比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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拒絶

 

 

ルドルフside

 

 

8月が終わって9月へと入った。夏合宿が終了し、参加した生徒達は心身共に逞しくなったと感じる。無論、学園に残った私もトレーニングを怠っていたわけではない。次走のサウジアラビアRCに向けてのトレーニングに加えて、スタミナトレーニングも始めたので、より内容が濃密になったと感じている。これから先10月になればGⅠシーズンが再開される、少しでも多くのチャンスをものにしてほしいと心からそう思っている。その姿を見ていると私も負けていられないと、粉骨砕身の限りトレーニングに励んでいる。

 

………のだが、最近は少し困った事が起きている。それは……

 

 

テイオー「ねぇねぇいいデショ~!ボクもカイチョーみたいに強くなりたいのっ!だからトレーニング見てヨ~!」

 

八幡「だからダメだ。合宿に帰ってきてからずっとその調子だなお前も、少ししつこいぞ?それにお前はスピカの、沖野さんのチームに入ったんだからそっちで見てもらえ。」

 

テイオー「だってだってぇ~!!あんな走りを見せられたら教わりたくなっちゃうんだもぉ~んっ!!」

 

 

合宿から帰ってきたテイオーが見ての通り、比企谷君にトレーニングを見てほしいとせがんでいるのだ。テイオーは既にチーム・スピカに加入していて、謂わば他のトレーナーの担当という事になる。そんなウマ娘のトレーニングを勝手に見るわけにはいかない。テイオーもそのくらい分かっているとは思うのだが、我慢出来なかったのだろう………

 

 

八幡「何度来ても答えは変わらん、俺は他のトレーナーの担当になっているウマ娘のトレーニングを見るつもりはない。」

 

テイオー「なんだヨ~!ケチィ~!!」

 

八幡「ケチで結構です、俺はルドルフのように甘くはないんだ。」

 

テイオー「むむぅ~!!」

 

ルドルフ「こらテイオー、あまり比企谷君の時間を取らせるな。こう見えて彼も忙しいのだぞ、わがままを言うな。」

 

テイオー「だってぇ~ボクカイチョーと一緒にトレーニングしたかったんだもん~!!」

 

八幡「本音はそれか、益々見る気が無くなったな。」

 

テイオー「ワケワカンナイヨ~!!」

 

 

しばらくテイオーはごねていたのだが、押し問答が無駄だと理解して出て行ってしまった。私としては併走相手が出来て喜ばしいのだが、流石に他のチームの子だから相手に選びずらいのだろう。

 

 

八幡「やれやれ、やっと行ったか……沖野さんも止めてくれているらしいが、アレは最早お前と走りたいってだけだろうな。」

 

ルドルフ「済まないね比企谷君、私のところにも来て催促をされているんだ。」

 

八幡「予想つく、お前も大変だな。お前が相手をして、エアグルーヴが叱って、ブライアンが無視するってのがすぐに頭に浮かぶ。」

 

ルドルフ「君はそれ以上にシービーだろ?」

 

八幡「あぁ本当に……テイオーと同じでよく懲りもせず飽きもせずに来られるもんだ。そんなに面白い人間でもないだろ俺。」

 

ルドルフ「シービーには君の何かがハマったのだろう、でなければあんな風にしがみつくように抱き着きはしないさ。見ている私としては少しハラハラする場面でもあるのだけどね。」

 

八幡「……お互い苦労するな、ホント。」

 

 

苦労を分かち合える者ができてくれただけでも、私はとても嬉しいよ。

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「ん?シービーか?どうぞ。」

 

ラモーヌ「失礼。」

 

八幡「……これはまた珍しいお客さんだな。」

 

ルドルフ「ラモーヌ、こんな所へ何か用かな?」

 

ラモーヌ「………」

 

八・ル「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラモーヌ「……今の貴女となら退屈せずに済みそうね。っというわけで併走をお願い出来るかしら、ルドルフ、トレーナーさん?」

 

ルドルフ「っ!」

 

八幡「………」

 

 

彼女自らトレーニングの併走を?疑問は多々あるが彼女の走りはこの学園でも逸脱している。願ってもない提案だが……

 

 

八幡「……1つ、聞いてもいいか?」

 

ラモーヌ「あら、何かしら?」

 

八幡「それは自己満足の為か?それとも己の高みを目指す為か?もし前者が理由ならば断わらせてもらう。」

 

ラモーヌ「……何故、そんな事を聞くのかしら?」

 

八幡「そんなの決まってるだろ。俺達は別にお前を楽しませる為にトレーニングをしてるわけじゃない、ボランティアでもない。もし自分の欲望を満たしたい為の願いなら他所を当たれ。お前の希望を叶えてやる程、こっちも暇じゃないんでな。」

 

ラモーヌ「………どうしても、かしら?」ジィ∼

 

八幡「お前が来る前に騒がしいウマ娘が2人、トレーニングを見てほしいだの構ってくれだのと言われてんだ。それなのにぽっと出のお前の提案を受けてみろ、ボクもあたしもと言われかねないんでな。それらしい口説き文句を考えてから出直してこい。」

 

ラモーヌ「ふぅん……そう。」

 

 

比企谷君も冷静に答えているが、ラモーヌはどう答える?私にとっても彼女は未知数、答えの予想は出来てもその斜め上の答えが出てくる時もある。

 

 

ラモーヌ「分かったわ、今回は諦めるわ。それと……貴方、お名前は?」

 

八幡「覚える気の無い名前を教えても意味が無い、その気になったら教える。」

 

ラモーヌ「ふふふ……そう、分かったわ。次のレース、楽しみにしているわね、ルドルフ。」

 

ルドルフ「……あぁ。」

 

 

こうして比企谷君はシービー、テイオーに続きラモーヌまでも追い払ってしまった。

 

 

 




とびっきりの併走相手だとは思うんですけどねぇ~。
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