八幡side
スピード「では祝杯だ、シンボリルドルフの3冠達成を祝して……乾杯。」
『乾杯。』
シンボリ家に招待されてから数時間……応接室で長い事話をしていた。ルドルフのダービーから菊花賞までの事、▲▲商会の件、俺の婆ちゃんの話等々、色々な話をした。以前も招待されているから分かっていたが、お堅いイメージが強いシンボリ家だが意外にも気さくで物腰柔らかい。どうやら硬いイメージは外面限定のようだ。しかし、自分達の家とはいえ他人の俺にそれを見せてもいいのだろうか?
ルドルフ「……うん、学園の料理も美味しいが、やはり実家で食べる料理が1番だ。」
スピード「こうして集まって食べたのは年末年始以来だろうか。だが全員揃わないのが残念なところだ。」
八幡「揃わない?」
スイート「ルドルフとクリスエスは来てくれるのだけど、シリウスとは面識ある?」
八幡「あぁ〜………ルドルフと一緒には居たくないような雰囲気を出しそうですね。」
スイート「悪い子じゃないのは分かるんだけど、いつの間にかルドルフと反りが合わなくなっちゃってね……クリスエスが間を取り持ってくれる時もあるんだけど、あの子はあまり話さないから………」
納得出来てしまうのが悲しくなってくるな……他に止めてくれる奴は居ないのか?
スイート「比企谷さんには御兄弟は居るのですか?」
八幡「妹が1人だけ。特別仲が良くも悪くもない普通の兄妹ですよ。なので学生の頃とかは喧嘩もしましたよ。今は会う事があまり無いんですけどね。」
スイート「羨ましいですね。」
スピード「比企谷君、今し方ルドルフから聞いたのだが、君にトレーナーの知識を教えていた1人がマンノウォー殿だと聞いたのだが、それは本当かな?」
八幡「えぇ、そうです。自分の師匠に当たる人物の師匠なので、自分にとって大師匠に当たる人です。」
スイート「素晴らしい方から教えを受けていたのね。すると、お師匠様は何方が……いえ、以前の時にお話出来ないと言っていましたね。」
八幡「すみません、先生は自分の事をあまり話したがらない人なので名前はあまり言いふらさないで欲しいと言われてるんです。」
スイート「そうですね、機会を待つ事に致しましょう……けれどそれのおかげでルドルフはここまで強くなれたのね。」
ルドルフ「はい。これまでトレセン学園や自分で組んだトレーニングとは全く異なっていました。これまでのトレーニングでも高みへ登れたとは思いますが、トレーナーのおかげで3,000mを余裕で走り切れるだけの力を身に付ける事が出来ました。」
スピード「そうなのか……君のようなトレーナーが日本に、そしてルドルフの担当になってくれて嬉しく思うよ。しかしそれとは裏腹に、君が私の頃に居てくれたらと思ってしまうよ。」
八幡「ははは……」
きっとお世辞じゃなくて本気で思ってるんだろうな。にしてもこの料理、本当に美味いな……流石はプロが作る料理だ。俄かの俺とは全然違うな。
スピード「やはり他人とトレーニングのやり方が違うのは気になるものなのかな?」
八幡「最初はかなり注目されましたね。」
ルドルフ「何を言ってるんだい八幡君、今でも君のトレーニングに参加したいという生徒はたくさん居るんだぞ?」
八幡「え、そうなのか?誰も言って来ないぞ?シービーとテイオーを除いて。」
ルドルフ「あの2人は別だが、廊下でもカフェテリアでもそういう声を聞く事は多い。それに君は未担当の子達のメニュー作り、入院中の生徒へのケアもしてくれているじゃないか。その生徒達からもよく話を聞くよ。君の目標としている」
八幡「余計な事を、別に話さなくていい事なのに。」
ルドルフ「それだけ君に感謝しているという事さ。未担当の生徒達もメキメキと力を付け始めているし、退院する子も段々と増えてきた。数ヶ月前は少し落ち込んでいたが、良い活気が戻ってきたよ。」
八幡「そうだな。」
サプリの影響で入院していた生徒達は身体の異常が無くなった者達から順番に退院している。入院している今の生徒の殆どが破骨細胞のせいで骨の損傷もしくは骨折、カフェイン数値の異常がまだ残っている生徒のみだ。残りは10人も居ない、良い傾向になりつつある。
ーーー数十分後ーーー
スピード「それで比企谷君、孫の次走について聞きたいのだが、決めているのかな?」
八幡「ジャパンCを予定しています。もう5週間しかありませんから、決めるのであれば早い方が良いと思っていましたので。まだルドルフと相談してはいませんでしたけど。」
スピード「ジャパンC……日本が施工したレースで行われて来たが、1度も日本のウマ娘が勝てていないレースか。」
八幡「はい。だからこそ勝ちたいレースでもあります。現状、日本のレースは世界から見て後進国と見られています。それを払拭したいという気持ちもあります。ホームではありますが、それでも世界を相手に勝てば世界に勝ったという事になります。」
スイート「そう……ルドルフはどうなの?」
ルドルフ「私も出たいと思っていたレースです。八幡君、レースへの登録をお願いするよ。」
八幡「分かった、じゃあ次はジャパンCだ。次の相手はシニアクラス飛んで世界だ、残りの時間で仕上げていくぞ。」
ルドルフの次走、ジャパンCに決定!