比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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シリウスの父親

 

 

ルドルフside

 

 

まさか叔父上とシリウスのトレーナーがそのような事になっていたとは思わなかった……しかしいつからだろうか?今年に入ってからという事であれば少々タイミングが早過ぎる気がしなくもないが……

 

 

八幡「なぁルドルフ、シリウスの親父さんってのは厳しい人なのか?」

 

ルドルフ「厳しい、というよりも我の強いお人でね……現代の言葉でいうワンマンな一面が非常に強い。故に本家の我々とも反りが合わなくてね……一族が集まる集会でも浮いた存在であるのは確かだよ。」

 

八幡「ふぅ~ん……だが解せないな、次走の方針についてはウマ娘と担当トレーナーが話し合いで決めるのが常識だ。それすらも気に入らないってのはどういう事なんだ?」

 

ルドルフ「シリウスならばもっと上のレースでも活躍出来るという確固たる自信があるのだろう。最近では母上にも強く言っているみたいでね。」

 

八幡「何を……いや、聞かないでおく。余計な詮索だったな。」

 

ルドルフ「ありがとう。叔父上がああいう性格だからか、少々手を焼いているというのも事実……母上と祖母上の気苦労は察するに余るよ。」

 

 

しかし若葉賞は3月末のレース……もしこのままレースに直行するとなれば、トレーナーと叔父上の確執は揺らがないものになる。それは我々としても防ぎたいところだが、これはトレーナーの問題にもなりえるから外部の我々が手を出しにくい状況でもある。そうなる前に手を打てれば良いのだが………

 

 

ーーー校庭ーーー

 

 

八幡「けど、トレーナーに突っ掛かってくる親ってのはよく居るのか?」

 

ルドルフ「私の知る限りでは居ないな。私に限らず此処に居る学生達は親に説得してこの門を通っている筈だからね。」

 

八幡「だとすればその親の心情とすれば、『自分の娘ならもっと走れる。』『もっと上でも通用する。』って感情なんだろうな。分からなくもないが、この学園は全国から集まるエリート学園とも言って良いくらいハイレベルな学園だ。その地区では負け無しだったとしても全国を合わせたらキリが無い……そんな事くらい理解出来ると思うが、今回の場合は違うだろうな。」

 

ルドルフ「うむ……叔父上の場合、自分の思い描いた通りの絵にならないと気が済まないのだろう。それに一族の中では海外への思いが強い方だ、恐らくだがシリウスの遠征を視野に入れている可能性がある。」

 

八幡「今の日本は海外遠征に消極的だからな……俺達も人の事を言えた義理では無いが、挑戦するのは難しいし何よりもウマ娘の状態や健康管理に1番気を付けないといけないからな。今の日本にはノウハウが無い………確かに俺もルドルフの遠征を考えてはいたが、その事を考えたら現実的じゃないって思ったから国内に専念する事にした。」

 

ルドルフ「そういう意図があったのか……」

 

八幡「まぁな。俺もその叔父上の考えは否定するつもりは無い。だがトレーナーとの関係を悪くしてまで叶える夢では無いと思ってもいる。それで信頼関係が崩れたらご破算もいいところだ。」

 

ルドルフ「そうだな。それにシリウスの担当をしているトレーナーも言ってしまえば去年漸くサブトレーナーの研修を修了してメイントレーナーになったばかり、いわば新人と言っても過言では無いトレーナーだ。」

 

八幡「俺の1つ上の先輩とはいえ、少し同情しちまうなぁ………」

 

 

長い間叔父上とは顔を合わせていないが、焦っているように感じるのは気のせいだろうか?

 

 

八幡「シリウスもシリウスで何か不気味だな。親父さんの発言とはいえ黙っているような性格じゃないと思っていたんだが、親には逆らえないって感じなのか?」

 

ルドルフ「いいや、そういう関係性では無いと思う。少なくとも不仲というのは聞いていない。」

 

八幡「……そうか。」

 

ルドルフ「八幡君はどう考えているんだい?叔父上がトレーナーを変更させる可能性は私から見ると低くない可能性だ。君には実績も経験もあるからね。」

 

八幡「歴は今のトレーナーよりも1年無いんだが、トレーナー歴で言うなら先輩だな。だがそれならチームトレーナーを抱えてる古参トレーナーの方が良いと思うんだがなぁ……個人的にはあまり引き受けたくはないな。」

 

ルドルフ「何故だい?」

 

八幡「ルドルフで忙しいからってのが1番だな。デビュー前のウマ娘ならともかく、これからクラシックを走るってウマ娘を引き受けたいとは思わない。話が上がっても断ると思う。」

 

ルドルフ「という事は、若葉賞のレース後に話があったとしてもシリウスは受け入れないと?」

 

八幡「そういう事になるな。それにその時期からいよいよ忙しくなる、シリウスの面倒を見る暇なんてマジで取れない。それにもし引き受けたとしても皐月賞は絶対に勝てないと思うし、狙うならダービーしか無いだろう。」

 

ルドルフ「君程の腕があるのに皐月賞は無理と?」

 

八幡「無理無理。たった3週間でどうやって勝てっていうんだよ。しかも最後の追い切り1週間を抜いたとして、どうやって2週間でシリウスを仕上げろって?魔法でも使わない限り無理だ。」

 

 

八幡君はシリウスを引き受けないつもりか……しかし叔父上はどうするつもりなのだろうか?私も母上や祖母上にご相談してみた方がいいだろうか?

 

 

 




シリウスシンボリのクラシックシーズンにオーナーとトレーナーとの間でかなり騒がれていたというエピソードがあるみたいです。
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