比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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わがままな演出家

 

 

八幡side

 

 

俺の心配や不安が面白いくらいに覆り、何も起きないまま日と時間が過ぎた。俺も学園からの帰りや買い物で自分なりに辺りを警戒していたつもりではあるのだが、何かが起きる気配すら無かった。寧ろ起きているのかもと思って学生達にも聞いたりはしてみたのだが、変わった事や異変は特に無かった。このまま閉廷?いや、△▲製薬は分からんが▲▲商会がこのまま黙って処罰を受けるとは考えにくい。まだ何か隠し玉があるのか?でも流石にここまで来たら無理だと思うんだけどなぁ〜……

 

と、思っている間に時間は流れて今日は日曜日。菊花賞から7日が経ったので、天皇賞・秋の開催日となったわけだ。俺とルドルフは次のジャパンCの参考の為に観戦に来ている。まぁこの中で優勝候補が居るとすれば、それは1人しか俺は浮かばない。

 

 

ルドルフ「八幡君、そろそろパドックだ。」

 

八幡「ん、分かった。」

 

 

ーーーパドックーーー

 

 

シービーT「おっ、比企谷。やっぱり来たか。」

 

八幡「どうも。どうですか、シービーの調子は?」

 

シービーT「良い仕上がりになってるぞ。前走はカツラギエースを捕えきれなかったからな、今度は捕まえるって柄にもなく燃えてたからな。」

 

ルドルフ「確かにあれは良いレースだった。1度は抜かれたが、再び盛り返した後は誰にも前を譲らないまま先頭で入着。エースの根性を改めて認識したよ。」

 

シービーT「だが今回は負けない……その為にトレーニングを頑張ってきたからな。」

 

八幡「俺にトレーニングをせがまなければ、もっと良かったんですけどね。」

 

シービーT「……言うなよ。」

 

 

実況『注目の1番人気、13番…ミスターシービー!』

 

 

八幡「……確かに、調子良さそうですね。」

 

シービーT「そうだろ?本人もそう言ってたしな。今日のレース、去年の菊花賞ぶりにワクワクしてんだよな俺。」

 

八幡「そうですか。」

 

ルドルフ「気持ちは分からなくもないさ、それに舞台はGⅠだ。緊張もするだろうが、心踊るという気持ちもあるさ。」

 

 

シービー『あっ、八幡〜!!やっほぉ〜♪』ブンブンッ!!

 

 

八幡「………何で俺なんだよ?」

 

シービーT「比企谷、お前やっぱすげぇよ………俺なんて3年の付き合いなのに1度もあんな事してもらった事無いんだぜ?」

 

八幡「……なんか、すいません。」

 

 

シービー『後で控え室来てね〜!!』ブンブンッ!!

 

 

八幡「……ホントすいません。」

 

シービーT「お前どんだけシービーに懐かれてんだよ……俺だってトレーナーに選ばれた事はすげぇって自分でも思ってるのに、比企谷は顔パスで控え室まで来れるってのかよ………」

 

八幡「………マジで、本当にすみません。」

 

 

シービー、これ以上はやめてくれ………俺の隣に居るお前のトレーナーがかなり打ちのめされてる。俺もなんか此処に居づらくなってきた。っていうか何でトレーナーじゃなくて俺呼んだ?

 

 

ーーー観覧席ーーー

 

 

ルドルフ「終始、君へのアピールで終わったな……」

 

八幡「アイツ、これからGⅠだって事忘れてないか?自分のファンだって大勢居るってのに何で俺の方に手を振るかね?1発頭にポカンとゲンコツでもしてやりたいくらいだ。」

 

ルドルフ「まぁ終わった事だ、気にしても仕方のない事だ。我々は次の天皇賞をしっかr【♪〜♪〜】……?君の携帯かな?」

 

八幡「あぁ、そうみたいだ………なぁんか嫌な予感しかしねぇな。シービーのトレーナーからだ。はい、もしもし?」

 

シービーT『比企谷、本当に申しわけ無いんだが………控え室まで来てくれないか?俺じゃもう手がつけられん。』

 

八幡「あの、あんま言いたくないんですけど、担当なんですからもうちょっと頑張りましょう?」

 

シービーT『いや、さっきまでずっと喋ってたんだ。作戦とか伝えて行こうって時にお前を呼べって。俺も止めたんだが、終いには「八幡が来ないならあたしも此処から動かないっ!!」って脅された………』

 

 

アイツは………エースに勝つ為にトレーニング頑張ってたんじゃなかったのかよ。

 

 

八幡「……はぁ、分かりました。じゃあ今からそっち行きますね。」

 

シービーT『本当に済まない。』

 

八幡「いえ、では……悪いルドルフ、聞き分けの無い大型犬の頭をポカンとして来るわ。」

 

ルドルフ「あぁ、お見舞いしてやってくれ。」

 

 

ーーー控え室前ーーー

 

 

八幡「……先輩。」

 

シービーT「っ!おぉ比企谷!悪い、呼び出すつもりなんてなかったんだが……」

 

八幡「いえ……それよりも、シービーは中に?」

 

シービーT「あぁ。」

 

八幡「ふぅ………シービー、俺だ。」

 

シービー『あっ!!』

 

 

……嬉しそうな声出しやがって。

 

 

ガチャッ!!

 

 

シービー「はちま【ポカンッ!】んっ!?〜っ!!」

 

八幡「お前ねぇ?担当トレーナー困らせるような事するんじゃないの。俺まで呼び出しくらったじゃねぇか。」

 

シービー「パドックで言ったじゃん!後で控え室来てねってぇ!!」

 

八幡「俺がうんとかすんとか言ったか?今日は俺じゃなくレースに集中しなさい。てか俺の事は別にどうでもいいから、ホントマジで。」

 

シービー「それは無理。」

 

八幡「………とりあえず今はもう行け。入場始まる頃だろ?1番人気が駄々捏ねて出走取り消しなんて笑えないし、笑い物になるだけだぞ?そしたら俺もお前の事一生軽蔑してやるからな。」

 

シービー「行ってくる!そして1着獲ってくる!!」

 

シービーT「………すぐに行っちまった。なぁ比企谷、本当に困った時はお前の事呼んでもいいか?」

 

八幡「勘弁して下さいよ……」

 

 

その後シービーは宣言通り、天皇賞・秋を1着という結果で走り切っただけでなく、レコードタイムまで叩き出してしまった。流石は【ターフの演出家】と言われているだけあるな。俺の前ではただのわがまま娘なんだが。

 

 

 




シービー、担当トレーナーを困らせるんじゃないの!
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