比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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初めてのURA本部

 

 

八幡side

 

 

車を走らせること1時間……俺とルドルフはURA本部に到着した。場所は知っていたが、こうやって本部に来るのは初めてだ。こんなデカいビルだったんだな………

 

 

八幡「ルドルフ、お前は此処に来た事あるのか?」

 

ルドルフ「流石に無いよ。職員でも役員でもない、トレセン学園の一生徒でしかない私が入れるような場所ではないのだから。」

 

八幡「だよなぁ……今からこの中に入るわけだけどよ、ダンボール2つ持ってる怪しい男にウマ娘ってなったら入れてはもらえないよなぁ。」

 

ルドルフ「そこは聞いてみない分には分からないさ。それに祖母上が何かしらの言伝はしてくれているだろう。」

 

八幡「そうだと思うが、流石に俺が説明しても怪しまれそうだしお前が言ってもらえないか?」

 

ルドルフ「あぁ、分かった。」

 

 

年下の学生に任せてしまうのは少し情けなくなってしまうが、こんな見た目の奴が行くよりも信用はしやすいだろう。あっ帰って来………ん?誰この人?

 

 

「日本ウマ娘トレーニングセンター学園でトレーナーを務めておられる比企谷様ですね?」

 

八幡「あ、はい。そうです。」

 

「私、スピードシンボリ副会長の秘書をしている者でございます。お話は副会長より伺っております、これから副会長の執務室へとご案内いたします。そちらのお荷物はこちらの台車へどうぞ。」

 

八幡「よ、よろしくお願いします……」

 

 

そして俺達はURA本部へと入る事に成功した。その時に秘書の方から入場許可証を貰ったのだが、入場許可証ではなく入場承認証という物らしく、これからはこれを見せれば入る事が可能だとの事だ。お気持ちはありがたいんですけどね秘書さん、多分コレはこれから使う事無いと思います。

 

 

ーーー副会長執務室ーーー

 

 

コンコンコンッ

 

 

 

「副会長、トレセン学園トレーナーの比企谷様と、ご担当のシンボリルドルフ様がお見えになりました。」

 

スピード『どうぞ。』

 

「はっ、失礼致します。」

 

 

ガチャッ

 

 

行く途中も綺麗な道だったが、副会長の執務室ともなると良い装飾品とか飾られてんだな……

 

 

スピード「やぁ比企谷君、ルドルフも。クリスマス以来だろうか。」

 

八幡「はい。それと新年明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。」

 

ルドルフ「祖母上、明けましておめでとうございます。今年もより一層精進して参ります。」

 

スピード「おぉ、済まないな。性急だったな…んんっ、明けましておめでとう。」

 

「皆様、こちらのダンボールは机の上に置かせてあります。では、失礼致します。」

 

スピード「あぁ、ご苦労だった。」

 

 

秘書は手短にそれだけ伝えると、お辞儀をしてから退室した。普通はお茶とか用意するんだろうが、荷物とかを考慮したんだろう。床で開封するなんて以ての外とか言いそうだし。

 

 

スピード「さて、ルドルフから聞いているのだが、クリフジ殿の勝負服というのは本当かい?」

 

八幡「現物を見てくだされば一目瞭然だと思います。きっとスピードシンボリさんが1番みていると思いますので……自分も十中八九勝負服だとは思いますけど。」

 

スピード「では早速開けてもらってもいいかな?」

 

八幡「はい……これが祖母の勝負服です。」

 

スピード「………」

 

 

スピードシンボリさんは俺がテーブルの上に広げている勝負服を1つ1つ丁寧に観察していた。それはもうきめ細かい金細工とかもだ。しかも手を触れないようにしながら……そこまでするか?

 

 

スピード「………まさかこうして本物を拝める事が出来るなんてね。間違い無い、これはクリフジ殿が現役時代に着用していた勝負服だ。感慨深いとはこの事だな。」

 

八幡「そうでしたか……レプリカとかだったらどうしようって思ってたんですけど、良かったです。」

 

スピード「比企谷君、触っても大丈夫だろうか?」

 

八幡「触れただけで破けるような代物でもないので大丈夫ですよ、どうぞ触ってください。ルドルフもよかったら触っていいからな。」

 

 

2人は俺の言葉を聞くと、危険物でも取り扱うかのような手の使い方をしながら観察していた。俺もこのくらい丁寧に扱った方が良かったか、婆ちゃん?

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

スピード「はぁ……満足だ。ありがとう比企谷君、憧れの方の勝負服を時を超えて触れられただけでこの幸福感は今までに無い喜びだよ。」

 

八幡「それなら良かったです。」

 

スピード「早い話になるのだが、既に応接室でシンボリ家ご用達の勝負服専門の者達が待機している。その者達にもこれを見せても構わないだろうか?」

 

八幡「構いません。この勝負服を本来の姿に戻せる可能性があるのなら。」

 

スピード「ありがとう、では早速此処に呼ぶよ。」

 

 

スピードシンボリさんは受話器を手にしてこの場に来るように指示を出した。恐らくさっきの秘書さんにお願いしたのだろう。数分も経たない内にシンボリ家ご用達、勝負服専門の人達が入って来て婆ちゃんの勝負服を観察し始めた。メモを取ったり生地を調べたりしていた。

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

「お待たせしました、スピードシンボリ様。結果から申し上げますと、複製の必要はありません。長い間ダンボールに保存されていたとの事だったので、目立ったほつれや糸くずも見当たりませんでした。多少の汚れは見受けられましたが、丁寧に洗浄すれば問題ありません。ただ、金細工は現役時代の勲章ともいうべき小さな傷がありました。そちらは細工を交換すれば元の状態に戻す事は可能です。」

 

スピード「そうか……比企谷君、費用はこちらで出す。君の気持ちは先程聞いたが、君はどうしたい?」

 

八幡「お願いしたいです。」

 

スピード「うむ……っという事だ。依頼させてもらうよ。」

 

「ありがとうございます!誠心誠意やらせていただきます!」

 

 

こうして、婆ちゃんの勝負服は修復の為に一時的に預ける事になった。その時のスピードシンボリさんがすっげぇ名残惜しそうな顔をしていた。思ってしまうのもアレなんですけど、婆ちゃんの事好き過ぎませんか?

 

 

 




スピードシンボリさん、本当にクリフジさんの事憧れてるんだなぁ……
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