比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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お願い

 

 

八幡side

 

 

年末年始は実家で過ごし、年が明けて帰る日となった。母ちゃんは俺と小町の近況が知りたかったようで色々と質問責めに遭った。まぁ気持ちは分からんでもない。でも考えてほしい……俺の勤め先はトレセン学園、出会いなんてある方がおかしい。全員夢に向かって全力で突っ走ってるわけだから。親父も俺の時以上に小町に色々としていた。同僚の男の事とか、男の交友関係の事とか、男の事ばかりだった……そんで小町が帰って来た日は止めたにも関わらず数本の缶ビール開封翌日二日酔いコースだ。嬉しいのは分かったからもうちょいペース考えろ、歳取ってアルコール耐性も下がってんだから飲み過ぎたらマジで毒なんだから。ルドルフも居る手前、もう少し堂々とした姿を見せてほしいと思ったんだが、もう今更か。

 

 

八幡「じゃあ母ちゃん、俺達は学園に戻るから。」

 

凛「もうちょっとゆっくりしていけばいいのに。」

 

小町「そうだよお兄ちゃん、小町だってルドルフちゃんとあんまり話せてないのにさぁ〜……」

 

八幡「そう言ってくれんのは嬉しいけど、ルドルフは3月末に向けてトレーニングを開始しねぇと調整に間に合わなくなる。最低でも1〜2ヶ月前くらいにはトレーニングを始めるのが普通なんだよ。」

 

小町「そっかぁ……じゃあしょうがないよねぇ〜。」

 

八幡「親父は今日も二日酔い………悪いがよろしく言っといてくれ。」

 

凛「飲み過ぎるなって伝えておくわ。」

 

ルドルフ「お母様、小町殿、数日間とてもお世話になりました。」ペコリッ

 

凛「こんな所でよかったらいつでも来ていいからね、八幡を足に使って構わないから。」

 

ルドルフ「えぇ、その際は是非。」

 

 

そして俺達は車に乗って最後に挨拶をしてから家からトレセン学園へと帰路に着いている。

 

 

ーーー車内ーーー

 

 

ルドルフ「八幡君、クリフジ殿の勝負服と遺品はどうするつもりなんだい?」

 

八幡「ショーケースの中に入れて飾っておこうと思う。婆ちゃんの存在を忘れない為にもな。等身大のマネキンとそのサイズのケース、鈴と扇を立てられそうなスタンドも欲しいところだな。」

 

ルドルフ「その前に遺品を元の状態に戻すというのはどうかな?復元と言った方が正確かな。勝負服も長い間箱の中に詰められたままの状態、きっと経年劣化していてもおかしくは無い。もしくは新しく作成してもらうかのどちらかが良いと思うのだが。」

 

八幡「作成かぁ……やってもらうとしたら生地もそうだが、素材も全部同じ物にしてもらうのが条件だな。でないと完全復元とは言い難いしな。綴られた資料は別として、鈴と扇もやろうと思えば可能か?」

 

ルドルフ「扇は鑑定してみない分には分からないな。神楽鈴は恐らく特注品だろう、鈴が取り付けられている部分と先端が蹄鉄の形をしていた。特別に作ってもらったのだろう。だとすれば扇もその可能性がある。」

 

八幡「……1つ、当てがある。」

 

ルドルフ「何?」

 

八幡「可能性の1つだけどな、違ってたらそれまでだけどな。」

 

ルドルフ「では勝負服はこちらに任せてほしい。祖母上に協力してもらえばきっと全力で動いてくれるだろう。利用する形で申し訳ないのだがね。」

 

八幡「そこは俺の名前を出してくれ。利用ではなくお願いするという形でだ。」

 

ルドルフ「そうか……では少し時間をもらうよ。」

 

 

………え、今から電話?しかもスピーカーかよ!

 

 

ルドルフ「……もしもし祖母上。一昨日の挨拶以来でしょうか。祖母上にご相談もといお願いがあってお電話をさせていただきました。」

 

スピード『ふむ……お年玉かな?』

 

ルドルフ「そうとも言えるかもしれません。ですが欲しいのは金銭ではなく可能かどうかの有無になります。お話を聞いてはいただけないでしょうか?」

 

スピード『勿論構わないとも。それで話とは?』

 

ルドルフ「先日、トレーナーの八幡君のご実家でお世話になっておりました。その際に八幡君と共にクリフジ殿の遺品を発見し、御両親から譲り受けました。」

 

 

ガタッ!! ガシャッ!

 

 

………なんか物凄い音してますけど、大丈夫ですか?

 

 

スピード『クリフジ殿の遺品だとっ!!?』

 

ルドルフ「はい。遺品は……」

 

八幡「………」コクッ

 

ルドルフ「……遺品はクリフジ殿が当時着用されていたと思われる勝負服。それから神楽鈴と扇が1つずつ、紐綴りの紙の資料となっています。祖母上へのお願いというのが、勝負服の修復もしくは復元をお願いしたいのです。何しろ今から40年前の服、一般の店舗では取り扱っていない素材があると思いましたので、こうして祖母上にお願いした所存です。」

 

スピード『ルドルフ、それならばお願いされずとも引き受けるさ。寧ろこちらからお願いしたいくらいだ。ルドルフ、私は今URA本部に居るのだが、来る事は可能かな?』

 

 

俺は運転中だから事故を起こさない為にも目の前に集中する必要がある。だから俺は隣のルドルフに対してOKサインを出した。

 

 

ルドルフ「八幡君からも許可が出ましたので、これからそちらへと向かいます。少々お時間が掛かると思いますが、よろしくお願いします。」

 

スピード『あぁ、いつまでも待っているよ。』

 

 

……え、いつまでも?マジ?どんだけ見たいんですか勝負服。

 

 

 




ーーーおまけーーー







スピード「ふぅ……まさか当時の勝負服を見られるなんて。」


コンコンコンッ


スピード「どうぞ。」

「失礼します……なんか割れる音したので来たんですけど。」

スピード「あぁ済まない、衝撃的な報告を聞いて余りに机を叩いてしまってね。その振動でカップを落として割ってしまったんだ。」

「どんな報告だったんです?その衝撃的な報告って。」

スピード「済まないがシンボリ家と個人的に交流のある人物だからおいそれと話せないな。」

「そうですか………とりあえず片付けますね?」

スピード「済まない、お願いするよ。」

「では、失礼します。」

スピード「あぁ、ありがとう。」


ガチャッ……


「………これ、副会長のお気に入りのカップだったよな?割れたのにショックを受けた感じも無かった。どんだけ凄い報告だったんだ?」

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