八幡side
タキオンとの協力体勢を築いた事で、より詳しい情報が分かる事になるだろう。事件にかまけてばかりではなく、ルドルフの神戸新聞杯についても抜かりは無いようにしている。トレーニングはトレーニング、事件は事件で区切りはつけてるつもりだし、賢いルドルフならその辺りのメリハリもつけられていると思っている。そして今日は日曜日、トレーニングは休みだから俺は事件の事で動いている。
病院に通っては入院しているウマ娘達の状態を確認したり、怪我の容態についても観察している。
1「ありがとうトレーナーさん、いっつも来てくれて。」
八幡「気にすんな。俺がやりたくてやってる事だ。それにお前達のトレーナーだって懸命に動いてくれてるんだ、そっちにも感謝を伝えろよ。」
1「うん、昨日ありがとうって伝えた……」
八幡「ん、ならいい。」
彼女達にはこの件についての詳細を伝えてある。何らかの手掛かりが少しでも欲しい今、当事者である彼女達の証言が何よりの力になる。
2「……あのさトレーナー、ちょっといい?」
八幡「ん?何だ?」
2「此処に居る皆でどんな状況だったか改めて話し合ってたんだけど、1つ気付いた事があるんだ。」
八幡「っ!何に気付いたんだ?」
1「……私達があのサプリを使い始めたのが7月の中旬辺りなんだけど、最初は何とも無かったんだ。美味しいし飲みやすかったし、新しいのがコレなら続けていけそうって。けど、飲み続けてから3日でおかしくなったんだよね。」
八幡「っ!」
1「なんか夜になっても目が冴えてるっていうか眠くならないっていうか、それでなんか寒くもないのに手が震えたりとかして。私は3日なんだけど、2は1週間、3はその日になったって。」
……人間と同じでウマ娘のタイプも千差万別。もしかしたらコレは体質によるもの、もしくは摂取量……配分差か?
八幡「因みにどんな風に飲んでたんだ?」
1「私は水に溶かしてそのまま。」
2「あたしは牛乳に溶かして。」
3「私も1と同じ水です。」
八幡「じゃあ1と3に質問だ、水はどのくらい入れてる?」
1「ドリンクの7~8目盛りくらいかな。」
3「私も同じくらいです。」
個体差があるのは確実だな。1と3は単純に水で飲んで、2は牛乳で溶かしたから効果が薄かったのかもしれない……その影響で遅延したとか?だがだとしても怪我をする要因には結びつかない。
3「後、私はちょっとクラクラするようになりました。そういう時は休み休みトレーニングしてましたけど、数日掛けても治らなくて……今は大丈夫ですけど。」
1「けど私はちょっとパフォーマンスが上がったりしたなぁ~。不思議と今日は調子良いなぁ~って感じもあったし。」
2「……あたしは両方感じたかも。」
これも個体差あり、か……とりあえず何かが原因となっているのは間違い無い。だがそれが何なのか………
ーーーとある教室ーーー
タキオン「成る程、生徒によって症例や現象は個体差があるという事か。それは良い事を聞いたよ、モルモット達の証言は確実に役立つからねぇ。」
八幡「同じ生徒をモルモット扱いするな。とはいえ、それがどう怪我に繋がっているのか……そこもまだ分からない。一体何が原因なんだ?」
カフェ「トレーナーさん……焦っても答えは生まれません。コーヒーでもいかがですか?甘めの豆を使用して淹れますので。」
八幡「コーヒーか……お前の淹れてくれるのは美味いんだが、今飲むとカフェインのせいで夜眠れ……なく………」
カフェ「……?トレーナー、さん?」
タキオン「どうしたんだい、急に黙り込んで?」
………っ!!そうかそういう事かっ!!
八幡「カフェインだ!!このサプリにはカフェインが多く含まれている可能性があるっ!!」
カフェ「……いきなり、どうしたんですか?」
八幡「カフェインには眠気覚ましと疲労軽減や頭痛緩和の他にも運動にも多く作用する効果が含まれている。持久系、スピードやジャンプといった有酸素運動、無酸素運動のパフォーマンスを改善・上昇させる効果がある。そして最も効率良く上げる方法はトレーニング開始の1時間前。正しく正確な量を摂取すればその恩恵を受けられる。」
タ・カ「………」
八幡「だが逆に過剰摂取をすれば、不眠症、中毒、貧血、アレルギーみたいな悪影響だけでなく、動悸が激しくなったり神経系への影響、興奮に不安、震えのような健康状態にも影響をを及ぼす。このパッケージを見ても分かるがコレはコーヒー味、成分表には許容範囲内の成分量が記載してあるが、絶対に嘘だろう。タキオン、カフェインの含まれている量を調べてほしい。」
タキオン「フフフフ、まさか君が答えを見つけてしまうなんてねぇ。だが良いとも!調べようじゃないか!もし君の言っている事が事実だとすれば、現在入院しているモルモット達の要因の1つはカフェインの過剰摂取によるもの……だがこれだけでは説明は出来ない、まだ原因がある筈だからねぇ。」
八幡「あぁ、怪しいのがあったらそれもピックアップしてくれ。それとカフェ、マジでありがとうな。」
カフェ「ふふふ、お役に立てたのなら、良かったです。ところで、先程はお断りしようと、してたみたいですが、コーヒーを淹れましょうか?」
八幡「あぁ、是非淹れてくれ。過剰摂取にならない範囲で頂く。」
もしこれが当たってたら大きな進展だ。
八幡「カフェ、今度好きな料理を好きなだけ作ってやる。勿論お友達にもご馳走してやるからな。」
お友達『♪~ッ!!』ダキッ!!
八幡「うおっ!?な、何だっ!?」
カフェ「お友達が喜んでいるみたいです……料理を作ってくれるのが、とても嬉しいみたいです。」
お友達『アリガトウ……ッ!!』
もしこれが当たっていたら……大きな進歩ですね!