八幡side
合宿から帰ってきて3日が経過した。トレーニングの方は順調で、マルゼンとのトレーニングも上手くいっている。流石のルドルフもマルゼンの逃げを捕まえるのは簡単じゃないようだ。まだ完璧には捕まえられていない。しかし何回かは差し切っているから良い脚は使えているのは確かだ。このままの調子で神戸新聞杯も勝利したいものだ。
次に原因不明の怪我人についてだが、未だ進展は無い。学生達に話を聞いたは良いものの、そこまで日常生活に気を付けていたわけでもない上に変わらずの生活だったから、振り出しに戻ったような感じだ。残すはお友達とカフェだけだが、未だ有力な情報は無い……本当に手詰まりだ。
八幡「一体どうして………」
ルドルフ「八幡君、そろそろ教えてくれてもいいのではないか?君の悩む姿を私はもう見ていられないのだが……」
八幡「……ダメだ、まだ伝える事は出来ない。」
ルドルフ「………そんなに私が頼りないという事なのか?」
八幡「いやそうじゃない、そういうわけじゃない……これは俺達トレーナーにとっておいそれとウマ娘に伝えられないような内容だ。事態を知っているのもトレーナー全員ってわけじゃない、一部のトレーナーと学園長、駿川さんと病院の院長だけだ。今の状況で学生のお前達に伝えるのは流石に時期尚早だ。」
ルドルフ「私は生徒会長だ!全生徒に関わる事なら私も知っておきたいんだ!八幡君、君の抱えているものを打ち明けてはもらえないだろうか?」
八幡「………ダメだ。」
ルドルフ「………そうか、では私はこれで失礼する。」
ガチャッ……
八幡「……これは独り言だ、俺はお前がこの部屋から出て行って部室から離れて学園側へ向かったのを確認してから呟いている事だ。」
ルドルフ「っ!」
八幡「…3日前の合宿帰りでバスの載っていた時の事だ。」
そこから俺は独り言を話した。
ーーー数十分後ーーー
ルドルフ「………」
八幡「さて、そろそろ俺もトレーナー室に【♪~】ん?カフェから……っ!!」
ルドルフ「っ!」
八幡「……もしもし、カフェか?今栗東寮の何処に居る?」
カフェ『寮内の食堂に居ます……トレーナーさん、これからどうするつもりですか?』
八幡「いや、俺はどうこうするつもりは無い。カフェ、そっからが本番だ。フジに許可を取って怪我をした子の部屋を調べてほしい、お友達を連れて行ってくれ、必ずだ。」
カフェ『……分かりました、ではフジさんに相談してみます。』
八幡「あぁ頼んだ。今起きている怪我について言えばちょっとは聞き入れてもらえるかもしれない、頼む。」
………漸く1人目か。お友達、何か見つけてくれよ。
八幡「さて、俺も向かうか。」
ルドルフ「………」
八幡「……生徒会長、何処に行くんだ?」
ルドルフ「何、偶々偶然、君の独り言を聞いてしまってね。生徒会長として、1人のウマ娘として放置しておけないと判断したから現場に向かおうと思ったまでさ。」
八幡「そうか聞かれてたのかぁ~俺ももっと周りには気を付けないとなぁ~。」
ルドルフ「……ありがとう、八幡君。」コゴエ
ーーー栗東寮ーーー
八幡「………」
フジ「おや、トレーナーさんじゃないか。男性禁止の栗東寮へ何か用かな?」
八幡「いや、入るつもりは無い。俺はカフェに使いを頼んだだけだ。それが済んだら潔く帰る。」
フジ「……まぁ貴方が悪さをするようには思えないからね、信じるよ。それに会長が居る前でそんな事をするとも思えないしね。」
ガチャッ
カフェ「……トレーナーさん。」
八幡「カフェ、どうだった?」
カフェ「すみません、それらしいものはありませんでした……」
八幡「……そうか、ご苦r「ですが……」さ……何だ?」
カフェ「お友達がコレに反応してました。」
カフェが手に摘まんでいたのは何かのパッケージの切れ端だった。
八幡「……これは?」
カフェ「分かりません……ですが、お友達がコレを嫌がっていたので、恐らく嫌な気配の正体はコレかと。」
八幡「………」ジィ∼
分からん、コレ何の商品だ?
八幡「ルドルフ、フジ、お前達はこの色のパッケージ見た事あるか?」
ルドルフ「いいや、私は初見だ。」
フジ「全く同じ意見だよ。けれど……もしかしたら、集めているゴミ袋を調べれば全体のパッケージが見つかるかもよ?」
八幡「フジ、集めた燃えないゴミの袋、もしくは資源ゴミ・プラスチックの袋を持ってきてくれないか?」
カフェ「トレーナーさん、でしたら私がもう1度探してきます。」
フジ「何か訳がありそうだね……そういう事なら私も手伝うよ。」
八幡「……済まん、頼む。」
そして2人は再び栗東寮へと入って行き、数分後には帰って来た。
フジ「きっとコレだと思うよ、この切れ端の全体のパッケージは。」
八幡「……全体を見ても知らない商品だな。ひとまずコレを預かってもいいか?」
フジ「構わないよ。ゴミとして捨てられていたからね、引き取る必要も無いさ。」
ーーートレーナー室ーーー
八幡「コレが一体何なのかが問題だな。一見すればただのサプリメント……」
ルドルフ「八幡君はコレに何かが隠されていると踏んでいるんだね?」
八幡「あぁ……明日トレーナーを集めてコレを見せようと思う。その次は入院している学生だ。」
ルドルフ「八幡君、このパッケージの写真を撮ってもいいかい?もしかしたら在庫を持っている生徒が居るかもしれない。夏合宿に参加しなかった生徒に聞いてみるよ。」
八幡「……分かった、だがあまり目立った行動はしないようにな。勘付かれてこの事が生徒の耳に入ったら外にもどんな影響が出るか分からない。」
ルドルフ「分かった、だが早期の解決をしたいのであればなりふり構ってはいられない。出来る限り慎重に動くが、目立った行動をしないというのは無理かもしれない。」
八幡「仕方ない、分かった。」
これで少しでも手掛かりになってくれれば!