八幡side
ルドルフとの初日トレーニングを終えた。今日は適性を見るだけだったからそんなにトレーニングをしていない。少しだけ全力で走ってもらった程度だ。まず短距離はダメで、マイルはGⅠは無理でも重賞なら多少って感じだ。その分、中長距離は申し分無いレベルだ。ジュニアクラスでは少しだけ苦労するかもしれないから、レースを選ぶ必要がありそうだな。
けど、デビュー戦は敢えて短距離にするか。力勝負をさせてやりたい。そうだな………新潟1,000mが良いかもな。直線だし、ルドルフの能力を確かめられるだろうしな。
八幡「よし、デビュー戦の内容は決めた。後は時期だな、7月の最終週が良いな……」
約3ヶ月でルドルフを仕上げなければならないという事になる。中途半端な仕上がりでは多分勝てない、だから周りがあっと言わせられるようなすげぇ仕上がりをしないとだな。
八幡sideout
ルドルフside
ーーー数時間後・生徒会室ーーー
エアグルーヴ「では、本日のトレーニングは会長の適性を確かめる為だったと?」
ルドルフ「あぁ、明日からは本格的なトレーニングを始めると言っていたよ。どんなトレーニングになるか楽しみだよ。」
エアグルーヴ「しかしあのトレーナー、本当に見ただけで適性を分かっていたのですか?」
ルドルフ「私も少し不安に思っていだが、それは杞憂だったよ。トレーニング後に比企谷君の記入していたボードを見せてもらったのだが、殴り書きとはいえいくつも書かれていた。」
エアグルーヴ「そうでしたか。」
ルドルフ「これからが益々楽しみになってくるよ。」
彼も私もこの学園内では注目を集めやすい。だが我々も1から始まったばかりの新参者……点滴穿石の如く力を付けていく他は無い。私の新たな目標、無敗の3冠は大き過ぎる程の目標だ。身の丈に合わないと思う者も居るだろう、だがそれらを全て跳ね除ける程の実力を身に付けていく必要がある。1日のトレーニングで多くのものを学ぶ必要もある。
ルドルフ「今日のトレーニングもそうだった。」ボソッ
エアグルーヴ「?何か仰いましたか?」
ルドルフ「いや、何でもないさ。さっ、早く業務を進めてしまおうか。」
エアグルーヴ「はい、分かりました。しかしブライアンめ、また業務を放り出しおって……」
ルドルフ「ははは……まぁ彼女の分は置いておこう。少しだけ「会長、やる必要はありません。それにトレーニング後でもあるのですからお疲れの筈です。自分の仕事は自分でやらせるべきです。」君も相変わらず手厳しいな……」
エアグルーヴ「寧ろ会長が甘過ぎるのです。ブライアンにしろテイオーにしろ、もう少し厳しくするべきです、このままでは周りに示しがつきません!」
ルドルフ「……善処しよう。」
エアグルーヴ「それはしない人が言う台詞です。」
ーーー数時間後ーーー
ルドルフ「少し長引いてしまったな……しかし許容範囲だ。今日は早く就寝して明日に備えるとしよう。」
シリウス「ようルドルフ、こんな時間まで生徒会のお仕事か?」
ルドルフ「シリウスか、そんなところだ。ところで、私に何か用かな?」
シリウス「別に?小耳に挟んだんだが、お前新人トレーナーの担当になったんだってな?」
ルドルフ「その通りだが?」
シリウス「何で実績のあるトレーナーにつかなかったんだ?別にお前の担当に興味はねぇが、仮にも【皇帝】と呼ばれてるお前が新人と組む理由が分からねぇ。どういうつもりだ?」
ルドルフ「……彼が私の理想を理解し、共に歩んでくれる覚悟を決めてくれたからだ。それに彼は私に新たな道も示してくれた。」
シリウス「へぇ……その道ってのは?」
ルドルフ「それを言うつもりは無い。それに、これを言ってもまだ絵空事にしかならない。ならば、その道の欠片が見え始めた頃に言うとするさ。」
シリウス「………」
ルドルフ「他にまだ何かあるかな?」
シリウス「……シラけたぜ、もういい。」テクテク
そう、これはまだ絵空事……実現する為にはまだ力が足りない。言ったところでバカにされるだけだ。それには私自身が強くなる以外に方法は無い。まずはデビュー戦で結果を出して、次に繋がるレースをしたい。
八幡「ルドルフ、お前も今から帰りか?」
ルドルフ「っ!比企谷君、君もかい?」
八幡「あぁ、やっとメニューを組めたからな。」
ルドルフ「明日のメニューにそこまで時間を掛けたのかい?」
八幡「いや、1ヶ月分だが?」
ルドルフ「ひ、一月分!?」
八幡「あぁ。デビュー戦も一応決めたからそれに向けてな。本当ならお前に相談するところだが、明日のトレーニングに話すとしよう。それでもいいか?」
ルドルフ「あぁ、構わないよ。ときに比企谷君、改めて聞く事になるが、私の理想をどう思う?」
八幡「……正直、夢でも見なければそんな理想を掲げる事は無い、と思ってる。」
ルドルフ「………」
八幡「だが真剣な目と顔をしている奴の理想をバカにするつもりは無い。それに、誰かの夢や理想を軽蔑してやろうなんて思う気にもならん。掲げるものは人それぞれ、千差万別だ。それに人の見た目でもそうだが、夢をバカにするのは下らない奴のする事だ。」
ルドルフ「……その言葉を聞けてとても嬉しく思うよ。しかし、まさかこんな形で口説かれるとはね。」
八幡「もっとマシな口説き方の方が良かったか?」
ルドルフ「いいや、とても良かったよ。ありがとう比企谷君。」
良き担当とトレーナーって感じでしたね。