比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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勝利のご褒美と来年に向けて

 

 

八幡side

 

 

適性のあまり無いマイルでこの走り、しかも内ラチ沿いをついて一気に捲ってからの直線一気……ホントたまげたもんだ。結果、後続に7バ身差の圧勝。直線向いた時はまだ同じ位置で先頭争いをしていた筈なのに、ゴールした時にはすげぇ引き離してた。ホント同世代の奴等には同情したくなるな。

 

 

ルドルフ「やぁ比企谷君、見ていてくれたかい?」

 

八幡「しっかりとな……しかし、エゲツない末脚だな。」

 

ルドルフ「何を言う、そんな風にしたのは君だろう?私の脚は更に磨きがかかり、現時点で誰も追いつけないようなものにまでなった。それもこれも君の指導の賜物だと思っているよ。」

 

八幡「それは無い。俺達トレーナーはお前達を勝たせる為に指導している。だがそれを生かすのも殺すのも全てお前達ウマ娘次第だ。半端な気持ちでメニューをこなしていればそれなりの結果しか伴わないし、真剣に取り組めばお前のように顕著に表れる。だから俺達はただサポートしてるだけに過ぎねぇよ。頑張ってるのはお前達なんだからな。」

 

ルドルフ「いいや、私はそうは思わないよ比企谷君。君達トレーナーは昼夜問わず、我々を勝利に導く為に研鑽を重ねている。我々はそれを実践する立場にあるが、君達はそれを安全面や効果を全て把握した上で我々に提供している。故に君達トレーナーの苦労というのは我々が走る数分の為とも言っていいし、その数分の為に何分、何時間、何日も時間を費やしている。私はそれをただのサポートだとは思いたくない。」

 

八幡「……口ではお前に敵わなさそうだな。」

 

ルドルフ「説教みたいになってしまった事は謝るよ。だが私はこれまでのトレーニングを自分が頑張ったからというだけの理由で収めたくないだけさ。」

 

 

そんなまっすぐな目で俺を見るなよ……

 

 

八幡「まっ、インタビューまで時間はあるから控え室で少しゆっくりするか。」

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

ルドルフ「時に比企谷君、約束を覚えているかな?」

 

八幡「今日のGⅠ勝ったらお前の頭を撫でるってアレか?」

 

ルドルフ「あぁその通りだ。私は今日、勝利を勝ち獲った。頼めるかな?」

 

八幡「少しだけだぞ?」

 

ルドルフ「あぁ、お願いするよ。」

 

 

前々から頼まれていた(不本意ながら)頭を撫でるというのをルドルフに行使した……今のところ嫌がる素振りも振り払う素振りも見せないから嫌ではないのだろう。

 

 

ルドルフ(……これがシービーの言っていた【ナデナデ】というヤツなのか。うむ、とても気持ちが良いな。何故だろう、この幸福感を少しでも長く続いてほしいとさえ思ってしまう。)

 

 

八幡「……まっ、こんなもん【ガシッ!】だろ……え?」

 

ルドルフ「少し短過ぎる。出来ればインタビューの5分……いや3分前まで続けてくれないか?」

 

八幡「いや結構長くね?インタビューの時間って今から10分後だぞ?残りの7分ずっと撫でろってか?」

 

ルドルフ「君の撫で方はとても良い、それ故に気に入ってしまったのだ……恥ずかしい話、あまりこういう経験が無い。新鮮に感じてしまったのだよ……///」

 

八幡「(……まぁ初めてのGⅠ勝利だし、いっか。)3分前になったら止めるからな。」ナデナデ

 

ルドルフ「あ、あぁ!お願いするよ。」

 

 

にしても、たかが数秒でこれを気に入るとは思わなかった……俺の手、特に何も無いよな?普通の人間だから特殊能力とかあったりしないもんな?

 

 

ーーー数時間後・部室ーーー

 

 

ルドルフ「まさかこんなにも早く1つ目の冠を手にする事が出来るとは思わなかったよ。私自身、マイルはあまり得意な方ではなかったんだが。」

 

八幡「ジュニアではスピードを意識した立ち回りをしたからな。けどこっからだぞ、本当に忙しくなるのは。この先はクラシッククラス、嫌でもお前に寄って来る客が増えるし相手にしもなきゃならない。だがお前……いや、俺達が選んだ道はそういう道だ。今更聞く事でもないが覚悟は出来てるな?」

 

ルドルフ「この道を示したのは君だというのに本当に今更だな……あぁ、とうに出来ているよ。無敗の3冠、本当の試練は此処からだ。」

 

八幡「あぁ、まずは弥生賞を獲る。400mの距離延長だが、お前にしてみれば漸く本領発揮が出来る舞台って事になる。当たり前の事だが、今日よりも良いレースをするぞ。」

 

ルドルフ「あぁ、任せてくれ!」

 

 

ルドルフの気合も充分、かなり充実しているな。これまで3戦3勝、ジュニアクラスでなら良いキャリアを積ませられただろう。そしてこれからは弥生賞から始まって皐月にダービーと続いて、秋のトライアルで再始動からの最後の菊花賞だ。これまでは順調、これからもそうであってほしいと願うばかりだ。

 

 

八幡「さて、これで年内のレースは終わりだ。この次の弥生賞に向けてキッチリ仕上げていくからな。」

 

ルドルフ「うむ、了解した。」

 

八幡「じゃ、帰るか……」

 

 

まだジュニアクラスが終わっただけ……これからは1つのミスが大きく左右されるクラシックだ。アクシデントを起こさないようにしていかないとな。けど……

 

 

八幡「こういう時に限ってそういうのが起きるんだよなぁ……」

 

ルドルフ「?何が起きるというんだい?」

 

八幡「いや、何でもない。」

 

 

まっ、この1年は大丈夫だったんだし来年も大丈夫だよな。

 

 

 




八幡、その予感当たらないと良いね。
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