようとするのか、私には理解出来ん。確かに奴には世話にはなっているが、それは私が利用してやっているだけの事。そして奴も私を利用しているだけ、そんな利害の一致した条件下での関係だ。深くも浅くもなければ、複雑でも単純でも無い。

 

だが会長やシービー先輩は奴に親しげだったな……

 

 

エアグルーヴ「………分からん。奴のどこが良いのか私には分からん。」

 

 

しかし、奴もよく私を選んだものだ。しかもその理由が1番苦労しそうだから、などと訳の分からん理由だ。今でも思う、何故会長を選ばなかったのだと………奴の腕は会長も認めていた。会長だけではない、一部のトレーナーや生徒からの評価だって中々高い。それに、奴の考案した鬼ごっこや買い物競争はトレーナーの間でも有効活用されていると聞いている。才能は頭1つ抜けていると言っても良い。だからこそ気になっている。何故奴は私を選んだ?きっとあの理由は嘘ではないが、他の理由もある筈だ。

 

 

ダイナ「なぁ〜に1人で百面相してんのよ。」

 

エアグルーヴ「っ!?お母様、勝手に部屋に入るのはやめてください!」

 

ダイナ「いいじゃない別に、減るものなんて何も無いんだし。それよりもアンタ、今さっき何悩んでたの?よかったら相談乗るわよ?」

 

エアグルーヴ「いえ、相談に乗ってもらう程の事では………いえ、では少しだけ。」

 

 

私はトレーナーに勧誘された時の事をお母様に話してみた。すると何故かお母様は微妙そうな顔をしていた。

 

 

ダイナ「アンタ……何でその時にやったぁ〜って言わないのよ?嬉しかったんでしょう?」

 

エアグルーヴ「嬉しかったのは事実ですが、そんな声は上げたりしません。それに嬉しさよりも疑問の方が大きかったので。」

 

ダイナ「そうなの……けれど、そんなのどうでも良い事じゃないかしら?」

 

エアグルーヴ「え?」

 

ダイナ「トレーナーさんは10日間かけて担当にするウマ娘を誰にするか悩ませていたんでしょう?その結果アンタを選んだ。そんな理由、後からだって聞けるでしょう?まずは色々なウマ娘が居た中で自分を選んでもらえた事に感謝すべきだと思うわよ?」

 

エアグルーヴ「………」

 

ダイナ「アンタの事だからどうせそれも言ってないんでしょ?そんなんだとトレーナーから離れて行くわよ?」

 

エアグルーヴ「っ!?そ、そんな事は「無いって言い切れないでしょ?アンタだって生徒会副会長ならそういうのくらい見た事ある筈よ?」………」

 

 

……正論だ。それに言い返せない。お母様の言っている事は全て的を射ている。私は奴に選ばれた事を感謝していないし、私の態度が問題で奴が私から離れていく可能性も低くはない………これからクラシックシーズンになるが、その前に契約破棄という可能性だってある。

 

 

ダイナ「……エアグルーヴ、アンタは自分にも他人にも厳しいところがあるわ。それがダメとは言わないわ。けれど甘くするところは甘くしなさい。そんなだと体が持たないわよ?今はまだこれで済んでるけど、これからはクラシック、シニアと続いてくるんだから。苦労は今の比じゃないわよ?」

 

エアグルーヴ「………はい。」

 

ダイナ「はい、じゃあお説教はおしまい。これからはトレーナーさんにもう少し優しくすんのよ。じゃあね〜。」

 

 

そう言ってお母様は部屋から出て行った。優しく……甘く、か。私には難しいかもしれん。が………

 

 

エアグルーヴ「少し、やってみるか。」

 

 

エアグルーヴsideout

 

八幡side

 

 

はぁ、何処に行っても顔見知りのウマ娘に出くわすなぁ………それが嫌というわけじゃないが、必ず1人はトレーニングを見てくれと俺にせがんでくる。担当のトレーナーに見て貰えば良いものを、何故俺に言うのかねぇ?

 

 

ルドルフ「おや、比企谷トレーナーじゃないか。少々お疲れのようだね?」

 

八幡「おう、ルドルフ……何故か今日1日顔見知りのウマ娘達からの猛攻にあってな。ようやく解放されたところだ。」

 

ルドルフ「人気者だね、君は。」

 

八幡「良いカモ扱いされてるだけだろ。」

 

ルドルフ「ならば今日は早く帰って英気を養うと良い。今日の疲れが残っていては、明日に支障が出る。君が使うかどうかは別だが、私は仮眠の時にコレを使っている。良ければ君も使ってみると良い。

 

八幡「………お前ってもしかして神?」

 

ルドルフ「残念ながらウマ娘だよ。」

 

 

ーーー学園校門前ーーー

 

 

八幡「ルドルフからホットアイマスク貰ったし、今日は飯食ったらすぐ寝るか。」

 

???「ついてく…ついてく…」

 

 

 

ーーー学園トレーナー寮ーーー

 

 

八幡「ふぅ、着いた………」

 

???「ついてく…ついてく…」

 

八幡「………ライス?いつまで着いてくる気なんだ?」

 

ライス「ひゃあ!?お、お兄様、気付いてたのっ!?」

 

八幡「あぁ、最初から。」

 

ライス「あうぅ〜……隠れながらついてってたのに。お兄様って凄いね。」

 

八幡「いや、そんな事ねぇけどさ……それで、何か用か?ついてきたって事は何かあるんだろ?」

 

ライス「えっと……あのね、今日お兄様ちょっと大変そうだったから、ライスプリン作ってきたんだ。疲れた時は甘い物が良いって言うから………」

 

八幡「……わざわざ俺の為に?」

 

ライス「い、要らなかったらいいんだよ?ライスが食べるから「いや貰う。全部貰いたい。」ふぇ?そ、そうなの?」

 

八幡「いや全部貰いたいのは本当だけどよ、何個までなら良いんだ?」

 

ライス「お兄様の為に作ったから全部あげるよ!」

 

八幡「良い子だ、この子すんごく良い子だ………」

 

ライス「?お兄様、どうかしたの?」

 

八幡「いや、何でもない。じゃあありがたく貰うわ。ありがとな。」

 

ライス「ううん、どういたしまして♪」

 

 

神様、最後に俺に優しくしてくれてありがとう………

 

 

 

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