比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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先輩2 ②

 

 

八幡side

 

 

ルドルフ「そうか、では私はこのまま有マ記念に向けて調整を行うよ。シービーにはまた香港で頑張ってもらわないとね。」

 

八幡「また駄々捏ねられるかもしれないが、その時は着いて行ってやるのも検討しないとな。5月の香港では1人で行かせちまったからな。」

 

ルドルフ「はははっ、シービーなら大丈夫だと思うんだけどね。」

 

八幡「俺もそう思うんだけどなぁ……」

 

 

秋レースもいよいよ大詰めになって来た頃、俺はルドルフと一緒に廊下を歩いていた。今日はトレーニングが休みの日曜日なのだが、ルドルフは今日も今日とて生徒会の仕事でさっきまで生徒会室で缶詰めにされていたらしい。んでたまたま遭遇して、トレーナー室に行こうという話になったのだ。

 

 

ルドルフ「しかし、もうすっかり寒くなったな。この間のジャパンCを最後に11月のレースは終わって、残されたレースは僅か……感慨に耽ってしまうよ。」

 

八幡「また新しい年に入るんだから問題ねぇよ。それに俺も「どういう事ですか!?」っ!?な、何だ?」

 

ルドルフ「………此処から聞こえたが、一体何が起きているのだろう?」

 

八幡「………聞き耳立てるか?」

 

ルドルフ「あまりこういう事はしたくはないが、聞くだけ聞いてみよう。」

 

 

八幡sideout

 

カンパニーside

 

 

カンパニー「トレーナーを辞めるってどういう事ですか!?トレーナーさんっ!!」

 

先輩2「………」

 

 

今日私はトレーナーさんに呼ばれてこのトレーナー室に来ました。きっと次のレースの事で相談されると思っていました。ですが私の予想は外れたばかりか、予想外の言葉が飛んできました。

 

 

先輩2『カンパニー、俺は今年でトレーナーを退職する事にした。お前のトゥインクルシリーズもついこの間のマイルCSで終わった……だから俺も潮時だ。前々から決めていた事なんだ。』

 

 

その言葉を聞いて、私は思わず大声を上げてしまいました。ですがそれが気にならないくらい、私は今トレーナーさんの次の言葉を待っていました。

 

 

先輩2「なぁカンパニー、お前も疑問に思っていたよな?俺がついこの前までスカウトしてたのに、途端にやめただけでなくお前に注力した事を。」

 

カンパニー「……はい。」

 

先輩2「それはな、比企谷との約束なんだよ。」

 

カンパニー「………比企谷トレーナー?」

 

先輩2「あぁ。去年の6月辺り、俺は比企谷にこれまで突っ掛かった事を謝った。それと同時にトレーナーを退職しようとも考えていた。けどその時に比企谷から言われたんだよ、『残った担当の為に全力を注げ。』ってな。それからはお前が感じた通りだ。メニューも一新してお前が活躍出来るように全力で取り組んだ。だから他のウマ娘の逆スカウトがあっても断ってたんだ。俺自身、お前が最後の担当って決めてたんだ。」

 

カンパニー「………」

 

先輩2「そしたらどうだ?メニューを変えてからは去年の宝塚記念の8着以外は全部入着してる。それだけじゃない、特に今年の秋に至っては毎日王冠から天皇賞とマイルCSを勝ったんだぞ!GⅠを勝てたんだ!俺はもう充分だ、お前がこうやってGⅠを獲ってくれただけでもう満足なんだ。それにトゥインクルシリーズを引退するって言ったのはお前だろ?だから俺もトレーナーを辞めるって言ったんだ。これ以上はもう何も無いぞ。」

 

 

八幡(……本気で辞めるつもりなのか?今のこの人ならまだまだ可能性はあるってのに。)

 

 

カンパニー「………トレーナーさん、天皇賞を走る前での話を覚えてますか?トレーナーさんが私にどうして残ってくれたのかと聞いたのを。」

 

先輩2「……あぁ覚えてる。秘密って言ってたから俺はそれから触れないようにしようって思ってた。けどそれがどうした?」

 

カンパニー「私がトレーナーさんの担当でい続けた理由、それは………マイディーちゃんから貴方の事を聞かされていたからです!」

 

先輩2「っ!!?ど、どうしてマイディーの事を!?」

 

カンパニー「マイディーちゃんは私の友人です。私にとって妹のような存在でした……あの子がレースに出る度に私はテレビをつけてレースを見ていました。マイディーちゃんがトレセン学園を引退したと聞いて私は急いでマイディーちゃんの所に行きました。その後も私は何度もあの子の所に行きましたが、ある時トレーナーさんの話をしてくれたんです。」

 

先輩2「っ……」

 

カンパニー「その時マイディーちゃん言ってました。『きっとトレーナーさんは凄く自分を責めてる。』って。『本当は続けたかったけど、この脚じゃ枷にしかならないから。』って辛そうにしてました。だから私はマイディーちゃんの分もトレーナーの元で走ろうって決めたんです!どんなに辛くて苦しくても、マイディーちゃんの分まで私が走るって決めてたから!だから私は貴方の元で走り続けましたっ!!」

 

先輩2「………マイディーが、そんな事を……」

 

カンパニー「なのでトレーナーさん、お願いです!マイディーちゃんの為にも、まだトレーナーを続けてください!きっとあの子もそれを望んでいる筈です!!今でもあの子と連絡を取り合ってるんですけど、トレーナーさんの事を話すと嬉しそうにするんです……私が活躍しているのもあると思いますけど、この前の表彰式でトレーナーさんも写ってくれたからだと思うんです。なので、お願いしますトレーナーさん……トレーナーを続けてくださいっ!!」

 

 

八幡(そうか……カンパニーが最後までこの人の担当を続けていたのはこういう事だったのか。先輩2が新人の頃に担当していた子がカンパニーにトレーナーの事を教えていたのか。けど、先輩2はどうするんだ?)

 

 

 




今回の競走馬紹介、名前はマイディーことアドマイヤディープ。

内容で分かると思いますが、この競走馬はレース途中で故障してしまって予後不良という形で亡くなっています。

生きていたらきっと重賞・GⅠに出走出来るレベルの馬だと感じています。
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