比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

692 / 1582
約束のもう1つ

 

 

ルドルフside

 

 

勝った……よし、勝ったぞ!これで2つ目の冠だ!残すは京都の菊花賞だ!

 

 

実況『我々はまた歴史に名を残すかもしれない1人のウマ娘を目の当たりにしています!!無敗のダービーウマ娘にして無敗の2冠を達成したコダマ以来、24年ぶりに無敗の2冠ウマ娘が誕生しましたっ!!これはいよいよ今から5ヶ月後の淀が楽しみになってきました!!』

 

 

そうか……過去にも私と同じ偉人が挑戦して敗れているのか。だが私はその道を辿るわけには行かない、私は必ず獲ってみせる!

 

 

ルドルフ「皆、応援ありがとう!っ」

 

 

そして私は天に向かって人差し指ともう1本、中指を突き出してピースサインを出した。

 

 

「ん?ピース?何でだ?」

 

「仲の良い人が居るからじゃない?」

 

「いや、シンボリルドルフがそんな事するか?」

 

「……確かに。」

 

「何で今日はピースなんだ?」

 

 

「………なぁ、俺の予想なんだけど言ってもいい?」

 

「何だよ?」

 

「皐月賞の時は人差し指でダービーではピース、俺最初は1番って意味かなって思ってたんだけどよ、もしかしたらアレって2冠獲ったって意味なんじゃね?」

 

「っ!!じ、じゃあもし秋の菊花賞を獲ったら……」

 

「薬指を立てて最後の3本指、3冠達成のポーズになるんじゃね?」

 

「お前、頭良過ぎね?もしそれが本当だったら……もう観に行くしかねぇだろ菊花賞!!」

 

「ああ、絶対観に行くぞ!!」

 

 

私が2本指を掲げ終えた後にウィナーズサークルへと向かうと、そこには八幡君の姿があった。

 

 

八幡「着差以上のレースとはこの事だな。たった1人ロングスパートをかましたにも関わらず、先行した連中を全部差したのはお前だけ。やり過ぎなくらいだ……」

 

ルドルフ「君のそれは文句かい?それとも褒めてるのかい?」

 

八幡「文句なわけねぇだろ、トレーナーの俺も脱帽だって事だよ。お前1人だけ圧倒的なレースしただけでなく、あんなバ場であの走り………流石は【皇帝】と呼ばれてるだけあるな、お前。」

 

ルドルフ「お褒めに預かり光栄だよ。」

 

 

さて、この場でやる事はもう無いだろう。

 

 

ルドルフ「さて八幡君、控え室に向かおう。君にやってもらいたい事がある事だしね。」

 

八幡「妙に生き生きしてると思ったらそれが理由か、それを言うって事は何か思いついてんのか?」

 

ルドルフ「あぁ。これをしてもらうのは少し気恥ずかしさもあるが、君にならと信頼をしているからだと思って欲しい。」

 

八幡「……分かった。」

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

ルドルフ「さて、早速だが君にやってもらいたい事を言う。その前に1つ約束をしてほしい。」

 

八幡「?何だ?」

 

ルドルフ「今からやる事を口外しないでほしい、たったこれだけの事だ。」

 

八幡「……それだけか?起こす気も無いんだが?」

 

ルドルフ「君がそんな事をしない人なのは理解しているが、念には念を、という事さ。」

 

八幡「……分かった、約束する。」

 

ルドルフ「うむ、では言おう。頭を撫でるのはいつも通りなのだが、私の事を『ルナ』と呼びながらやってほしい……」

 

八幡「……ルナ?」

 

ルドルフ「あぁ、私の幼名というべき名だ。この流星が三日月に見えていた事からそう呼ばれていたんだ。」

 

八幡「……成る程、つまり俺はお前をルナと呼びながら頭を撫でる、で合ってるか?」

 

ルドルフ「あぁ、そういう事になる。」

 

八幡「……急に難しくなった気がするな。」

 

 

私もだよ八幡君、驚いているところだ。誰かに自分の幼名を言うとは思わなかったしね。

 

 

八幡「取り敢えず座るか。」

 

ルドルフ「うむ。」

 

八幡「………」ナデナデ

 

ルドルフ「………」ピョコピョコ

 

八幡「……頑張ったな、ルナ。」

 

ルドルフ「っ!……あぁ。」

 

 

やはり良い……それに何故だろう?初めて呼ばれたというのに何度も呼ばれていたかのように安心感がある。

 

 

ボフッ

 

 

八幡「………」ナデナデ

 

 

八幡(……ルドルフの奴、コレ絶対無自覚だろうな。ウトウトはしてないところを見ると完全に意識無くしてるな。でなきゃ俺の肩に頭を乗せるなんて事するとはあまり思えない。どうやら俺が思ってる以上に気を張っていたみたいだな……3分前まではこのまま寝かせてやるか。)

 

 

ーーーインタビュー3分前ーーー

 

 

八幡「ルドルフ、おいルドルフ起きろ。インタビュー3分前になったからもう起きろ〜。」

 

ルドルフ「む、んん……何、私は寝ていたのか?」

 

八幡「あぁ、割と早い段階でな。」

 

ルドルフ「……八幡君、今のは無効だ。」

 

八幡「は?」

 

ルドルフ「私が起きていない間に実行されては私がそれを感じているかどうかが分からない。」ムスッ

 

八幡「……つまり起きてる時にやれと?」

 

ルドルフ「その通りだ。」

 

 

寝てしまった私が悪いと言われてしまったらそれまでなのだが、流石にこれをこのまま終わって欲しくない。

 

 

八幡「……まっ、ダービー勝ったし気を張ってたんだろうなって思ったからまた今度やってやる。今はインタビューに集中しような。」

 

ルドルフ「約束だぞ?」

 

八幡「分かったよ。」

 

 

よし、何とか繋いでみせた。寝てしまった分はこれで取り戻せるだろう。流石に勿体無いからね。

 

 

 




要求は幼名呼びだったみたいですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。