比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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アドバイス

 

 

八幡side

 

 

どうしたものか……現在、俺とルドルフはイタリアンのお店に来て昼食を食べようという話になったのだが、いざ入ろうとしたら声を掛けられたのだ。その相手は今年の春から地方の船橋トレセンで新人トレーナーとして配属された葉山と一色だ。ただの挨拶だと思っていたのだが………

 

 

葉山「………」

 

いろは「………」

 

 

………何故か相席をしている。そのせいで俺の隣に居るルドルフは一見すると普通そのものだが、かなり機嫌が悪くなっているのが分かる。いや、もう目が笑ってねぇのよ。全く歓迎してねぇし。

 

 

八幡「……んで?わざわざ相席までして何か用?年越しの挨拶ってわけでも無いんだろ?」

 

葉山「あぁ……君は随分と活躍してきたみたいだな。テレビや記事でもよく見かけるよ。」

 

八幡「担当のおかげでな。」

 

葉山「………なぁ、教えてくれないか?比企谷はどうやってそこまで登り詰めたんだ?」

 

八幡「……言ってる意味が理解出来ないんだが?」

 

葉山「あぁ済まない……俺といろはは毎日サブトレーナーとしてメイントレーナーの元で勉強させてもらっている。だが君は初年度からメインを任されたんだろう?どうやってそこまで行ったんだい?」

 

八幡「そんなの俺が聞きてぇよ。俺から頼んだわけでもねぇし、通知と一緒にそういう風に言われてたんだよ。これ以外はねぇぞ?トレセン学園の試験内容は覚えてんだろ?筆記に面接、3通りのメニューレポートだ。俺もお前達と同じでそれをやっただけに過ぎない。」

 

いろは「け、けど先輩ってあのセクレタリアトさんとマンノウォーさんの弟子と孫弟子なんですよね?」

 

八幡「確かにその通りだが、あの会場の雰囲気とか反応見てたら分かるだろ。世間に公表したのはあれが初めてだし、俺が個人で広めるような真似をした事も無い。全部先生の独断だ。そうでなくとも自分から正体明かすような面倒な事しねぇよ。」

 

いろは「で、ですけど「その前にいいか?」は、はい……何でしょうか?」

 

八幡「あのよ……何が聞きたいんだ?」

 

いろは「……葉山先輩。」

 

葉山「……実は、来年にメインとして活動したいと思ってるんだけど、メインのトレーナーからはそういう声がかからなくてね……」

 

八幡「………」

 

葉山「もしかしたらまた1年サブで活動するのかもしれないと思うと、少し不安でね。」

 

八幡「……じゃあお前等2人に聞くけど、今サブで活動してんだろ?そのメインの担当しているウマ娘達で特に仲の良い学生とか居るか?もっと言えばある程度のトレーニングや内容を任せてもらえたりとかは?」

 

葉山「ん〜……いや、居ないな。」

 

いろは「私も、居ないかも、です。」

 

八幡「ふむ……俺個人の見解だが、来年からのメイン活動の可能性は0だな。」

 

葉・い「っ!!?」

 

 

驚いてるな……こんな答えが来るとは思わなかったのだろう。それとルドルフ、呆れた顔をもう少し隠せ。幾ら嫌いな人物とはいえもうちょっと表情隠そうな?

 

 

いろは「そ、それはどうしてですか!?」

 

八幡「簡単だ、お前等の熱が伝わってないからだ。」

 

葉山「ね、熱?」

 

八幡「お前達もある程度理解はしているとは思うが、自分の担当と未担当とでは力の入り用が全く違う。メインなら尚更だ。だがサブの内はそうは言ってられない……サブに求められるのはメイントレーナーの補助ではなく、多くのウマ娘を観察する観察力と洞察力、メインの担当以外でもトレーニングを見る事の出来る知識と技術、メインが居ない時でも自分で回せるくらいの対応力、このくらいは必要になる。まぁ後は積極性だな。」

 

葉山「積極性?」

 

八幡「別に聞きはしないが、お前達は船橋に配属された時にウマ娘とではなくトレーナーと交流を深めたと思う。確かにそれも重要ではあるが、俺達トレーナーが真に向き合うべき相手はウマ娘だ。これは質問だが、そのウマ娘達と話す機会は作ったか?」

 

葉・い「………」

 

八幡「だろうな……俺も学園に配属して最初に話したのはウマ娘だし、その最初のウマ娘がルドルフだ。」

 

ルドルフ「うんうん。」

 

八幡「それからもルドルフが担当になるまでもトレーナーとウマ娘両方と交流はしていたが、多く時間をかけていたのはウマ娘の方だ。多くのウマ娘と会話をして、食事をして、走りを見て、徐々に交流を深めていくものだ。そうして行く内に信頼を得て、ウマ娘側も

 

『この人の担当になりたい!』

 

『このトレーナーと一緒に強くなりたい!』

 

っと言ってもらえるようになるかもしれない。勿論なるかどうかは分からないけどな。トレーナーの誠意とウマ娘の信頼、それが合わさって初めて担当が出来るものだと俺は思うぞ。だから正直に言うと、メイントレーナーの見様見真似だけをしているようじゃ来年メインになるのは不可能だ。」

 

葉山「そうか……じゃあ俺達がもっと見るべきなのはウマ娘だったのか。」

 

八幡「そりゃそうだ。お前達はトレーナーを走らせるわけじゃないだろ?学ぶ分には結構な事だが、千差万別のウマ娘を1人でも多く見た方がプラスになると思わないか?脚質だけでも4種、細かく分けるとそれ以上だ。それを一瞬で見抜くなんてのは不可能だ。だから今、お前達に必要なのは引き出しの中身を増やす事だ。引き出しの中身は知識と言っても良い。それを増やしていけ。結論、これからはウマ娘との交流と知識を増やす事、以上だ。ふぅ………一気に喋ったから喉乾いた。」

 

 

とりあえずこれだけ言えば大丈夫だろう。来年からメインを持つのは難しいと思うが、途中からなら可能性はあんだろ。

 

 

葉山「ありがとう比企谷、これからやる事が分かったよ。今日は奢らせてくれ。」

 

八幡「そうは言うが、金はあるのか?」

 

葉山「そのくらいの持ち合わせならあるから任せてくれ。ルドルフさんも遠慮せずに食べてくれ。」

 

 

予想外の事ではあったが、向こうも納得してくれたようだから良かった。納得しない奴も居るからな……会った事はねぇけど。

 

 

 




どうやら良いトレーナーになろうとしているようで一安心。
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