八幡side
エアグルーヴとのあらぬ誤解が解けて解放された俺は、晩飯を食った後に部屋でレポートを書いていた。本当なら3人分ので済むところを俺は5人分だから1枚では収まり切らないから2枚貰っている。なぁんか俺に一緒にレポートを書かないかとか言ってきたトレーナー科の輩が居たんだが、盗まれそうで怖いからお断りしておいた。
でもトレーナー科の寮室はある意味贅沢だ、レース科や整備科を選択した生徒は必ず相部屋なのだが、トレーナー科は希望があれば1人部屋にする事が可能なのだ。これは先輩に聞いた話だが、資料だとか物が嵩張るからという理由から来てるらしい。現に俺も少し物が多くなってるしな。
八幡「………」カキカキ
♪〜♪〜♪~
八幡「ん?電話?相手は……ラモーヌ先輩?」
どうしよう、出るか出ないか……いや、待たせるのもアレだ、出るしかない。
八幡「もしもし、比企谷です。」
ラモーヌ『……及第点ね。』
八幡「ワンコールで出られなかったのは謝りますよ。それで、何か用ですか?」
ラモーヌ『えぇ。今、時間はおあり?』
八幡「……まぁ、レポートも一区切りついたので少しなら。」
ラモーヌ「そう……じゃあルドルフと待ってるわ。」
………は?嘘だろ、この時間に呼び出し?
八幡「……はぁ、俺の1日はまだ終わってなかったってわけね。はいはい行きますよ。」
ーーー栗東寮・玄関ーーー
八幡「フジ〜、居るか?」
フジ「おや、どうしたんだい八幡君?」
八幡「少し出かける。もしかしたら門限オーバーになるかもしれないからその時は鍵だけ開けといてくれないか?俺が閉めるから。」
フジ「門限を破ると聞いてわけを聞かないわけには行かないね……どうしたんだい?」
八幡「呼び出しだよ、生徒会長と【メジロの至宝】から。何すんのかは知らん。」
フジ「成る程……あんまり行ってほしくはないけど、分かったよ。」
八幡「悪いな。」
会長とラモーヌ先輩が待ってるとしたら……いや、まぁあそこしか無いよな。
ーーー生徒会室ーーー
コンコンコンッ
ルドルフ『どうぞ。』
八幡「失礼します……」
ルドルフ「やぁ八幡君、突然呼び出してしまって済まなかったね。」
八幡「いえ、俺も聞いた事ありますから。ラモーヌ先輩が電話1本で会長を呼び出したというのは。」
ラモーヌ「あら?まるで私が怖い人みたいな言い方……もしかして、そう思っているのかしら?」
八幡「思ってはいませんよ、最初の頃よりかは。」
ラモーヌ「最初はそう思っていたのね?それと今も。」
八幡「まぁ少なからずは……」
ラモーヌ「それはどうして?」
八幡「走ってる最中に笑ってるから。」
ラモーヌ「……はぁ、つまらない。」
ルドルフ「まぁまぁ。八幡君もかけてくれ。立ちっぱなしじゃあ疲れるだろう。今日は君に少なからず迷惑をかけてしまったからね。」
そう思うんでしたらあの場で引いてくださいよ……何で誰も引かなかったんですか?俺の提案も却下するしで結局5人で実習だったし。
ルドルフ「さぁ、乾杯しようじゃないか。」
ラモーヌ「悪く無いわね、こういうのも。」
八幡「……あの、ちょっと俺向こうに「ダメよ、そんな無粋な事をしちゃ。」………」
ルドルフ「そうだぞ八幡君、もっと肩の力を抜くといい。今は無礼講なのだからね。」
八幡「力の抜けない原因が両隣に居るんですけど?」
ラモーヌ「あら?私は今走っていなくてよ?それとも、私の笑顔が怖いのかしら?」ニコッ
八幡「いや、そういうわけじゃ……」
ルドルフ「ラモーヌ、あまり威圧してはならないよ?どうも我々は周りを居るだけで萎縮させてしまうらしいからね。」
八幡「あの……何で向かいに行かないんですか?」
ルドルフ「ん?狭かったかな?」
八幡「そうじゃないんですけど……何でかなって。」
ルドルフ「深い意味は無いさ。強いて言うならば、君とはもう少し砕けた仲になりたいと思っていてね。シービーが言っていただろう?敬語と呼び捨てにしてほしいと。そのくらいの仲にはなりたいと思ってるんだ。」
ラモーヌ「貴方に敬語で呼ばれるのは少し違和感があるわ。だから普通に話してちょうだい。」
八幡「それは……2人に対してエアグルーヴやアルダンのように話せって事ですか?」
ルドルフ「端的に言えばそうなる。」
2人に対して普通に………
八幡「こういう感じになるけど、これでいいのか?」
ルドルフ「あぁ、とても良い感じだ。」
ラモーヌ「もう少し砕けた感じにならないかしら?例えば……貴方のお気に入りの後輩に接している時のように。」
八幡「いや、それはちょっと無理ですね。そんな風に出来たら勇者ですよ。」
ラモーヌ「口調が戻っているわ、気を付けなさい。」
八幡「……ラモーヌにもこうしろと?」
ラモーヌ「えぇそうよ。ルドルフだけ特別扱いなんてさせないわ。これでも貴方には目をかけているのよ?けれど……ふふふっ、シービーが駄々を捏ねる姿が目に浮かぶわね。おかしいと思わない、八幡?」
ルドルフ「確かに八幡君が我々の事を普通に呼んでいるのをシービーが見たら、詰め寄って来そうだ。」
八幡「笑い事じゃないですよ……」
ル・ラ「口調。」
八幡「……初日なんですから大目に見てくださいよ。無理ですっていきなりなんて。」
ルドルフ「では慣れるまで特訓と行こうか。」
ラモーヌ「そうね……夜は長いものね。」
八幡「あの、門限とかは……」
ラモーヌ「私がそんな事、気にすると思って?」
ルドルフ「大丈夫さ、寮のスペアキーなら持っている。心行くまで特訓しようじゃないか。」
………俺の意思は無関係なんですね。
八幡が2人を呼び捨てにしてるのをシービーに目撃されたら、絶対あたしもって言いに来そうですねww