八幡side
八幡「初めてくる場所だが、お前が居てくれて良かったわ。ホントありがとな。」
ルドルフ「礼には及ばないさ。私も各レース場で生徒達の走りを見る機会が多い、それの影響で道順を覚えてしまっただけだからね。」
八幡「けど、今回は見る側じゃなくて走る側だ。今日の新潟3レース、芝の1,000m……直線だ。」
ルドルフ「きっと皆は驚くだろうね。」
八幡「絶対それだけじゃねぇよ、今俺がやらせてるメニューはお前でないときっと出来ないからな。」
ルドルフ「ふふっ、もしインタビューで聞かれた際にはそれも答えるとしよう。」
八幡「俺が答えられない時は頼むぞ。」
ルドルフ「君が答えられないと私も困るんだけどね。1つの冗談として受け取るよ。」
今日は待ちに待ったルドルフのデビュー戦の日だ。何だか地方にしては賑わい過ぎてないかと思ってルドルフに聞いてみたら、明らかに人数が多いそうだ。いや多過ぎるくらいだって言ってた。多分アレだな、ルドルフのデビュー戦を見ようと新潟まで来たんだろうな。それ以外他に理由が無い。
「シンボリルドルフ、1,000mで大丈夫なのか?」
「そこだよなぁ……シンボリルドルフは明らかに中距離型のウマ娘、何で1,000mのレースを選んだのか、トレーナーの意図が分からない。」
「ここで負けたらトレーナーの責任じゃね?」
「まぁ、間違い無くそう言えるだろうな。」
言いたい放題言ってくれるな、全く。まぁそれが普通の反応だろう。俺もルドルフの適性は誰よりも知ってるつもりだ。だからこそ短距離を選んだ。
八幡「ルドルフ、行ってこい。」
ルドルフ「あぁ、行ってくるよ比企谷君。皇帝の走り、解禁だっ!」
実況『3レース注目の1番人気、6番、シンボリルドルフです。』
解説『良い仕上がりですね、堂々としていて気合いも乗っています。良い走りが期待出来そうですが、距離が不安なところですね。彼女の得意距離ではないので、上手く走れるかが問題ですね。』
やっぱ距離の問題は突っつかれるよな……周りもそれに対する声が多い。けど見てろよ、その不安なんて一気に吹っ飛ぶくらいの走りをするからよ。
八幡sideout
ルドルフside
ーーー地下バ道ーーー
………よし、では行こう!
???「おい。」
ルドルフ「っ!シリウス、来ていたのか。」
シリウス「来る気なんて最初は無かった。だがお前の走りがどんなのか気になっただけだ。」
ルドルフ「そうか。」
シリウス「……無様なレース晒すんじゃねぇぞ。」
ルドルフ「っ!「仮にもシンボリのウマ娘、そんな奴が適性のねぇレースであっても変なレース、すんなって事だ。お前の心配してるわけじゃねぇ。」……ふふっ、ありがたく受け取っておくよ。ありがとうシリウス。」
シリウス「………」スタスタ
ーーー数十分後・コース場ーーー
実況『新潟第3レースのメイクデビュー戦、芝1,000mの直線勝負がまもなく発走です。このレースの為に新潟レース場は大いに賑わっています。それもその筈、6枠6番シンボリルドルフがいよいよデビュー!その走りがどんなものなのか、今から期待が高まります!各ウマ娘、枠入りが順調に進んでいます。』
解説『このレース圧倒的1番人気ですからね、期待してしまいますね。』
実況『さぁ各ウマ娘が揃いました、体勢完了です新潟第3レース、メイクデビューです!!』
ガッコンッ!!
実況『スタートしました!揃ったスタートを切りました!先ずは先頭争い、どのウマ娘がハナを切るのか!?ヘイアンローズがグングン行きました!一気に先頭!少し離れた位置にブロークンヒルとタカノビジャン、シンボリルドルフは4番手の位置でレースを進めています。さぁここからどのような展開を見せてくれるのでしょうか!?』
このレースは直線のみ、つまりコーナーが無い為に駆け引きは一瞬で終わる。本当の意味でスピードが試される。比企谷君、君も人が悪い……最初からこんな試練を与えるとはね。だが、その方が面白いっ!!
実況『残り600mの標識を過ぎたところで1人、違う脚色で動き出した!6番のシンボリルドルフが動き出した!!』
「え、このタイミングで!?」
「おいおい早過ぎるだろ、まだ600もあるんだぞ!?」
「流石にこれは潰れたな……」
実況『1人上がって行くシンボリルドルフ、さぁ残り400m!各ウマ娘も追い込み態勢に入りました!!しかし先頭はシンボリルドルフ!差をみるみる引き離して行く!!後ろからはどうだっ!?誰が差を縮めるのかっ!?』
八幡「よし、行けっ。」
ここだな、ここで更に……ギアを上げる!!
ズサァッ!!!
実況『な、何とシンボリルドルフ!!ここに来て更にスピードを上げたっ!!まだ本気じゃなかった!!本気じゃない走りであの速さ、信じられないっ!!』
「何、あの走り………」
「嘘だろ……」
「夢でも見てんのか俺?あんなのヤバ過ぎるだろ。」
実況『強過ぎるっ!!1,000mでこの着差!!シンボリルドルフ圧勝、完勝で今ゴールイン!!!強過ぎる!!信じられないような走りで、このメイクデビューを制しました!!53.1秒はレコードの記録!!1,000mの日本レコードを更新!!』
八幡(会場からは声1つも聞こえない……デビュー戦でこんな走りをしたんだ、声も出ない気持ちも分かる。)
ルドルフ「……これ程とは。こんなにも成長していたのか、私は………走りたい、もっと走りたい!」
ルドルフ、デビュー戦で会場を白けさせる程の走りを披露。