ルドルフside
八幡君は母上達と居たみたいだが、途中から叔父上も現れた。だがこちらを見ながら話をしているかのように見えた。恐らくはシリウスの担当の事だと思うのだが、すぐに見えなくなってしまった。
そして今は八幡君との作戦会議も終わってコースへと出ている。私にとって最も長いレースとなる……淀の3,200m、天皇賞・春は3,000mの菊花賞を走れたウマ娘でもスタミナ切れを起こす程の長丁場のレース。スタミナは勿論の事ながらしっかりと自分のペースで走る事が要求される。そして私はマークされる事になるだろう。だがそれは分かりきっている事……真っ向から勝負をするだけだっ!
ルドルフ「………」
シービー「やっほ〜ルドルフ。今日もまた会ったね。」
ルドルフ「やぁシービー、大阪杯以来だね。」
シービー「今日はあたしが勝つからね〜?」
ルドルフ「ははは、今年の私は大きな目標があるからね。今回も負けられないんだ、勝たせてもらうよ。」
シービー「……そっか。まぁあたしも勝つつもりで行くからそのつもりでね?」
………?
実況『クラシッククラスの激闘第1弾が終了し、今週はシニアクラスの春3冠第2弾の天皇賞・春の開催です!大阪杯ではシンボリルドルフが1冠を獲りましたが、この天皇賞でも同じく手にするのか!?それとも他の強豪が獲るのか!?国内最長GⅠ天皇賞・春……まもなく発走ですっ!!やはり注目は大阪杯を勝ったシンボリルドルフでしょうか?』
解説『昨年の3冠も着差以上の勝ち方でしたからね、3,200mの淀でも充分能力を発揮してくれるでしょう。他にも一昨年の3冠ウマ娘ミスターシービーと阪神大賞典を勝ったニシノライデンも注目ですね。』
実況『続々とゲート入りを済ませています……残すは3冠ウマ娘の2人だけとなりました。』
シービー「じゃあルドルフ、良い走りにしようね。」
ルドルフ「……あぁ。」
実況『さぁ大外15番シンボリルドルフも収まりました!春の最強ウマ娘は誰だっ!?淀の3200m天皇賞・春………』
ガッコン!!
実況『スタートしました!!まずは1周目の坂、3コーナーの下に向かって行きます!先手を取るのはノムラムサシとナンシンエクセラーが並んでいる!いや、外からミスタールマンも行きました!3番手内にニシノライデン!4番手に下がったノムラムサシ!その後ろにシンブラウン、この5人がこのグループ!1バ身半差でアバンティーが外から上がって行きます!その後ろ内にスズカコバン、1バ身後ろにマルゼンスターと此処にシンボリルドルフ!ちょうど中団の位置で走っています!後ろにはメジロモンスニーとサクラガイセンが続いて、内にダイナアイランドとゴールドウェイ!その後ろ後方2番手にミスターシービーと殿にホッカイペガサスという展開でスタンド前に入ってきました!』
スイート「比企谷さんはこのレースをどう見る?」
八幡「……想定していた以上にルドルフのマークが甘いですね。これならルドルフの勝率が結構あると思えてしまうくらいには。」
スピード「確かに今のルドルフは内ラチ沿いを走っているし、出ようと思えば出られる位置に居る。他のウマ娘が何もしないとは思えないが、後続のウマ娘が何か仕掛けるのだろうか?」
八幡「それだったら少し怖いですね。フタをされたらルドルフは内から上がっていくしか無くなってしまいますからね。」
実況『これから2コーナーカーブに差し掛かって向正面!スローなー展開で進んでいます!先頭はナンシンエクセラー、ノムラムサシが続いてミスタールマン3番手!シンブラウン内に居て上がって行く構えだっ!そしてシンボリルドルフが5番手、内にはニシノライデンも居る!その外にスズカコバンとアバンティー並んでいるが、その外からミスターシービーのロングスパート!!既に3番手、2番手、坂を登って先頭に立つ勢いだっ!!共に上がったスズカコバンと並んでいる!!』
一昨年の菊花賞と同じ流れ……まさかシービー、これを狙っていたのか?
ならば私も上がって行くしかあるまいっ!!
実況『残り800の標識を通過して3番手の位置で2人を追うようにシンボリルドルフ!4番手にアバンティー5番手にサクラガイセンも上がって来ている!先頭2人が競り合うような形で4コーナーを曲がって直線コースに入りました!先頭はスズカコバンか!シンボリルドルフが外から上がって来ている!!ミスターシービーは一杯か!?』
シービー(あぁ……やっぱりかぁ………)
実況『内からはニシノライデン、大外からはサクラガイセンの追込だが先頭はシンボリルドルフに代わるっ!!シンボリルドルフの先頭!!粘るスズカコバン、外のサクラガイセンとの2番手争いか!?抜けたシンボリルドルフが今ゴールインッ!!!また記録を伸ばしましたシンボリルドルフ!!天皇賞・春制覇でGⅠ8勝目!!!コレが【皇帝】の走りなのか!?とんでもない強さだシンボリルドルフッ!!』
ルドルフ「はぁ……はぁ……ふぅ……よしっ、これで2冠、王手だっ!」
八幡「………」
スピード「……どうかしたのかい比企谷君?ルドルフが先頭で駆け抜けたにも関わらず浮かない顔だね?」
八幡「っ!あぁいえ、嬉しくないわけじゃないんですけど……ちょっと気になる事がありまして。」
八幡(シービーの奴、もしかして………)
ルドルフの天皇賞勝利でGⅠ8勝目!!
そして八幡が気付いたシービーの異変は?