エアグルーヴside
エアグルーヴ「ではお母様、お世話になりました。」
ダイナ「ホント、楽しい時間っていうのはあっという間ね。もう帰っちゃうなんて………」
実家に来てから3日が経ち、もうトレセン学園へと帰る日となった。心身共にリラックスする時間が取れたと共に、これからの自分に喝を入れられた期間でもあった。そして今はプラットホームにいる。電車は停まっていて、東京行きのはもうすぐ出る時刻だ。
エアグルーヴ「ご心配なさらずとも、電話やメールでもやり取りは出来ます。」
ダイナ「はぁ〜……分かってないわね、アンタは。こういうのは直接顔を会わせるから良いんじゃないの。画面越しの挨拶だけなんて寂しいじゃない。」
エアグルーヴ「は、はぁ………」
ダイナ「まぁそれよりも……いい?トレーナーさんと上手くやるのよ?別に仲良くしろとは言わないから、ね?」
エアグルーヴ「……はい。」
私が実家に着いたその日にトレーナーの事でお母様からお叱りを受けた。自身の未熟さを故に起きた事だ、甘んじて受けようと思っている。
ダイナ「……うん、来た時よりも少しはマシな顔になってるわ。それじゃあクラシッククラス、頑張んなさいよ。トリプルティアラ路線はアンタが頭1つ飛び抜けてるけど、いつ刺されるか分からないから、準備は念入りにしなさい。」
エアグルーヴ「はい、お母様。」
放送『ドアが閉まります、ご注意ください。』
ダイナ「それじゃあね、頑張んなよ!」
エアグルーヴ「はい、見ていてください、お母様!」
電車が出ると同時に、私はお母様に暫しの別れを告げた。次に帰って来た時には、胸を張って帰って来れるようにしたいものだ。
念の為だ、奴にも知らせておこう。意外な事にこの電車には私以外の利用者は居ない。マナーは悪いが、一時的に許してもらおう。
prrr…prrrっ!
八幡『もしもし、エアグルーヴか?』
エアグルーヴ「あぁ、私だ。3日ぶりだ。」
八幡『まだ会ってないけどな。それで、何か用か?』
エアグルーヴ「故郷を立った。昼過ぎにはそちらに着く。その連絡をしようと思っただけだ。」
八幡『そうか………迎えは必要か?』
エアグルーヴ「いや、大丈夫だ。それよりも貴様は今どうしている?」
八幡『俺?今は部室で備品チェックしてる。まぁ使ってるのは俺とお前の2人だからそんなに消費無いから今のところは問題無いけどな。』
エアグルーヴ「……そうか。」
八幡『んじゃまた学園でな。』
エアグルーヴ「あぁ。」
………まぁ電話でのやり取りだ、このくらいでいいだろう。それに今は電車の中だ、私の他に利用者は居ないが、長時間の通話は本来控えるべき事だ。今ので良いだろう。
エアグルーヴ「さて、明日からはまたトレーニングの日々が始まる。気を抜いてはおれん、トライアルレースに向けて私自身も調整していかねばな。」
エアグルーヴside
八幡side
どうも皆さん、昨日はやたらと学園に残っているウマ娘達に絡まれていた比企谷八幡です。今は備品管理をしている最中だが、それももう終わる。結論から言うと異常や少なくなっている物品は無い。また明日からはトレーニング三昧の日々が始まる。エアグルーヴにとって此処からが本番だ。
クラシッククラスは1番の晴れ舞台と言ってもいい。その晴れ舞台でエアグルーヴをより輝かせる為にも、俺が全力のサポートをしてやる必要がある。ジュニアではそれが上手く出来ていたのだと思っている。だがこれからは油断の許されない1年だ、締めてかかろう。
八幡「よし、全項目のチェック終了。次は下旬か月末辺りにするか。」
シービー「終わった?じゃあトレーニングに「行かねぇからな?」ぶぅ〜良いじゃ〜ん!!アタシは八幡に走りを見てもらいたいの〜!!」
八幡「あのねぇ?スルーしてたけどさ、お前何で此処に居るの?此処は俺とエアグルーヴの部室なんだけど?言っちゃあアレだがお前部外者なわけ。丁重にもてなす気とか全く無いから出てくんない?」
シービー「八幡がアタシのトレーニング見てくれるのなら出ても良いよ♪」
ダメだこの子、全然出る気無いやん。
八幡「はぁ……もういいや。居てもいいが物をイジったりするなよ?場所とか決めてあるんだから。」
シービー「八幡は何かするの?」
八幡「仕事。」
シービー「アタシのトレーニングは?」
八幡「お散歩してきなさい。」
シービー「ケチッ!!」
ケチで結構。俺はエアグルーヴの担当だから、それ以外のトレーニングを見る気はねぇの。1人見たらまた1人と増えてくんだからよ。
………それよりもさ、本当に疑問だ。
八幡「あのさ、1つマジレスしていいか?」
シービー「ん~?」
八幡「何でお前、俺に構ってくんの?」
シービー「え、今更聞く?」
八幡「あぁ、なんか気になった。それに動機とかって一切聞いてなかったなぁって。」
シービー「別にこれといって理由は無いけど、強いて言うなら八幡と一緒に居たら楽しいからかなぁ〜。」
八幡「俺と一緒に居るのが楽しいって……どっかの感覚少しおかしいんじゃないのか?」
シービー「それ言ってて惨めにならないの?」
八幡「少しだけなる。」
シービー「……やめなよ、そういうのは。」
八幡「そうするわ。」
質問には答えてもらってねぇけど、なんか………同情してくれたのか、心が軽くなった気がする。もう少しシービーに優しくしてみるか?