比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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調整段階と腕磨き

 

 

八幡side

 

 

はぁ………珍しい奴が来たと思ったら、いきなり併走どうだなんて。結局答えはしなかったがあれは十中八九自己満足の為だろうな。最初の一言で確信した。ルドルフのトレーニングにはなるだろうが、あぁいうのとはあまり併走させたくはない。あんなのが何回も来られたらたまったもんじゃない。

 

 

ルドルフ「比企谷君、どうしてラモーヌの併走を断ったんだい?理由は今言ったと思うが、それだけでは無い気がしてね。」

 

八幡「そうだな……確かに…えっとメジロラモーヌ?となら良いトレーニングが出来たと思うが、自分の為に相手を利用するってのがちょっと癪に障っただけだ。お前も聞いただろ?『今の貴女となら退屈せずに済みそう。』って何だよ、メジロ家で脚の超速いサイボーグ作ってソイツと一緒に併走してろって思っちまったよ。」

 

ルドルフ「あははは、君は愉快な事を思いつくのだな。だが心の中は穏やかではなさそうだね。」

 

八幡「早く居なくなってほしいって思ってた。」

 

 

【メジロの至宝】って呼ばれてるみたいだが、俺には別にどうでもいい。俺の考えだが、貧乏だろうが金持ちだろうがこの学園では一生徒であり皆平等、だから俺は全員平等に接するつもりでいるし、それを変えるつもりは無い。

 

 

ルドルフ「それでは、トレーニングに行こうか?」

 

八幡「あぁ、これ以上時間を無駄にしたくない。」

 

 

ーーーコース場ーーー

 

 

ルドルフ「ふっ…ふっ…ふっ…ふっ!」

 

八幡「………」

 

 

良い調子だ、スピードも前よりも乗って来たし維持出来る距離も長くなった。これなら東京の長い直線でも最後まで脚を使えるだろう。

 

 

八幡「ルドルフ、今日は調整したいから早めに切り上げるぞ。」

 

ルドルフ「あぁ、承知した。」

 

八幡「ダウンしてストレッチしたら部室に戻るぞ。」

 

 

ーーー数十分後・部室ーーー

 

 

ルドルフ「ふぅ……比企谷君の施術は素晴らしいね、身体がとても軽くなったよ。脚もやってもらいたいところなのだが……」

 

八幡「簡単に脚を触らせるんじゃないの。それに大事な脚だ、ケア・メンテナンスとはいえ手軽に触っていいもんでもないだろ。」

 

ルドルフ「君になら構わないのだがね……」

 

八幡「そういう事も言うな、俺じゃなかったら勘違いしてるぞ?」

 

 

ルドルフと担当になって4ヶ月経ったが、最近は少し距離の近さが気になってきた。気にしなかったらそこまでの距離ではないんだろうが、俺は気にするのだ。

 

 

八幡「なぁルドルフ、お前は年内のレースで他に出たいレースってあるのか?」

 

ルドルフ「ふむ、そうだな……これに出たいというのは無いかもしれない。だが、本番の空気を知るという意味でならGⅠレースに出てみたいという気持ちはある。」

 

八幡「そうか、まぁそれならいいんだ。無理に走らせようとかそういうのじゃねぇから。まっ、何かあったら言ってくれ。俺も出来る限りお前の願いは叶えてやりたいから。」

 

ルドルフ「ありがとう比企谷君、ではそろそろ失礼させてもらうよ。」

 

八幡「あぁ、気を付けろよ。」

 

 

……さてと、俺もそろそろ行くか。

 

 

ーーー学園・食堂ーーー

 

 

八幡「さて、やるか。」

 

 

「じゃあトレーナーさん、私達はこれで失礼するけど、使った所の器具の清掃はいつも通りお願いね。」

 

八幡「はい、お疲れ様です。」

 

 

今から俺は料理を作る……当然ながらこの時間にカフェテリアを利用する生徒は居ない。なので俺は今夜自分が食べる料理と、明日の調理スタッフさん達が少しの合間に食べる為の賄い料理を条件に貸してもらっているのだ。因みに評判は結構良い……と思う。トレーナー寮で作る事も考えたのだが、見られながら料理されるのはあまり気分の良いものではない。

 

 

八幡「………」

 

 

あぁ……やっぱ1人ってなんだかんだで落ち着くんだよなぁ~。誰にも邪魔されないから余計にそう思う、今日はシービーとテイオーだけでなくメジロラモーヌも来たから尚更そう思う。

 

 

ーーー1時間後ーーー

 

 

ライス「……あれ?すぅ~……何だろう、すっごく良い匂い♪」

 

 

よし、そろそろだな……おぉ~!

 

 

八幡「よし、出来た。後は付け合わせを盛り付けて……はい、完成。」

 

 

ハンバーグ定食だ。白米、味噌汁、たくあんは残り物だが、それ以外はちゃんとした手作りだ。ふかしたジャガイモにバターを投入したじゃがバター。冷蔵庫の中にあった野菜を適当に取って、チーズと生ハムを入れてからドレッシングをかけたシーザ-サラダ。上手く出来た方だと思いたい。

 

 

八幡「うし、じゃあ冷めない内に食べうわっ!!?」

 

ライス「………」ジィ∼

 

八幡「………ライス?」

 

ライス「ひゃっ!?あっ、お兄様。」

 

八幡「何してんだ?門限まで時間はあるが、学生は帰ってる時間だろ?」

 

ライス「う、うん……ちょっとお腹空き過ぎちゃって。カフェテリアに行ったら何かあるかなって思って来てみたんだ。そうしたらとっても良い匂いがしたから。」

 

八幡「成る程、それで厨房の前まで来たと。」

 

ライス「う、うん………」

 

 

キュルルル∼……

 

 

ライス「あううぅ~……///」

 

八幡「あぁ~……よかったら食べるか?」

 

ライス「え?でもこれってお兄様の、だよね?」

 

八幡「まぁそうなんだけどな、また作ればそれで済む話だ。食べていいぞ、腹減ってんだろ?」

 

ライス「……じ、じゃあライス、せっかくだからいただきます。」

 

八幡「おう、食べてくれ。」

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

八幡「ライス、ほいお代わり。」

 

ライス「わあぁぁ……ありがとうお兄様!」

 

八幡「遠慮すんな、いっぱい食べて元気つけるんだぞ。」

 

ライス「うんっ♪」

 

 

いやぁ……アレはダメだよな。ライスの食べてる時の幸せそうな顔、アレはダメだ。お兄様自分の晩飯がどうでもよくなってライスの晩飯作るのに必死になってんだもん。けど食べてる時のライスの顔がまた良い顔するんだわこれが。食材の事まで口出しされてないから別にいいよなっ!ライスの為だもんなっ!ウマ娘の為にやってんだから許してくれるだろうっ!

 

けど不思議だよなぁ……あんな小柄な体形なのに大食いなんだもんな。マジどこに行ってんだろう?食った飯。

 

 

ライス「♪~お兄様、このハンバーグもとっても美味しいよ♪」

 

八幡「そうかそうか、まだ食えそうか?」

 

ライス「食べられるけど、寮のご飯を食べられなくなっちゃうからこれで最後にするね。」

 

 

いいよな、そんな些細な事気にしなくても。なんか俺も腹一杯だわ。

 

 

 




良いですよね、ライスの為だもん!!!
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