比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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深窓のお嬢様とお出かけ

 

 

八幡side

 

 

天皇賞・春を無事に走り終え、1着というこれ以上無い結果で締めくくる事が出来た。そして翌日、今日はレースに加えて京都への遠征もあったので休みにしている。明日にはまたトレーニングだが次はアルダンのNHKマイルCが控えている。1,600mのマイル戦だが、アルダンなら結果を残してくれるだろう。そんでシービーが香港に向けての準備だ。1週間前には現地入りをさせたいから今から本番に向けての準備をしているところだ。

 

 

八幡「5月に入って目まぐるしくなってきたな……」

 

アルダン「兄様、どうかされたのですか?」

 

八幡「ん?あぁいや、何でも……」

 

アルダン「そうですか?ふふふっ、では行きましょう♪」

 

 

因みに今はアルダンとお出かけをしている。学園の授業が終わってからでも構わないという申し出だったので、こうして放課後に街を散策している最中だ。

 

 

アルダン「まぁ!見てください兄様!このチラシによれば、これから特売があるそうですよ!」

 

八幡「みたいだな。けどこの前買い物したばかりだから、今は必要な無いな。アルダンは欲しい物は無いのか?」

 

アルダン「そうですね……あっ、兄様が欲しいです。」

 

八幡「いや、俺は物じゃないから却下です。」

 

アルダン「ふふ、冗談です♪では、蹄鉄のお店を見ても良いでしょうか?」

 

八幡「あぁ、良いぞ。」

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

アルダン「……やっぱりとても新鮮です、こうしてお話をしながら街を歩くのは。」

 

八幡「そうなのか?何の変哲も無い日常だと思うが?」

 

アルダン「兄様はご存知でしょう?私の脚があまり強くない事を。その影響で幼少期から体調を崩す事が多かったので、友人同士で帰り道を共にするというのがあまり無かったものですから。」

 

八幡「そうか……俺もそうだったなぁ~。」

 

アルダン「えっ、兄様も学生の頃は身体が弱かったのですか!?」

 

八幡「あぁいやそういう意味じゃない。俺の場合はぼっちだからってのが理由だな。ほら、俺ってこんな目だろ?だから同世代の連中からは避けられたり、気味悪がられたりする事が当たり前でな。誰かと帰った記憶なんてそれこそ皆無だ。まぁ小学高学年になってからはそれが当たり前だったから苦しくもなかったけどな。」

 

アルダン「………」

 

八幡「全ての学生時代でこの目の事は色々と言われてきたな……まぁ此処でも最初は言われたが、今ではそれも殆ど無い。良い生徒ばかりだからな。」

 

アルダン「兄様、私は兄様の目が気味が悪いとは思いません。私達ウマ娘の事を第一に考え、何が最善かを瞬時に見抜き、最良の選択を与えてくださる優れた目だと思っています。それに、その方達には分からなかったのでしょう、兄様の瞳の奥に秘めている優しさが。」

 

八幡「俺が優しいとでも?」

 

アルダン「えぇ。そうでなければ担当以外のウマ娘を気にかけるなんて事はしないと思います。兄様はとてもお優しい方です。」

 

八幡「……あまり信じられんな。俺はライスの現役を続行させた張本人でもあるんだぞ?引退しなければならない程の大怪我で現役を続けたんだぞ、残酷な奴だとは思わないのか?」

 

アルダン「いいえ、思いません。きっと兄様は最初、引退を決めていたと思います。ですがライスさんが現役続行を願った……違いますか?」

 

 

見透かされてるようだ……ウチの妹達はどうしてこう鋭いんだか。

 

 

八幡「正解だ。確かに最初は引退を決めていたが、ライスとライスの両親に懇願されてな……止めにプロフェッサーからの進言だ、俺に逃げ道は無かったよ。まぁでも、今はこうして走る事が出来てる。それは本当に良かったって思ってる。」

 

アルダン「兄様………」

 

八幡「……なぁアルダン、正直に言ってもいいか?」

 

アルダン「は、はい、何でしょうか?」

 

八幡「次のNHKマイルC、もし良い成績だったら日本ダービーに行きたいと思ってるんだ。」

 

アルダン「っ!日本ダービー………」

 

八幡「お前はどうしたい?」

 

アルダン「……兄様は勝てる算段がおありなのですか?」

 

八幡「そんなものは無い。だが、勝ちに近付けさせるのが俺達トレーナーだ。レースになったらお前達次第だ。お前の同期のチヨノオーやヤエノも出走を決めている、出走するとなればきっと最大のライバルになるだろう。」

 

アルダン「………」

 

八幡「まぁ、今すぐ決めなくても良い。まだ時間はあるしな。はぁ……空気重たくしちまったな、悪い。」

 

アルダン「いえ、何とも思っていませんので。」

 

八幡「話戻そうか、何の話してたっけ?」

 

アルダン「兄様が優しいという話でした。」

 

八幡「……よし、そろそろ学園に「お待ちください。」な、何?」

 

アルダン「まだ時間はあります。もっと兄様と一緒に居たいです……」ギュッ!

 

八幡「……分かったよ。ただし、門限までには戻るからな。」

 

アルダン「はいっ♪」

 

八幡「んで、他に何処か行きたい場所ってあるのか?」

 

アルダン「では、兄様のご自宅にっ!」

 

八幡「……何故希望を聞いたら真っ先に俺が出てくる?」

 

アルダン「兄様と一緒に居る時間が大切なんですよ?はぐれてしまっては本末転倒です。」

 

八幡「そういうもんなのか?」

 

アルダン「そういうものです♪」ダキッ!

 

八幡「そうですか……まぁお前はウチのチームの中ではライスと同じくらい良識人だ、偶には我が儘を聞いてやろう。」

 

アルダン「ありがとうございます!」

 

 

家の前にシービーとラモーヌが居ない事を祈っておくか。

 

 

 




日本ダービー、どうするんでしょうね~?
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