八幡side
ルドルフ「質問攻めだったね。」
八幡「まさか育成論まで聞かれるとは思わなかったな……まぁトレーナー志望するくらいだから過去のレースを見てるとは思っていたが、まさか全員漏れ無くルドルフのレースをチェック済とはな………」
ルドルフ「素晴らしい事だと思うよ。それに君に目を付けるのは中々に良い判断だったと思う。君の理論はこの学園所属のトレーナーの中でも異質だからね。」
八幡「今でも誰かしらはトレーニング覗いてるしな。支障は出てないから何かをする必要はねぇけどよ。」
コンコンコンッ
八幡「ん?誰だ?どうぞ。」
ガチャッ
葉山「失礼するよ。」
いろは「お邪魔しま〜す。」
八幡「……何か忘れ物か?」
葉山「いや、そうじゃないんだ。ただ君に聞きたい事があって戻って来たんだ。」
八幡「何でさっき思い出さなかったんだよ……」
いろは「だって他の人の目があるじゃないですか。これでも配慮したんですよ?」
ルドルフ「……1つ指摘させてもらおう。君達はこれからトレーナーになる者達だ。そして私のトレーナーは4月から2年目になる。葉山君だったかな、幾ら同級生とはいえもう少し態度を弁えるべきだと思うが?」
八幡「ルドルフ、いい。」
ルドルフ「っ!比企谷君……」
八幡「別に俺はコイツ等に多くを期待してはいない。言ったところで聞くかどうかも分からんからな。」
いろは「ちょっと先輩、それは言い過ぎだと思うんですけど?」
八幡「ならお前は人前であの喋り方を止める事だな。これから相手にするのは学生でも真剣にレースに取り組む連中だ。弛んだ言葉使いだと甘く見られるぞ。」
いろは「……はい、分かりました。」
八幡「……で?お前達の聞きたい事ってのは?先に言っとくが『何でトレーナーに?』なんて事聞くなよ、志望動機を話す義理なんて無いんだからな。」
葉山「君は……早くも俺達が1番聞きたかった事を潰すのか。」
八幡「俺のトレーナーになりたい動機をお前達に話して何の得がある?逆もそうだ。お前達が俺の動機を聞いてもやったぁ〜なんて絶対ならねぇよ。」
葉山「……ならこれは答えてくれ。いつから志すようになったんだい?」
八幡「……大学1年の夏だな。」
葉山「そんなに早くかい?」
八幡「トレーナーのイロハを叩き込んでくれた人の教え方が上手かったからな。いつの間にか目指すようになってた。そんなところだ。」
いろは「そんな人が居たんですね。」
八幡「まぁな。まぁお前等も試験に合格してバッジを貰ったからには担当を任せられるようになるまでは頑張れよ。サブトレーナー期間で退職なんて洒落にならないからな。そんな半端な気持ちでなったわけじゃないんだろ?」
葉山「あぁ、そのつもりだ。」
いろは「先輩に言われなくても分かってます!」
……まぁ辞めるつもりが無いのならいいか。
八幡「それなら別にいい。同じ所属にならない事を祈る。高校の頃みたいに困ったらあれこれ頼まれるのも面倒だしな。そんな余裕もねぇし。」
いろは「な、何で私の方を見ながら言うんですかっ!?」
八幡「自覚が無いのかお前は?」
いろは「分かりました!でも本当に困った時は頼ってもいいですよね!?」
八幡「本当に困ったらな。もしそれでしょうもなかったら突っぱねるけどな。」
葉山「それは例えば?」
八幡「メニューを考えてほしいとか何やったらいいか分からないとかだな。それを考えるのだって俺達だ。考えても分からなかったら辺りを散策するのもアリだし、それでも分からなかったら直接聞くのだってアリだ。」
いろは「結局アドバイスくれるじゃないですか。」
八幡「何だ、言わない方が良かったか?」
いろは「とっても参考になりますありがとうございましたっ!」
葉山「俺もそうさせてもらうよ。」
八幡「じゃあお前達もそろそろ行った方が良い、いつまでも此処に居ると変に思われる。俺達もトレーニングが終わった後だから楽になりたいしな。」
葉山「あぁ、それは悪かった。行こうかいろは。」
いろは「はい、葉山先輩!」
………まさか戻って来るとは思わなかったが、質問される事を牽制しておいて良かった。あの2人、やっぱり俺がトレーナーになった事を聞こうとしてたしな。
八幡「悪かったなルドルフ、付き合わせて。」
ルドルフ「いや、構わないよ。」
八幡「けど少し棘あったぞ?やっぱこの前の事か?」
ルドルフ「………」
八幡「肯定と受け取るぞ。」
ルドルフ「それに今の彼等が改めたかどうかはまだ分からない。君の名を言っていなかった。」
八幡「そんな事で一々目くじらを立てるな。後4日の辛抱?なんだからな、気にし過ぎていたら毛根断絶するぞ?」
ルドルフ「……分かった、今回は引き下がろう。」
八幡「その方が良い。それよりもルドルフ、今のでまた1つダジャレを思いついたぞ。」
ルドルフ「何?今のこのやり取りで?是非聞かせてほしい!」
八幡「よし、じゃあ行くぞ……え?お、俺の
ルドルフ「っ!ふふふっ、君にはまだ毛が生えているだろう。まだ死んではいないよ。」
八幡「今度スキンヘッドの人連れて来てやってもらうか?多分ウケると思うぞ?」
ルドルフ「寛容な心の持ち主であればやってくれるだろうね、そんな人が居ればの話だが。」
八幡「
ルドルフ「ふふふっ♪」
よし、笑ってくれた。不機嫌なまま帰ってほしくないしな。アフターケアは大事だ。
八幡、今日はお疲れ様でした!