八幡side
凛『だからホント驚いたわよ、アンタがGⅠのインタビューに出てきた時なんて……職場の休憩中にも関わらず大声出しちゃったわよ。』
八幡「いや、そんな事を俺に言われてもなぁ……」
凛『それにアンタ、何で言ってくれなかったの……って携帯新しくしたから出来なかったのよね。ちゃんとデータ引き継ぎなさいよ。』
八幡「悪かったよ……」
只今、トレーナー寮で電話越しにお叱りを受けている最中だ。何故かというと、この前の朝日杯FSを勝った時の勝利インタビューで俺が映った事が原因らしい。因みに電話主は母ちゃんだ。
凛『とりあえずアンタが今どうしてるのかは分かったわ。ホントに心配してたのよ、電話も出ないしメールの返信も無いから。』
八幡「悪かったって。今度から偶に連絡する。」
凛『そうしなさい。それにしても……アンタがトレーナーなんてねぇ~。』
八幡「ほっとけ、俺だって最初はなるつもりなんて無かったし、似合ってねぇって思ってるよ。」
凛『別にそんな事思ってないわよ。まぁなったからには頑張んなさい。それにGⅠ獲るなんて簡単な事じゃないんだから。アンタのウマ娘に相当恵まれてるんじゃないの?』
八幡「……まぁ否定はしない。」
凛『逃げられないようにしなさいよ?』
八幡「分かってるよ……じゃあもう切るぞ。」
凛『ん、じゃあね。あっそうそう、もう数年帰ってないんだからそろそろ家に帰ってきなさいよ?』
八幡「暇があればな、んじゃ。」
家に帰るねぇ~……そんな暇が本当にあればいいんだけどな。
八幡「する事もねぇし、どうすっかなぁ……」
ーーー数時間後ーーー
結局する事も無く、街へとやって来た。今はクリスマスシーズンだから辺り一面はイルミネーションや飾り付けでいっぱいだ。クリスマスねぇ……大学の頃も作ってたなぁ。1年目は先生が、2年目は一緒に、3年目は1人で、最後の4年目は食べ比べとかしてたな。これも1年前の事になるのか……早いもんだ。
ハヤヒデ「おや、比企谷トレーナーじゃないか。奇遇だね、こんな所で。」
八幡「ハヤヒデ……そうだな。そういうお前は友人と来てるのか?お前1人でサンタのは出来ないだろうしな。」
ハヤヒデ「確かに。まぁそんなところだ、タイシンとチケットの3人で来ているんだ。色々見て回っている最中でね、今は休憩中なんだ。」
八幡「……にしてはお前以外の2人の姿が見えないが?」
ハヤヒデ「タイシンはゲームセンター、チケットはスノーウェアを見に行ってるんだ。そして私は読書だ。」
八幡「見事に分かれてるんだな……」
その後も街では学園の生徒と出くわした。迷子のオグリ(肉まん食ってた。)と捜索するタマとクリーク、焼肉に行くローレルとブライアンとマヤノ、イベントゲストのリッキー、タルマエ、アキュートのダート3人組、街の真ん中でDJってるヘリオスとノッてるジョーダン、よく分からんが店前で占いやってるフクキタルと助手のドドウ(割と行列。)、喫茶店のメニュー見て唸ってるマックイーンとそれを見て苦笑いを浮かべるライアンとドーベル、その様子をあずきバー片手とスルメを咥え、一眼レフで撮影してるゴルシ(1番理解出来ん。)等、学園の生徒達も満喫している様子だった。
八幡「見に来る事なんて殆ど無かったが、偶に来るのも良いかもしれないな……」
さて、とりあえずココアパウダーでも買ってのんびり部屋で飲むとするか。
ブロロロロッ……ガチャッ
八幡「?」
ラモーヌ「………貴方は確かルドルフの……」
八幡「………」
ラモーヌ「御機嫌よう。見たところ手持ち無沙汰のようだけれど?」
八幡「間違いではないな、まぁこれから帰るところだけど。」
ラモーヌ「そう………婆や、先方に伝えておいてくれる?少しお色直しをすると。」
婆や「かしこまりました。」
八幡「……どういうつもりだ。」
ラモーヌ「ちょうど隣を任せる人を探していたの。少し、お付き合い願えるかしら?」
八幡「断る。それなら適当にそっちで見繕えばいいだろ、何故俺に頼む?」
ラモーヌ「何処のウマの骨とも分からない人に隣を任せる程、私の了見は浅くはないの。だから貴方がちょうどいいのだけど。」
八幡「俺とお前は1度会っただけの関係で殆ど交流も無かったと思うが?」
ラモーヌ「なら突然出来た暇つぶし、とでも思ってくれれば構わないわ。」
そんな暇つぶしなんて絶対に御免被る。
八幡「もう1度言うが付き合うつもりは無い。他を「今から行く場所には食事は勿論、この業界でそれなりに顔の広い方々が集まるの。コネクションを築いておくのも悪くないと思うのだけど。」……別にそういうコネ欲しくねぇから結構。」
ラモーヌ「……強情だ事。」ニコニコ
八幡「何で笑顔なんだよ……」
婆や「横から申しわけございません、トレーナー様。ラモーヌお嬢様がここまで仰る事も大変珍しい事、ここはどうかラモーヌお嬢様のお顔を立ててはいただけないでしょうか?」
八幡「そんな事を言われましても……俺と彼女は同じ学園に在籍しているだけのトレーナーと学生、それだけの関係です。関わりの無い奴からいきなり何処に行くかも分からない場所に付き合えと言われても、行く気にはなれません。」
ラモーヌ「……今から向かう場所、それはメジロ家が主催でクリスマスパーティー行われるの。貴方には私の付き人をしてもらいたいの。」
八幡「お前、引く気は無いって事でいいのか?全然逃がしてくれねぇし。」
ラモーヌ「えぇ、私を対等に見てくれて遜りも臆したりもしない貴方が適任だもの。」
八幡「一応買ってはくれてるみたいでどうも。で、見返りってのはタダ飯と暇つぶしの2つでいいのか?」
ラモーヌ「不服かしら?」
八幡「別に。お前に貸しを作ったところで頼む事なんて何も無いだろうし、それでいい。」
婆や「ありがとうございます、トレーナー様。ではお近くの店舗にてお召し物を揃えましょう、お車へお乗りください。」
こうして俺はクリスマスの日に何故かメジロ家主催のパーティーに参加する事になりました。
あぁ、早速アクシデントですねぇ………