八幡side
八幡「………あっ!コレですね。」
たづな「……新規取引の印が付いているので、この商品は7月から取引開始で間違いありませんね。」
八幡「駿川さんも既に耳にはしているかもしれませんが、最近退院もしくは入院しているウマ娘の多くはこのサプリを飲み始めてから影響が出ています。まだ成分解析の結果が出ていないので表立った事や行動は出来ませんが、コレに何かがあるのは間違い無いでしょう。でなければ合宿中の生徒達が無事でいられた説明がつきませんから。」
たづな「こちらの商品を取り扱っているのは……▲△製薬ですね。」
八幡「直接取引ですか?それとも仲介ですか?」
たづな「お待ちください………仲介ですね、▲▲商会を通じて取引を行っています。」
八幡「っ!」
その商会……確かメジロ家とシンボリ家と取引を切られた商会で、パーティーの時に俺の文句を言っていたあの人の商会か。つまりこの商会と▲△製薬は繋がっている可能性が高い……でなければこんな大それた計画を実行できる筈がない。
たづな「……比企谷トレーナー?」
八幡「っ!何でもありません。それで、この商品はもうリストから除外してあるんですよね?」
たづな「はい、依頼した10月分のリストには載せてありません。それでトレーナーさん、これからどうするおつもりですか?」
八幡「ひとまずは解析待ちです……ありがとうございました。それから駿川さん、犯人かもしれない黒幕が浮かびました。今の▲△製薬と▲▲商会です。」
たづな「えっ!?どちらも大企業で古くから付き合いのある企業です!それにこの2社には、こんな事をする動機がありません。どうしてそう思うんです?」
八幡「これはプライベートであった話なんですけど、自分は去年のクリスマスにメジロ家主催のパーティーに参加しました。その帰りに▲△製薬社長と▲▲商会会長が良からぬ事を言っていましてね。その時はメジロラモーヌが諫めましたが、今年に入って▲▲商会と取引をしていたメジロ家とシンボリ家の両家から取引を中止されたんです。その背景にはどちらも自分が関係しています。」
たづな「………」
八幡「メジロ家主催パーティーで自分を卑下した事、シンボリルドルフの担当トレーナーである事………自分にはメジロ家と関わりなんて全くありませんが向こうは違います。それで自分に恨みを持って今回の事を引き起こそうと思ったのなら説明はつきます。」
たづな「そうだったんですか……」
八幡「不本意ですけどね。でも原因は恐らく俺です。」
たづな「だとしても、トレセン学園の学生にこんな事をしていい理由にはなりません!早急に対処すべきです!」
八幡「えぇ。なので今はタキオンの成果を待つだけです。きっと難しいと思いますので。」
……口には出してないが、俺はこれで確信した。この発注書と取引先を見て黒幕は確実に▲▲商会だ。▲△製薬は製造に絡んでるが動機が分からん。解析が終わって▲▲商会が黒だった時は▲△製薬の動機を調べないとな。つっても逃がすつもりは毛頭無いけどな。
ーーー昼休みーーー
ライス「んんぅ~♪今日のも美味しいよ、お兄様!」
八幡「………」
ライス「……お、お兄様?」
シービー「ちょっと八幡~?」
八幡「ん、あぁ悪い。ちょっと考え事してた。んで、何だ?」
シービー「君のかわいい妹がお兄様の作ってくれたご飯が美味しいって言ってくれたのに、それを聞き逃しちゃうなんてなぁ~。」
八幡「……………マジで?」
シービー「うんマジで。」
八幡「ヤバい、俺は何て事をしちまったんだ………」
ライス「お、お兄様!大丈夫だよ!そんなに落ち込まないで、ね?」
八幡「ありがとうなライス……明日も昼飯作ってやる、デザートも込みで。」
ライス「デ、デザートもっ!?」
シービー「ねぇ八幡、あたしには~?」
八幡「悪い、ライスはたくさん食べるし明日はライスにたくさん食べさせなきゃならんから予約はもう出来ない。」
シービー「ちぇ~……ところでさ、ルドルフは?」
八幡「いや、知らん。お前こそ一緒じゃないのか?」
シービー「ううん、見てない。」
何処行ったんだ?流石に昼食を抜くとは考えにくいし……
八幡「とりあえずライス、お代わりするか?」
ライス「いいの?お兄様が大変じゃない?」
八幡「大変じゃない大変じゃない、寧ろ喜んでやりたいまであるから気にしないでくれ。」
よし、ライスの為に盛り付けに行くか。
八幡sideout
ルドルフside
ルドルフ「それで、君はどう思う?今回の件について。」
ラモーヌ「………▲▲商会が黒ね、そうとしか考えられないわ。」
ルドルフ「やはりそうか……理由はメジロ家とシンボリ家の契約破棄と八幡君、が妥当な線だろう。」
ラモーヌ「けれど、それを聞いてどうする気?貴女の事だから無茶な事はしないと思うけれど。」
ルドルフ「流石に私も1ヶ月後にレースを控えている身だ、出走出来なくなるような事はしないさ。母上と祖母上にそれとなく伝えるだけにするよ。」
ラモーヌ「……そう。」
ルドルフ「君は動かないのかい?」
ラモーヌ「動く理由が無いわ……と言いたいところだけれど、その気が無かったとはいえ、元を辿れば私が蒔いた種……私もお婆様に伝えてみるわ。」
ルドルフ「助かるよ。」
ラモーヌ「それにしてもあんな物を作るなんて………不純ね。」
あぁ、それについては同感だ。早く悪い芽を摘みたいものだ。
八幡は既に………というかコイツ(▲▲商会)以外に居ませんね!